表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/320

43 いよいよ決着




 カミさまと脳内で会話しながらも、ライゼンさんの攻撃は続いていました。

 当然、私はそれを捌き、回避し、防御して無効化しながら逃げ続けていました。

 ステータス上ではライゼンさんを上回っていますし、スーパーサーチで攻撃の予兆などを見抜けば回避や防御も簡単です。


 結果、考え事をしながらでもダメージをほぼ受けること無く逃げ続けることができました。

 ですが、このままいけば私が負けます。

 いずれ防御に使う為のパワーが切れますし、肉体的な体力ももちません。

 疲れて動きが鈍れば、ライゼンさんの攻撃に巻き込まれ、瞬時にライフを0まで削られることでしょう。


 なので――ここらでそろそろ、反撃に出ようと思います。



「――ライゼンさん!」


 私は、ライゼンさんに向けて声を上げます。


「この勝負、次の一撃で決めてやるのです!!」


 その言葉に、ライゼンさんはニヤリと笑いました。


「ふん、上等だ。吾輩を打ち破ってみせよッ!」


 その言葉と同時に、今までよりも熾烈な勢いでシャドウブリッツ、そしてレリックゴーストが襲いかかってきます。


 私は瞬時に、手を天に掲げます。


「――秘技『エレメンタルレイファング』!」



 私が天に掲げた手から、光が迸ります。

 そして、光は天へと登っていきます。


 天に登った光は上空で止まって、破裂したみたいに強く輝きます。

 その光から、無数の光の断片が、まるで牙みたいな形になって降り注ぎます。

 光の牙は雨のように降り注ぎ、私の周囲だけでなく、ライゼンさんまで飲み込むほど広い範囲に攻撃します。


 ――この光の雨も、もちろん『エレメンタルブリザード』と同様に、見た目だけの魔法です。

 この光の中で、私は肝心な部分のコードを順に実行していきます。


 まずは、カウンターです。適当に近場のレリックゴーストの攻撃にカウンターを合わせます。

 そして、次に遠隔魔法です。レリックゴーストにコード強制し、威力が無く、見えもせず、移動もしない魔法を撃たせました。


 この魔法を、私はレリックで受け止めます。姿が見えず、何の動作もしない、ただ遠隔魔法が当たるだけの障壁をレリック魔法で生み出します。

 そして、相手の遠隔魔法が私のレリック魔法に辺りました。

 これで――遠隔魔法に込めた、自分自身へのコード強制が働きます。


 コード強制は、バグによりライゼンさんに対して働きます。

 そしてライゼンさんは、わけもわからないまま攻撃の判定を自分の体に発生させ、勝手に体が動きます。

 これに合わせて、私は即死カウンターの判定を発生させます。

 ライゼンさんの攻撃判定に重ねて、ピッタリと。

 余計なものに反応して、失敗しないための保険ですね。


 こうして、私はようやくライゼンさんに即死カウンターを決めることが出来ました。

 次の瞬間、ライゼンさんはコード強制されて現在のライフを0に変更されてしまいます。


 それを確認したら、私は光の牙の雨を降らせるのを終了させます。


「……ぐッ! まさか、吾輩の無敵を破るとは……見事なり」


 ライゼンさんは最後にそう言って、崩れ落ちます。

 ライフがゼロになった為、意識を失ったのでしょう。


 しばらく、その場を静寂が包み込んでいました。

 ライゼンさんが倒れ、ブリッツやレリックゴーストも消滅しました。

 私もじっと立ったまま、身動きも取らず何も言いません。

 そして、観戦をしていたみんなも、じっと動かずこちらを見ています。



「――勝者、ファーリ!」


 そして、ようやくリリーナ先生の声が上がりました。

 審判のリリーナ先生の宣言。それはつまり、確かに私がライゼンさんに勝ったと認められたことを意味します。


 そして――その声を聞いて、安堵した私は。

 とうとう、身体の力が抜けて、その場に倒れ込んでしまいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ