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Lv666の褐色美少女を愛でたい  作者: 石化
第一章 東京

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第三十六話 新宿素材買取所

ポケモン楽しいです(遺言)

 

 遅めの朝食を食べて、サトラと一緒にダンジョン産素材買取所に向かって出発した。


 サトラが持ってるオリハルコンゴーレムの残骸、割と大きかったよな。


 規模が大きいところじゃないと引き取ってもらえないかもしれない。


 なら、あそこだろう。


 新宿の素材買取所だ。

 東京で一番深度が深いと言われている代々木ダンジョン。

 それにお手頃な新宿御苑ダンジョンが近くにあり、利便性も良い。

 ダンジョン産素材買取所としてはトップクラスに大きいことで有名だ。


 あそこなら、扱ってもらえるだろう。

 むしろあそこで無理ならどこで買い取ってもらえるんだ。


 というわけで、いつものように電車に乗る。


 サトラが注目を集めるのもいつものことだ。

 今日は白ワンピースのお嬢様スタイルで、清楚だ。

 肌のおかげで活動的に見える。清楚で活動的。完璧かな?


 隣にいる俺に訝しげな視線が向けられている気がする。

 確かに不釣り合いかもしれないから仕方ないか。

 ⋯⋯それでも、それはそれで嫌だな。


 確かレベルが上がったら風格が変わるらしいから、それで解決しよう。

 レベルを上げて物理で殴るは最強の解決策だ。


 レベリングを頑張ることを心に誓って、電車に揺られた。


 到着したのは新宿ダンジョンもとい、新宿駅だ。


 一説によると地下に本当にダンジョンが広がっていて、胡散臭い教団が祭壇を構えているらしい。

 流石に眉唾ものだが、新宿ダンジョンは、上層部だけでも迷いがちだ。


 何回も来ている俺でさえ迷いそうになるのだから、相当なものだろう。

 もし本当に下にダンジョンがあったら、戻ってこれないかもしれない。


 方向感覚がないサトラは、すぐに自分がどこにいるのかわからなくなったようだった。

 目を白黒させている。


 人もたくさん歩いている上にわかりにくいとか、構造上の欠点が多すぎる。

 なんで真ん中をJRが縦断してるんだよ。駅作りの時に配慮してくれ。


 さて、ダンジョン素材買取所があるのはバスセンターの最上階である。

 バスの代わりにトラックが外に出て行く光景は珍しいものではない。

 冒険者たちの利便性と、運送の便の良さを考えた結果ここになったのだろう。


 ありがたい。


 とりあえず、目標の金額は、半年分の授業料。80万円だ。

 なんでこんな金のかかる大学に進学してしまったのか。

 過去の自分を呪ってももう遅い。


 なんとか切り抜けねば。


 ポーション一個の価格がいくらくらいだったっけ。確か3万くらいだ。

 良いやつだったらそれ以上行く。

 あのオリハルコンゴーレムからドロップしたんだから良いやつじゃないはずはない。だが、不安は残る。いや、オリハルコンゴーレムの体は珍しいはず。

 高く売れないはずがない。そっちを信じていこう。


「いらっしゃいませ。」


 美人の受付嬢が笑顔で迎えてくれた。

 ファンタジーだったら当然かもしれない。

 でも現実世界だからな。

 顔採用とかあったんだろうなと勘ぐってしまう。

 下種の勘繰りにしかならないけど。


「すみません。ポーションの買取をお願いしたいのですが。」


「ポーションですね。現物をどうぞ。」


「サトラ、頼む。収納からポーションを出してくれ。」


『いいよ。』


 彼女の手にポーションが現れる。


 赤い液体の入ったハイポーションだ。


「これです。」


「えっ。これはハイポーションですか? お客様は実力者なんですね。」


 尊敬の目を向けられた。美人さんにそんな風にされると照れてしまう。

 デレデレしているとサトラに腕を引っ張られた。

 正気に戻った。この人とはただ売買するだけの関係だと自分に言い聞かせる。


「ハイポーションでしたら、10万円で買い取らせていただきます。」


 ここで買取価格交渉をするのは得策ではない。

 基本的にこのお店は値下げ交渉に応じないしな。


 通常ポーションが3万円くらいであることを考えると妥当な金額か。


「では、それでお願いします。」


「わかりました。」


「あとひとつ買い取って欲しいものがあるんですけど、ここで出せる大きさじゃないんです。」


「ここで無理なら無理ですね。集積所の方に行って直接買い取ってもらってください。」


「えっ?」


 ダイソーの店員のようなことを言い始めたぞこの受付嬢。


「集積所は築地にあります。ご存知ですよね。」


「あっ、はい。」


 全然ご存知ではなかったけど、頷いておいた。


 調べていけばいいだろ。


 確かに築地市場の跡地に何かができたという話は聞いたことがある。

 ダンジョンに関係する施設とか言ってたかもしれない。


 とりあえず、10万円稼げたのでこれでいいだろう。

 あとは、オリハルコンゴーレムの体がどれくらいになるか、だ。


 ゴブリンの牙とかは別にお金にならないので持って帰らなかった。

 討伐数でお金がもらえるシステム欲しいな。


 冒険者ギルドがあればいいんだけどなあ。

 流石に現代日本であの組織を作るのは難しかったのだろう。

 日本のダンジョンは大体人間の管理下に入っているから改めて対策する組織を立ち上げる必要もない。

 もしかしたら中国とかにはあるのかもしれない。

 あっちはあふれたモンスターに対抗して各都市が城郭を築いているらしいからな。


 とはいえ日本なので、基本的にお金になりそうなものしかダメだ。

 ボス素材なら望みはある。オリハルコンは伝説の金属だ。

 買い取ってもらえないはずがない。


 もしかしたら、お金を用意できないみたいなことを言われるほどの値段がつくかもしれないぞ。

 ふふふふふ。

 俺は取らぬ狸の皮算用を始めていた。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] オリハルコンは加工出来なくて、買取価格が安いパターンだったりして……(´・ω・`) [一言] ハイポーション……ポーションに栄養ドリンク各種を混ぜたものか……!(・ω・´)
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