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エピローグ

久しぶりに真面目な? ものを書いたと思ってます。


次回作は、今日中には投稿するつもりですが。ぶっちゃけ、候補がファンタジーか恋愛で迷っていたり。

恋愛に関しては、ちょっと変わってますが、前回の恋愛ものとは違い真面目に青春してます。

ファンタジーにいたっては、いつもの最強ものに加えほぼ百パーシリアスなしかと。


とりあえず、よく考えて投稿したいと思います。では、失礼!!

「というわけで! おめでとう!! 遊!!」

「いや、どういうわけなの? 母さん」


 あの戦いの翌日。

 一週間前に予定していた、遊のお祝いパーティーが開かれることになった。テーブルには、お祝い用のホールケーキから始まる色んな料理が並んでいる。

 遊が招待したのは、水華と火美乃、そして篤だ。まだ篤は来ていないようだが、遅れているのだろうか? 


「どういうわけって、前にも言ったでしょ? 遊のお祝いパーティーだって。ねえ? あなた」

「ああ。この日のために、俺も高価なケーキを注文しておいたからな!」

「私も、張り切ってお料理を作ったわ! 水華ちゃんも、火美乃ちゃんも遠慮せず食べて、飲んでね!」

「はーい!!」

「母も来れればよかったのですが、大事な予定が入ってしまったと」


 それは残念だ。どんな予定なのかは、気になるところだが、あまり詮索はしないでおこう。


「本当残念ねぇ、一緒にお料理を作る予定だったのに」

「これ以上のものを作られても、食べきれないんだけど……」


 テーブルからはみ出るんじゃないかというほどまで並べられている料理の数々。そして、ずっと気になっていたことがある。


「というか、母さん。椅子の数間違ってない?」


 二色家のリビングにあるテーブルは少し大きめで、三人横に並べるぐらいはある。なので、片方に遊と水華、火美乃と並び、もう片方は鉄弥、陽子、篤となるだろう。

 なので、椅子の数は六つのはずだ。

 それなのに、ひとつ余計に用意されている。


「間違っていないわよ。実はね、篤ったらこんなおめでたい日なのに、熱を出しちゃったのよ」

「え? じゃあ、どちらにしろ二つ余計なんじゃ」

「いいえ、篤が来ない代わりに、あなたをどうしてお祝いしたい人達が、今朝連絡をくれたのよ」

「ああ、俺達もびっくりしたんだが」


 鉄弥が説明しようとした刹那。

 ガラッ!!

 リビングのドアが突然開く。


「私だよ!!!」

「か、仮面エンジェルさん!?」


 先日ぶりの仮面エンジェルが、堂々と登場。ちゃんと靴を脱ぎ、母さんが用意した客用のスリッパを履く。どうして、あんなところにスリッパが置かれているのかとずっと気になっていたが、これで理解した。だが、仮面エンジェルが来るとは遊はもちろんだが、水華や火美乃も予想外だった。


「のん!! 仮面エンジェルちゃんって可愛い呼んで!! ゆーちゃん!!」

「は、はい」


 相変わらず、元気がよく勢いがすごい人だと押されながらも、冷静に対処しようと再度話しかける。


「それで、どうして仮面エンジェルさ、ちゃんが?」

「もちろん、ゆーちゃんをお祝いに来たんだよ? 仕事の合間にね!!」

「あ、ありがとうございます」


 正直、仮面エンジェルほどの有名人にお祝いされるのは、そうはないことだろうから、嬉しいのだが。陽子は、二人だと言っていた。

 そして、彼女が来たということは……。


「あら? そういえばもう一人は?」

「もうちょっとで来るよ。てめぇと一緒に行けるかって」


 仮面エンジェルのクオリティーの低いものまねから、遊は更にもう一人の姿がはっきりしてくる。問題は、どこから来るかだ。彼女が、リビングの窓から入って来たことから、もしかすれば。


 ピンポーン。


 周りを見渡して警戒を怠らなかった遊だったが、家中にインターホンが鳴り響く。仮面エンジェルを見ると、行って来いとばかりに親指を立てる。誰も行こうとしないので、遊は意を決し、来客を出迎えに行く。


「……ど、どうも」


 玄関のドアを開けると、予想通りの来客だった。


「よう、来てやったぜ」


 いつ見ても、威圧感のあるその姿。先日の敗戦からもう復活した玖絶が、立っていた。


(ま、まさか玖絶さんが来るなんて)


 しかし、こうして遊のお祝いのパーティー来てくれているということは、何とか立ち直ったか、負けた悔しさを背負ったまま無理をしてきてくれたか……。どちらにしろ、昨日の今日なために、遊はなんだか緊張してしまっている。


「おまたせ」


 玖絶を連れて、リビングに戻ってくると。


「がし!」

「ひし!」


 なぜか、火美乃と仮面エンジェルが抱き合っていた。こうして見比べると、髪が同じ赤いということと性格に体格まで似ていることから、双子なんじゃないかと思ってしまう。

 まさか、生き別れの姉妹で、今感動の再会をしたのか? 遊は事情を知ってそうな水華に尋ねたところ。


「えっと、ただ意気投合しただけ、だと思う」

「私達は、義姉妹の契りを結んだのだよ!!」

「その通り!!!」

「義姉妹って……」

 

 これは、冗談か? それともマジなのか? 肩を組み合いながら叫ぶ彼女達に遊は更に困惑する。仮面エンジェルにいたっては、仮面で顔が隠れているため余計にわからない。火美乃は、ものすごいドヤ顔を決めているが、これはわりといつも通りだ。


「いらっしゃい、玖絶くん。遊のためにありがとうね」

「別に」


 やはり静かだ。玖絶は、すぐに椅子へと腰を下ろし、そのまま何も喋らなくなってしまった。これは、確実に昨日の負けをまだ引き摺っている。

 それも当然のことだろう。昨日負けて、すぐ立ち直れるなど、かなりの前向きな性格で無い限りは無理というもの。


「さあ、揃ったところでさっそく始めよう! 冷めない内に!!」

「おー!!」

「食べちゃおう! 私とくーちゃんは、特に時間がないからね!! よーちゃんの料理を食べれるだけ食べちゃおう!!」


 仮面エンジェルの交友的な性格が、ついに遊の母親である陽子にまで及ぶ。


「ええ、じゃんじゃん食べてね」

「玖絶くんもな」

「……ああ」

「では、改めまして!! 遊が能力に覚醒、そして成績優秀者になったことを祝して!!」


 一斉にジュースが入ったコップを持ち。


「乾杯!!!」

《乾杯!!!》


 遊達も乾杯の言葉を叫ぶ。そこからは、わいわいと料理を口に運びながら今までこんなことがあったや、これからのことを話し合う。

 仮面エンジェルも加わり、仕事でこんなことがあったと自慢げに話して、遊達は興味津々に聞いていた。二天の仕事の話など滅多に聞けるものじゃないので、火美乃にいたってはメモ帳に書き留めていた。


「はい、ひーちゃん。あーん」

「わーい! ぱく!!」

「ふふ、二人とも本当に仲がいいわね。本当に姉妹みたいよ」


 陽子の言うように、どうして急にこんなにも仲良くなったのか。いや、二人の性格が似ていることから、こうなることは予想できた。

 必然、というべきなのだろうか? 盛り上がりが絶えないお祝いパーティーの中、ふと遊は一人、立ち上がる玖絶を見る。どうしても、気になったので追いかけると。


「……」


 廊下で、遊を待っていたかのように立っていた。


「どうしたんですか? やっぱり」


 昨日のことが気になっているのか、と言おうとしたが言葉を飲み込む。


「ああ、俺はどうしても昨日のことが頭から離れねぇ」


 しかし、玖絶は遊が言おうとしていたことをわかっていたかのように語り出した。


「あの時の俺は、本当に楽しんでいた。だからこそ、自分の体が、能力が、意思とは別に動かなくなっていくのが、許せなくて、受け入れられなかった。けど……目が覚めた時には、頭はすっきりしていた。不思議とな」


 それは、遊のあの力の影響なのだろうか? 闘争心を無くしたことで、冷静さを取り戻した。だが、冷静さを取り戻したところで、昨日の負けは忘れられないはずだ。

 それなのに、どうしてここに? 


「てめぇは、どうして俺がここに来たのか。それがずっと気になってるんだろ?」

「……はい」

「そりゃあ、もちろん」


 と、拳を突きつけにやりと笑う。


「再度、てめぇに戦えって言いたかったからだ。俺の心は折れちゃいねぇ。次、戦う時はああはいかねぇぞ」

「……僕も」


 拳を握り締め、対峙するかのように遊も拳を突きつける。


「僕だって、次も負けません」

「言うじゃねぇか。まあ、今は休息と力を蓄えるのも兼ねて、てめぇには挑まねぇ。昨日負けて、悔しいからすぐ再戦だーなんて、馬鹿な真似はしねぇから、安心しな」

「そ、それはよかったです」

「それと、こいつをくれてやる」


 話すことを話して、すっきりしたのか。表情が先ほどよりも柔らかくなった玖絶が渡してきたのは、彼の連絡先だった。


「そんじゃ、戻るぞ。仕事前に腹ごしらえしなくちゃならねぇからな」


 去り際に肩を叩き、リビングへと戻っていく。一人残された遊は、リビングから聞こえてくる楽しげな複数の声を聞きながら、思い返す。

 思えば、能力に覚醒してから色んなことがあった。無能力者だった頃からは、考えられないほどにハードな日常……だけど、それを乗り越え、多くの友を得た。だが、もしかしたら無能力者でも、自分から壁を作らなければ、こうなっていたのかもしれない。少なくとも水華と火美乃ならば、今と代わらない接し方をしてくれていただろう。


「おーい!! 何してるの? 遊」

「は、早くしないと玖絶さんと仮面エンジェルちゃんに全部食べられちゃうよ!」


 いつまでも来ない遊を心配して、呼びに来てくれた二人。

 

「そんなに焦らなくても。さすがに、二人じゃ……って、えええ!?」

「よう。早くしねぇと、なくなるぜ?」

「はむはむ! むしゃむしゃ!!」


 まさかそんなことはないだろうと、思っていたが、本当に二人だけで食いつくそうとしていた。


「あらあら、いい食べっぷりねぇ」

「やはり、若いっていいなぁ」

「そ、そんなこと言ってる場合じゃないよ! これ、僕のお祝いパーティーなんだけど!?」


 それなのに、遊はまだ二人の半分も食べれてない。このままでは、なくなってしまう。遊は、感傷に浸っている場合ではないと料理へと箸を伸ばした。


「えいやー!」


 なお、仮面エンジェルから横取りされてしまう。


「ちょっ!?」


 ならばと、隣のから揚げを取ろうとするも。


「遅ぇよ」

「あっ」


 次は、玖絶から横取りされてしまった。


「てめぇは、変身しねぇと本当遅ぇな」


 明らかに挑発している。このままでは、本気でやばい。遊は、意を決し。


「エヴェルチェ!!」


 変身をした。食事をするためだけに変身するとは思わなかったが、そうも言ってられない。


「いただきます!!」

 

 今、このテーブルは戦場となっている。やらなければ……やられるんだ。遊は、箸という剣を携え、料理という敵を食らうために、突撃して行くのだった。

両方連載とかは……いや、やめてこう。でも、腐らせるのもなぁ……。

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