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37 ファーリ、Sランクに匹敵する




『よしよし、素直なユッキーもかわいいなぁ~もう! えいっ! ……ほら、これでユッキーのステータスはライゼンに引けを取らないレベルになったはずだよ!』


 えらくあっさり私の封印が解かれました。

 さて、私自身のステータスをスーパーサーチで確認しましょう。


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


ファーリ・フォン・ダズエル(Fali Fon Dazzuel)


ライフ:103285

パワー:156291

攻撃力:3897

防御力:3255

魔法力:27928

敏捷性:5971


技能:剣術(S) 弓術(S) 槍術(S) ストレージ(S)

   精密ダメージフロー(S) カウンターコード(S)

   コード強制(S) マーキング(S) ストールダメージ(S)

   スーパーアライブ(S) スーパーフリーズ(S)

   レリック(S) スーパーフロー(S) スーパーサーチ(S)

   喰らい偽装(S) デリート耐性(S) アーマー(S)   

魔法適性:火(S)、水(S)、土(S)、雷(S)

     風(S)、光(S)、闇(S)、命(S)、無(S)

魔法耐性:火(S)、水(S)、土(S)、雷(S)

     風(S)、光(S)、闇(S)、命(S)、無(S)


―☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆――☆―


 想像を遥かに超えるステータスでした。

 見た限りでは効果の分からないスキルもたくさんあります。

 というか、ライゼンさんをステータスの上では超えちゃってるのですが……。


『まあ、ユッキーのステータスは私の特製だからねぇ。それに、ステータスで上回っていても、Sランクレベルになると技能が勝敗を大きく左右するからね。ファーリには無敵を貫通するような攻撃は考えつかないだろうからまだライゼン相手に勝ち目は無いかな?』


 なるほど。Sランクというのは、一筋縄ではいかないものなのですね。


 ともかく、これで私とライゼンさんはステータス的には対等レベルになりました。


『まあ、ライゼンに勝つために必要なこととか他にもいろいろ戦いながら教えてあげるよ。それが一番、理解しやすいと思うからね』


 なるほど、実戦経験が一番というわけですね。

 カミさまの気遣いに感謝です。


「――ではこれより、ライゼンシュタイン伯爵とファーリ・フォン・ダズエルの模擬戦を開始する。両者、準備はいいか?」


 リリーナ先生が、いよいよ勝負の開始が近づいたことを宣言します。

 私とライゼンさんは向かい合い、互いに構えます。


 私はエクスコルドを喚び出し、全属性合成魔法の刃を生み出します。

 ライゼンさんは、何やら黒い杖を召喚して手に携えています。


「それでは――始めッ!」


 リリーナ先生の号令で、いよいよ勝負開始です。


 私は素早く、ライゼンさんに近づいてエクスコルドで切りかかります。

 封印開放された私のスピードはライゼンさんすら上回っているので、それを活かして先手を打ったのです。


「――なっ!?」


 ですが、攻撃は失敗に終わりました。


 いいえ、正確に言えば、攻撃自体はちゃんと成功しました。

 しかし、私が急接近して放ったエクスコルドの斬撃は、確かにライゼンさんに当たったように見えたのに、まるで手応えがありませんでした。


 実態のない、映像だけを切り裂いたような感覚。

 でも、ライゼンさんは確かにそこにいて、決して姿を消したわけではありません。


「驚いているようだな。ふふ、吾輩の技能、無敵はそうやすやすと破れはしないぞ」

「くっ!」


 私は素早くその場を飛び退き、ライゼンさんから離れます。

 それを追うようにライゼンさんは杖で殴りかかってきましたが、回避は成功。攻撃はどちらも当たらずに終わりました。


 私はどうやって無敵を突破しようか、と考えながらライゼンさんと対峙し、動きを止めます。

 一方で、ライゼンさんは余裕そうな表情で待ち構えています。

 まあ、無敵なので当然なのです。

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