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Lv666の褐色美少女を愛でたい  作者: 石化
第三章 ギリシャ

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第百八話 戦い終えて

 

 ナルデと愛さんが休んで、サトラがまだ回復できていない。


 あんまり戦闘によるダメージがないレンさんと回復した俺が三人を守る形になる。 


 クロノス戦を乗り越えた俺のレベルは結構上がっているようだ。今のステータスはこんな感じ。


 名前 直方仁


 Lv 232*(2.5)


 職業「異世界主人公(召喚予定なし)」


 技能「鑑定」「言語伝達」「威圧耐性」「超回復」「加速」「精神力」「料理」「西国無双」「一心同体」「気配察知」「時の奇跡(単発)」


 称号「異世界主人公」「神殺し」


 レベルがめちゃくちゃ上がってるな。

 まあ、格上だったし多少はね?

 なんでレベル666の相手と戦わなくちゃいけなかったんですかね⋯⋯ 。


 増えた技能は「時の奇跡(単発)」。

 どうやって使うのか全くわからない。

 どうもクロノスが最後に託した力のようだが、使い方がわからなければ宝の持ち腐れだ。

 称号には「神殺し」ってのが増えている。

 称号効果は神と戦う時に大幅補正が貰えるらしい。

 流石にもう二度と神と戦うことはないだろうから死に称号だな。


 フラグではないはず⋯⋯ 。


 あと、レンさんのレベルも上がっていた


 名前  レン ワールド 


 Lv 247


 職業「英雄」


 技能「限界突破」「鼓舞」「カリスマ」「炎魔法」「鑑識眼」

 称号「女神の加護を受けしもの」「世界を導くもの」「ダンジョン踏破者」「神殺し」


 ⋯⋯ 普通に強くないですかね。

 ちゃんと戦闘に参加した扱いになっているらしい。

 戦闘に参加した扱いじゃないと職業「英雄」のバフが乗らないからな。


 当然といえば当然だろう。


 何回か援護もしてくれたし。


 そろそろ本当のレベルでも抜けるかなって正直思っていたけど、そう甘くはなかった。



 技能は増えていない。


 まあ、それが普通だ。

 俺の職業がおかしいんだよな⋯⋯ 。

 やっぱり主人公って、強いわ。


『直方。』


 レンさんが注意を促す。


「ああ。」


 前方から小山のようなミノタウロスが歩いてくる。


 さすがはLv500台。

 生半可じゃない。

 存在感が圧倒的だ。

 ミノタウロス

 Lv512

 職業「猪武者」

 技能「俊敏」「突進」

 称号「はぐれ」


 武器は何も持ってはいない。

 だが、能力はかみ合っている。

 称号「はぐれ」も一体でいる時に補正がかかるのだろう。


 ぶちかましだけで持っていかれる可能性は高い。


 こちらの異世界主人公の能力がなければどうしようもないところだった。


 異世界主人公のレベル補正により俺の今のレベルは実質580。

 70近くのレベル差があれば、問題にならない。


「レンさんはみんなを頼む。」


『後ろは任せて!』


 心強い。


 さあ、一対一。


 サトラなしで俺がどれだけやれるか、計らせてもらおう。



 突進のモーション。

 それを無視して俺は突っ込む。

 後ろに突進させたらダメだ。

 みんなに被害が出る。


 ならば、前に出て受け切る。


 スピードの乗った踏み込みで、ミノタウロスのぶちかましがトップスピードに乗る前に叩く。



 拮抗。流石に技能補正が乗っている動作は強い。

 こちらも回復したばかりで本調子じゃないか。


 だが、相手の出鼻を挫けたのは大きい。


 どう見ても、ミノタウロスの最大火力はその突進だ。

 だが、これほど近ければその威力も半減する。


 突進などさせる暇を与えはしない。


 俺は千鳥で、ミノタウロスの肉を裂いていく。


 ほらほらどうした。反応できていないぞ?


 技能「西国無双」を所得してから、千鳥の刀さばきがとてもうまくなった。


 この技能は総合的に戦闘力を向上させるようだが、中でも刀と相性がいいらしい。


 そのまま攻め立てる。


 だが、ミノタウロスは打たれ強い。

 全身から血を流して、それでも、いまだに全身に力がみなぎっている。


 再びミノタウロスが突進のモーションに入った。


 やめろそっちにはみんなが。


 くっ。俺はダメージを与え続けているというのに、それには反応せずに、力を溜めている。


 今から迎撃しても到底間に合わない。


 レンさんが覚悟を決めて、拳法の構えをとったけど、このレベルの相手に正面から向かうのは無謀だ。


 俺がここで倒さなくちゃ。


 千鳥を振るう速度を高める。


 どんどん肉が切断されていく。

 だが、分厚い。何層もの筋肉が本当に大事な部分を切らせない。



 弾かれる。


 ミノタウロスがいった。


 とてつもない威力の突進が仲間たちに向かって弾丸のように発射される。



「まだだ!」


 集中しろ。切り飛ばせ。足元がお留守だ。


「しっ!」


 俺の太刀は確かにミノタウロスの片足を切断した。


「これで!」


 だが、止まらない。技能の力を推進力に、片足を失ったミノタウロスはそれでも行く。


「レンさん!」


『このくらいなら!』


 足に炎を纏ったレンさんが迎え撃つ。


『炎脚!』


 レンさんの最大威力の蹴り。

 だが、レベル差は200。


 単純な力の差は、ミノタウロスの片足がなくなっていたとしても歴然としている。


 レンさんが跳ね飛ばされる。


 道で暴走する車に巻き込まれてしまったような、そんな絶望的な飛び方。



 俺はそんな彼女を追いかけて⋯⋯ 。


 力を抜いた。


 ああ、これでもう大丈夫だ。


『レン。大丈夫?』


 空中で、レンを抱きかかえる彼女は、ようやく回復したサトラ。


 そのまま突進するミノタウロスの頭上に落ちて、真っ赤な血の爆発を起こした。


 鮮血がサトラの中に吸い込まれていく。


『うん。これでもう完全に動ける。』


 ぼうっとしたレンさんをその場に残して、サトラは俺の方に近づいてくる。


『仁。一緒に戦うよ?』



 気づけば周囲にモンスターの気配が充満していた。

 血の匂いに引き寄せられたのか。


 だけども、もう、負ける気は微塵もしなかった。








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