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Lv666の褐色美少女を愛でたい  作者: 石化
第四章 アメリカ+

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第百二十話 次の目標

 

 素材売却していたら、思っていた通り、やばい財産ができた。

 なんならまだまだ素材は眠っているけど、あんまりここばかりに下ろしても意味がない気がしたので、途中でやめて置いた。

 どちらにしろ騒ぎにはなったが、ほどほどに切り上げる。


 俺の望みは、冒険がしたいと言うこと。それがサトラに出会って、彼女を幸せにすると言うものが加わった。名誉欲とかそう言うものはあまりない。


 と、言うわけで問題は、次にどこにいくか、だ。

 経験値は確かにがっぽりだったけど、強さと言う意味ではあまりにも足りなかった。ナルデによるとあれでもヨーロッパのダンジョンにしては強い方らしい。ヨーロッパだけ謎にぬるい件について。


 しかし、モン・サン・ミシェルは、フランスの西の端近くだ。

 これより西はスペインとポルトガルしかない。

 しかもナルデの情報によるとここより低レベル。

 どうすればいいんだ。

 手詰まり感がある。

 どう考えても俺の西国縛りのせいですねごめんなさい。


 でも俺は西を向いて歩くぜ。世界一周すれば最強の男になれるはずだからな。

 サトラがいるから最強の人間とは言えないです。ええ。


『リンから連絡があったんだけど、みんなで私の国に来ない?』


 そんな時、レンさんがそんなことを言い出した。


 レンさんの国。

 それは今なお最強国家であるはずのアメリカ。


 サトラとしては複雑な思い出が残っている国だろう。


 俺は、レンさんの言葉に答えずに、サトラの答えを待った。

 レンさんが今更サトラをどうこうしようとしているとは思えない。でも、サトラが嫌なら、絶対に行かない。

 正直興味を惹かれないと言えば嘘になるけど、俺は一番サトラが大事だ。


『何をするの?』


 サトラは問う。


『私の里帰り。直方とサトラを両親に紹介したいし。』


『私は仲間はずれかい⋯⋯?』


『もちろんナルデも。』


『うんうん。それならいい。』


 一瞬で機嫌を直したな⋯⋯。


『それと、未発見のダンジョンの探索。最近その存在が囁かれているところがあるんだけど、まだ詳しいことがわからないからその調査。サトラを入れて、捕らえない条件だってさ。』


「だから信用できないんだよな⋯⋯。」


『私のことも?』


「いや、レンさんは信用している。」


 こんな機密情報を惜しげも無く開示してくるのは、こちらへ隠し事をしないと言う宣言だろう。


『ふむ。なるほど。五大湖の辺りか。』


 ナルデはすでに当たりをつけたようだった。さっき言われてすぐか。

 彼女の技能「探求」を用いて調べていたのだろうか。やっぱりとてつもないな。


『流石だね。』


 レンさんもこれには感心するしかない。


『そう。ダンジョンがあると思われているのはンガイの森。鬼火が出るっていう怪しげな森だよ。後笛の音が聞こえるけど、誰もその正体に気づいたものはいないんだって。』


『面白そう。』


 サトラは、そこまで聞いてようやく乗り気になったようだった。


『サトラに手を出す輩は私が責任を持ってぶっ潰すよ。』


レンさんがそこまで言うのなら、大丈夫なんだろうか。

 まだそこはかとなく不安なんだけど。


 ゆうて上層部が命令してきたら逆らえないのでは?

 一応軍人ではあるんだから。


 レンさん本人と、その上司は別の話だ。


 うーん。しかし、西国無双のためにはアメリカ行きはプラスになることもまた事実。


 しかも未確認のダンジョンがあると来ている。

 普通のダンジョンじゃ俺たちの相手にならないんだから、そのくらいないと役不足だろう。

 つまるところ俺個人としてはそんな冒険がしてみたい。


『アメリカ軍が攻撃してきたら、か。私も、レンと一緒に潰すとしようか。』


 ナルデの体から凄まじいプレッシャーが一瞬だけ放たれた。


 一番敵に回しちゃいけないのはナルデだろうな⋯⋯。

 情報化社会において最強みたいなところある。


『行ってみたい。』


「なら当然俺も行く。行ってみたかったしな。」


『じゃあ、決まりだね。はい。リンに連絡したから、これから空港に飛行機が来るはずだよ。』


 人間の空中移動ってそんなホイホイしていいものだったっけ。物流とかの関係にもう少し重きを置くべきでは?


 でもまあ魔の海を渡る訳にはいかないから、ありがたいことではあるのか。


 そして、リンさんはやっぱり御愁傷様です。お姉ちゃんに一生振り回されて生きていそう。



 そんなこんなで、空港に移動してしばらくゆったりと待っていたら、どうみても軍用機みたいな飛行機がやってきた。


 いやそれ国際問題にならないの?


『この国は平和だからね。扱いづらい高ランク探索者なんて、とっとと他へ行ってしまえと思っているはずだよ。』


 ナルデの解説で腑に落ちる。

 そりゃまあ怖いよな。人外が四人いたって話だ。

 出来るだけ人が少ない時間を狙って行動していたけど、割と騒ぎは起こっていたみたいだし。


『だからあれも黙認さ。』


「そのままサトラがとらわれるなんてことにはならない?」


『流石にそんな下手は打たないと思うよ。ただ、睡眠薬くらいには警戒していた方がいいかもね。』


「確かに。全員眠らされたら向こうのやりたい放題になってしまうのか。」


『まー大丈夫でしょ。ちょっと「探求」を使ってみたけど、怪しいところはなかったから。』



 ナルデがいれば怪しいところなんてなくなるんだよな⋯⋯。

 流石は世界最高の情報屋だ。



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― 新着の感想 ―
森の名前で「そこはダメーッッッ!!?!?」ってリアルに声出ましたし、過去話で気になる描写がいくつかあったのですが、この話を読んで「そういうことか…」と納得しました。いあいあ!
[気になる点] >>『サトラに手を出す輩は私が責任を持ってぶっ潰すよ。』  ナルデがそこまで言うのなら、大丈夫なんだろうか。  まだそこはかとなく不安なんだけど。 の‘ナルデ’の部分はレンさんでは…
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