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42 さらなる新技




 百を超えるライゼンさんの魔法が、私へと襲いかかります。

 当然、正直に食らってやる必要はありません。

 私は素早く回避しつつ、回避できない攻撃は魔法で障壁を生み出して防御します。

 また、襲いかかるレリックゴーストの脅威に対抗するため、即死カウンター魔法『エレメンタルブリザード』も容赦なく使っていきます。


『苦戦してるねぇ、ユッキー』


 攻撃を回避しているところに、カミさまの声がのんきに響きます。

 いや、苦戦と言うかそもそも勝ち目が無くなったのですが……。


『ところが! そうでもないんだなぁ~』


 カミさまが調子に乗ったような声で言います。


『どう? 聞きたい? 聞きたいかな? ん?』


 なんだか癪ですが、カミさまの知恵を借りねば勝ち筋がありません。

 ここは素直にお願いするのです。


『よしよし、そんなユッキーにはとっておきの技術を授けてしんぜよう!』


 おお、頼もしいのです!


『コホン。で、その技術なんだけど、その名も『ゴーストピアス』という特殊な攻撃技術だよ。本来は完全無敵かつレリック魔法で生み出した下級ゴーストに攻撃を頼るような上級ゴーストを倒す為に使われる技術だね』


 なるほど。

 それは確かに、今回の対ライゼンさんの状況と一致するのです。


『では、手順を説明しましょう!』


 どんと来い! なのです!


『まず、カウンター魔法で相手レリックの攻撃を受け止め、コード強制を発生させます』


 ふむふむ。


『そして、相手レリックには遠隔魔法を放つようにコード強制します』


 は?

 なんで相手に攻撃コードを強制するのです?

 自分で自分を攻撃するよう命令するってことじゃないですか。

 アホなのです?


『いやいや! 最後まで話を聞いて! ……で、コード強制の時に説明したと思うけど、攻撃を当てた時にもコード強制は発生させることができるって説明したのは覚えてる?』


 はい、確かに。攻撃を当てて即死させる時は即死強制……でしたっけ?


『そのとおり。で、コード強制っていうのは相手だけじゃなくて、自分自身を対象に、自分自身のコードも選べるわけ』


 ほうほう、それは初耳です。

 つまり、相手に攻撃を当てた時に、自分へコード強制を発動すれば、自分で自分の攻撃を発動するよう強制できるということですね?


『そうそう。で、話を戻すんだけど、相手レリックの遠隔魔法にもコード強制を仕込みます。そして、対象は自分。内容は、カウンターを取ることのできたレリックの攻撃コードそのもの』


 ……うん?

 つまり、レリックの攻撃をカウンターで受けて、遠隔魔法を撃たせて、それがヒットしたらレリックはもう一度さっきと同じ攻撃をするということですか?


『そう。流れで言えば、そうなるね』


 えっと、そんな回りくどい2回攻撃をさせて、何の意味があるのです?


『実は、ここでファンタズムのバグが関係してきます』


 バグですか。


『うん、バグです』


 この世界、バグ多すぎませんか?


『まあまあ、そこは気にしないで。今回もバグをうまく利用していくんだからね? 使えるものは使っていったほうがいいよね?』


 まあ、勝つためには仕方ないかもしれないのです。

 話の続きを聞かせてほしいのです。


『よしよし、では肝心な部分の話に戻りましょうとも。今回利用するバグについてだけど、口にして言うと少し面倒だね。レリックの遠隔魔法で自分自身を対象にコード強制した場合、その自分自身というのがレリックを操る本体のことになってしまいます』


 えっと、ちょっとまとめますね。

 レリックが遠隔魔法を放って、それが当たった時に自分を対象にコード強制します。

 その自分っていうのは、レリック自身にはならない。

 レリックを生み出した人が、コード強制の対象になる。

 ……と、これで合ってます?


『そのとおり!』


 ふう……だんだん話がややこしくなってきたのです。


『でも、ここまで来たらあとは簡単だよ?』


 そうなのですか?


『ではおさらいです。ライゼンに苦戦しているのは何故でしょう?』


 それは、ライゼンさんが攻撃してくれないせいで即死カウンターを決められないからなのです。


『そうそう。で、さっきまでの話を順番に振り返ってみましょう!』


 えっと……まず、レリックにカウンターを決めます。

 そして、レリックに遠隔魔法を撃たせます。

 その遠隔魔法がヒットした時、カウンターを取られた時と同じ攻撃をするよう自分自身にコード強制します。

 そして、遠隔魔法で自分自身をコード強制した時、対象はレリックではなく本体になります。


 ……あれ?

 ということは、本体は強制的にレリックと同じ攻撃させられることになるのですか?


『そうなるねぇ』


 で、その攻撃はレリックが既にカウンターを取られた攻撃だから、確実にカウンターできる攻撃になっているはずなのです。


『よしよし、どうやら気づいたみたいだね?』


 はい!

 後は、本体が強制的に攻撃させられたところに合わせて、即死カウンターをぶちこめば……っ!


『ご明察! 本体が攻撃しなくても、本体が死にます!』


 なるほどぉ。

 バグを利用することで、そんなことができるようになるのですね。


『そうそう。で、この一連の流れがゴーストピアスという技術。上位ゴーストの特殊な耐性を貫通する、って意味』


 分かったのです。ありがとうございます、カミさま。

 つまり、ゴーストピアスであればライゼンさんを倒せるというわけですね。


 さて、今度こそ勝負を終わらせてみせるのです!!

めちゃくちゃ設定が複雑になってきましたが、大丈夫でしょうか?


大丈夫じゃなくても大丈夫ですよ! なんかすごいことやってる! って雰囲気だけつかめたら!!


ちなみにもちろん、この辺の設定も元ネタのゲームに完全に沿っています。

そろそろ、元ネタのゲームが何なのか、分かるぐらいにはなってきたんじゃないでしょうか。


元ネタ分かった! って人! そして分からなかった人も面白いと思ったらブックマークと評価の方をよろしくおねがいします!!

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