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異世界転生してもステータスはそのままでって言ったのですが!?  作者: 桜霧琥珀
一章 初めてのおともだち
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16 ファーリVSゴーレム




 いよいよ、私の試験開始です。


「始めッ!」


 試験官さんの声と同時に、ゴーレムが動き始めます。


 私もワンテンポ遅れて行動を開始。子供らしく、わたわたと。これ重要です。


 ゴーレムの動きは明らかにクソでした。

 武芸の心得がある人ならば、なんということはなく倒せるでしょう。

 私もその1人です。今回はほどほどの強さを演じるつもりですが、ここで苦戦をするのは不自然。


 私は今日の武器――子供用のショートソードを抜いて、ゴーレムに斬りかかります。

 土のゴーレムは回避もすることなく、あっさりと倒されてしまいます。


 続く、2体目、3体目……と、私は次々と土のゴーレムを倒していきます。


 恐らく、私は受験者の間で相当な実力者として噂されていることでしょう。

 なので、土のゴーレム相手に遅れをとるつもりはありません。

 問題は、11体目の石のゴーレムからです。


 私が10体目のゴーレムを難なく斬り裂くと、続いて11体目が召喚されました。石のゴーレム。ここまで来ると、訓練を受けた兵士並みの動きをしてきます。

 ただ、私にとっては赤子同然。パパに仕込まれた剣術の腕前は、この程度の相手をものともしません。


 とは言え、石のゴーレムまであっさり撃破してしまうのは良くないのです。

 目立っちゃいますからね。


 私はゴーレムの攻撃を誘っては回避し、誘っては回避し、と繰り返します。

 やがて、ゴーレムの動きに余裕が無くなったところで、足払いをかけます。


 石のゴーレムはドスン、と倒れます。

 私はその上に馬乗りになって――核の部分を、剣の柄で何度も殴ります。


 槍使いであれば、石突を使えば石のゴーレムの処理も楽に出来るでしょう。ですが、私は剣の使い手。バカ正直に切り結べば、刃こぼれは確実。そんなことをするのは、愚かな行為と言えます。


 恐らく、試験官はその辺りの対応力も見ているのでしょう。

 リグレットさんは全ての石ゴーレムを突きで倒していました。切っ先は欠けているでしょうが、刃こぼれは最小限です。また、突きは一点に力が集中する為、石のゴーレムを破壊するには最も合理的と言えます。


 一方で、私の選択です。

 私は子供なので、あまり力がありません。――いや、実際のステータスはリグレットさんの倍ぐらいあるのですが。設定としてです。そういう設定で演技をしているのです。

 なので、突きでゴーレムを破壊することは不可能。斬撃も無論同様です。


 なので、ハンマーを打ち付けるのと同じ要領で、剣の柄の金属部分で核を殴ることに決めました。


 子供の力でも、何度も殴っていればいずれ割れます。そうすれば、ゴーレムは行動不能、あるいは動きが悪くなります。

 根気よくゴーレムを転ばせ、何度も柄の金属で打つ。

 これが私の考えた、子供でも倒せる石ゴーレム撃破の方法です。


 1体目の石ゴーレムは、一度目の転倒だけで核にヒビを入れることに成功しました。身体が重い分、そして手足がゴーレムらしく短い分、起き上がるのに苦労していたようです。


 つづいて、2体目。ここら辺で、私は息切れをしているフリをします。子供ですので、スタミナは無くて当然。一体目のゴーレムでも全力で何度も柄を振りかぶったのですから、自然なことです。


 どうにか2体目の石ゴーレムを倒して、3体目。私は、既に肩で息をしていました。もちろん演技なのですが、子供なので自然な動作です。

 2体目は2度も転ばせなければならず、運動量も相当なものになりました。

 誰も私のスタミナ切れを嘘とは思わないでしょう。


 通算13体目を相手にしながら、私は徐々に追い込まれていきます。

 というのも、スタミナ切れでうまく回避ができないのです。

 もちろんそれも演技。疲れで回避がワンテンポ遅れているフリを続けます。


 そして、決定打。私は足を踏み外すフリをして、わざと体勢を崩します。

 そこにゴーレムの重い拳が飛んできます。

 私は剣を構えて、衝撃に備えます。


「――そこまでだ!」


 ピタッ、とゴーレムの動きが止まりました。

 試験官が、試験終了の合図を出したからです。


「12体か。年齢を鑑みれば末恐ろしい成績だな」


 試験官さんは私を見て言います。


「ありがとうございました」


 私は一礼して、試験の舞台から降りていきました。

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