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異世界転生してもステータスはそのままでって言ったのですが!?  作者: 桜霧琥珀
八章 決戦、帝国議会!
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18 リグレットへの助力




「――安心して下さい、リグ。これは、勝てる相手なのです」


 私は――リグの隣に姿を現します。

 突然の出来事に、リグは驚いてこちらを見ます。


「ふぁ、ファーリっ? なの、ですか?」


 リグは、私が居るということを信じられないようです。

 まあ、無理もありません。側に居なかったはずの私が、急に姿を現したのですから。


 それに――見た目も違いますからね。


 顔立ちや背格好などは同じですが、髪の色がゴールドブロンド、そして瞳の色は綺麗な蒼。

 どちらもちょうど、リグと全く同じ色です。


 髪と瞳の色だけがリグとおそろいの、姿形はファーリ・フォン・ダズエルである何者か。

 そんなやつが、突然隣に現れたのですから、困惑するのも無理は無いのです。


「今は説明するよりも先に、あの人を倒すほうが先なのです」

「わ、わかりましたわ」


 私が言うと、リグは困惑しながらも頷いてくれます。


「相手はレリック魔法を多用しています。そしてレリックの保護は一切していません。なので、リグが魔法を当ててコード強制を通して、モンスターピアスという技術で無敵を解除することが可能なのです」

「モンスターピアス、ですの? わたくし、そのような技術はまだ教わっていませんわよ?」

「はい。ですので、今から教えるのです」


 そう言って、私はぎゅっと、リグの背中に抱きつきます。

 そのままの姿勢で――リグの身体に、モンスターピアスという技能のコードを刻んでゆきます。


「んっ――! こ、これは本当に、慣れない感覚ですわね」


 リグはコードを刻まれる感覚に、頬を赤らめて身動ぎします。


「ですが、お蔭で理解できましたわ」


 技能として身体に刻まれた以上、その使い方は簡単に理解できるようになります。

 今のリグであれば、簡単にリーベリンネさんを撃退できるでしょう。


 ふとリーベリンネさんの方に視線を向けると、どうやら突然姿を現した私を警戒して、攻撃の手を止めていたようです。


「……何をしに来たのか、どうやって来たのかも知らないけど。勝つのは私ですわ!!」


 そして――不用心に、何の保護もされていないレリック魔法を放ちます。

 標的を追尾して爆発する、なんて複雑な挙動は、レリック魔法特有の動きです。


 こういう攻撃を、しっかり対処していけばリグはもっと強くなれるのです。


「さあ、リグ!」

「分かりましたわ!」


 次の瞬間――リグはモンスターピアスを発動させます。


 リーベリンネさんのレリックをコード強制して、威力の無い魔法を撃たせます。

 そしてこの魔法を新たに出したレリックに当てさせて――リーベリンネさんにコード強制を通します。

 ここでリーベリンネさん自身が持つ無敵解除のコードを実行させることで、リーベリンネさんに攻撃が当たるようになります。


 あとは――スレディブリッツでゴリゴリっとライフを削れば終わりです。


「ッ!? きゃあああああっ!!」


 突然無敵が剥がれて、スレディブリッツに襲われるリーベリンネさん。


 悲鳴を上げた後は、バタリとその場に倒れます。

 ライフを削りきられたための戦闘不能――つまり、リグの勝利なのです。


「……やりましたのね?」

「はい。リグの勝ちなのです!」


 私はそう言って、リグに微笑みかけます。


「……では、戦いも終わったことですし。説明してくださいませんこと? どうしてファーリがここに居るのか。そして何故わたくしと髪や瞳の色が同じなのか」

「あー、話せば長くなるのです。議事堂跡に戻りながらでいいでしょうか」

「ええ、もちろんですわ」


 私とリグはそんなことを会話しながら、戦場となった荒野を後にするのでした。

ファーリさんが居ない場所でファーリさんの主観で書かれていた……かと思いきや!


実はファーリさんの分身が姿を隠して一緒に居ただけなのでした!

さすがファーリさん! いつもみんなと一緒! 素敵だぜ!

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