02 朝からイチャイチャ
訓練を終えた私とリグは、食堂へ向かって朝食を食べます。
「おはようです、お姉さまにアンネちゃん」
「おはようございますわ、お二人とも」
私とリグは朝食の乗ったトレイを持って、お姉さまとアンネちゃんの座る席へと向かいます。
「おはよう、お二人とも。毎日精が出るね」
「おはようだにゃ!」
二人とも、挨拶を返してくれます。
席についたら、すぐに四人での朝食の時間が始まります。
「ほら、ファーリ。あーん」
リグが、卵焼きをフォークで刺して私の方に差し出してくれます。
「あーん」
私はリグの差し出した卵焼きを、素直に食べます。
もぐもぐ咀嚼して、ごくりと飲み込むと、満面の笑みを浮かべて言います。
「美味しいのです♪ ではリグも、あーん」
私もフォークで、同じく卵焼きを刺してリグの口元へと運びます。
「あーん……むぐ」
リグは私の卵焼きを、それはもう幸せそうに口に含んで、咀嚼してくれます。
「ふふっ。本当、とっても美味しいですわね」
「はいっ! 二人で食べさせ合いっこすると、特別美味しく感じるのです!」
私とリグはにこにこ笑いながら、朝食を楽しみます。
そんな私達を見て、お姉さまが呆れたような表情を浮かべます。
「いや、しかしお二人とも。最近になっていっそう仲良しになったね」
「ほんとだにゃ。ラブラブなんだにゃ」
お姉さまの言葉に便乗して、アンネちゃんも言います。
確かに、ここ最近は毎日こんな感じです。朝食も昼食も夕食も、全部二人で食べさせ合いっこしています。
もちろん、これは私からお願いしたことです。
リグより子供だという立場を利用して、甘えられるだけ甘えていきます。
食べさせてほしいのです、と何度かおねだりしたら、リグはあっさり了承してくれました。
それ以来、食事のたびに私たちは食べさせ合いっこをしているのです。
「わたくしとファーリの絆パワーに限界はありませんわ。この調子で、どんどん高めていきますわ。ね、ファーリ?」
「はいなのです! 私もリグ大好きパワーを高めて、もっともっと仲良しになりたいのです!」
「ふふっ。もう、可愛いことを言ってくれますわね、ファーリ♪」
「リグの方がずっと可愛いのです!」
「あら、そんなことを言われたら、私にとってのファーリがもっと可愛く見えてしまいますわ♪」
「なら、私にとってのリグもどんどん可愛く見えてしまいます!」
「うふふ。それだと、わたくしとファーリはどんどんお互いが可愛く見えて、どんどんお互いのことが好きになってしまいますわね」
「そのとおりなのです! 一緒に居るだけで友情パワーは無限大なのです!」
私とリグがお互いに大好きオーラを言葉にも乗せて放ちます。
そんな私とリグのオーラを見て、お姉さまとアンネちゃんは呆れたような表情になっていました。
「なんというか。二人を見ていると、口から砂糖が出てきそうだよ」
「唾液がはちみつに変わったのかと思うほどに甘々ラブラブだにゃ……」
二人からそんな評価をされつつも、私とリグは食べさせ合いっこをやめません。
合間にお互いを褒め殺しながら、朝食の時間は過ぎていくのでした。




