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Lv666の褐色美少女を愛でたい  作者: 石化
第二章 西へ

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第六十九話 情報共有

 とりあえずお着替えをする。


 ロリコンの気は無いから、社歌の下着姿はスルーできた。白の下着は子供っぽくていいと思うよ。


 問題は、レンさんだ。


 服を乾かすからって、そんな躊躇いなく脱ぐか?


 でも、現実に真っ黒なスパッツと真っ黒なブラだけをしたレンさんが目の前にいるんですよ。意味がわからないですね。まあ、俺も着ているものは脱いだからな。お互い様かもしれない。


 しかし、レンさんの胸はたわわだな⋯⋯ 。


『直方は、私の胸が気になるの?』


 興味津々といった調子でレンさんが尋ねてくる。

 しまった。目線が露骨すぎた。


「⋯⋯ 。そりゃ、見事だし。」


 感情には抗えず、素直に口に出してしまった。


『そっか。嬉しいな。』


 まっすぐに彼女ははにかんだ。


 俺の心臓がびくんと跳ねる。


 彼女はあまりに魅力的すぎた。



「はいはい。そのあたりにしとくよ。とりあえず情報交換しよう。」


 阿弥那が手を叩く。


 意識が引き戻された。


 彼女も不思議だよな。社歌と同じくらい。5歳くらいに見えるんだけど、どう考えても賢い。


「阿弥那は今まで何をしていたんだ?」


「とりあえず引きこもり部屋の造営と、情報収集だね。」


「わたしとおなじね!」


「⋯⋯ いや、隠れ場所を作れなかった時点で俺たちの負けだ。」


「そんな!?」


 社歌はショックを受けているけど、これは本当だ。


 さっきの水門もこの部屋も阿弥那が作ったんだろう。


 どうにも他にも部屋は何個もあるらしい。


 中華統一ダンジョンバトルが始まってからまだ何時間も経ってないのに。


 純粋にダンジョン拡張が得意なんだろう。


 英彦山ダンジョンの時も、自分だけいい部屋作って引きこもっていたしな。


 そのおかげでこうしてダンジョン内で休めている。


 水門も閉じたみたいだし、水を泳ぐ敵の侵入もシャットアウトだ。


 阿弥那は相対的に優秀だと言えるだろう。

 ダンジョン内の情報収集もしていたみたいだし。


 上位互換かな?


「わたしのほうがたんちのうりょくあるもん⋯⋯ 。」


 社歌の言い分はもしかしたら一理あるかもしれない。


 阿弥那の人形はだいたい涅槃の形だから移動には不向きだ。


 俺たちとゴリラの戦闘音を聞いてきたのだと考えれば、そこまで精度はないと考えてもいい。


「阿弥那、サトラと千樹の位置はわかるか?」


「わからない。」


「やっぱりわたしのほうがゆうしゅうね!」


「じゃあ、社歌は偵察人形を出してくれ。」


「ふぇ?!」


 墓穴を掘ったな。


 まあ、彼女の方が偵察では優秀らしい。

 情報はあった方がいい。

 とりあえずそれで行こう。


 社歌の小さな人形が消えていくのを見送った。


 ついでに社歌と阿弥那の地図の情報をドッキングさせる。


 逃げていた間にも一応地図情報は収拾されていたらしい。偵察人形もより広い範囲に散っている。


 何機か消えてしまっているからそこらへんは要注意ゾーンだな。強敵がいる可能性が高い。


 それどころかダンジョンマスターがいそう。サトラと合流したら積極的に向かいたいところだ。


 上層のマッピングはかなり進んだが、まだ全体を把握するところまで行けていない。どれだけ広いんだよ。


 中国全土のマスターと、中華の中に入るであろう日本韓国ベトナムその他の国々のダンジョンマスターたちが全員収容されていると考えればまあ、わからないことはないか。

 多分一層で百人以上はいそうだし、その全員を被らないように配置すると考えれば必要な広さは天井知らずだろう。


 阿弥那のマップには二層と三層が記されていた。

 薄々感づいていたけど、これ階層構造で考えてもだいぶ広いぞ。

 一層が一番上だと言う保証もないわけだし。


『よし。だいたい済んだね。じゃあ、わたしが気になったことを教えてもらいたいんだけど。』


 雪のような肌だな⋯⋯ 。

 違う違う。そうじゃない。レンさんの露出が高すぎて別のことを考えてしまう。よくない。


『いつもよりも弱いよね、直方。どうしたの?』


 聞いて欲しくないところをストレートに聞くよな⋯⋯ 。


 逃げる途中のどさくさでごまかせたと思っていたんだけど甘かったらしい。


 さて、ここで俺には二つの選択肢がある。

 レンさんに、俺の職業効果を教えるか、それとも教えないかだ。


 教えた場合は、俺の戦力を正しく認識してもらえる。ただし、レンさんはアメリカ軍だ。

 襲撃してきたリンのことは記憶に新しい。

 あの時は彼女の異界化を有効活用できたから勝てたが、妙な小細工をされず一人にされたら負けていただろう。俺の職業の効果は、本当に信用できる一部にしか教えない方がいい。それは確実だ。


 ただ、教えない場合は、俺はただ謎の弱体化を果たした人になってしまう。

 教えられないと言うのも何かしら遺恨を残しそうだ。

 現在の状況は、予断を許すものではない。

 持てる力は全て発揮するべきだろう。


 ⋯⋯ 教えるべきだよなあ。どう考えても。

 でもなあ。


 俺は優柔不断だった。


「サトラといっしょにいないとちからがでないんでしょ?」


 俺が言うまでもなく社歌がバラしてしまった。


 そういえば、社歌には言ってたわ。


「ひょっとしてだめだった? 」


 こちらの顔色を伺う社歌が恐る恐る言う。

 その気遣いはもう少し前に発揮してほしかったな⋯⋯ 。


 仕方ない。


「俺の職業の効果だ。今から説明する。」


 レンさんにも教えることにしよう。


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