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夜の灯火  作者: 隠居 彼方
第10楽章

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真実 0



愛しのテアへ――



元気にしているかしら?

きっとそうね、と思いながらペンを取っています。

あなたのことだから、毎日のようにピアノを弾いていると思う。

きっとその音につられて、あなたのお父さんは現れたのじゃないかしら。

そう、あなたがこの手紙を呼んでいるなら、もうお父さんと出会ったのだと思います。

その時にと、モーリッツさんに頼んでおいたから。

本当は……、テアには、私の口から話しておくべきだと迷いました。

だけど、できなかった。

知らない方が、二人共に守ることができる。そう思ったから。

これまでちゃんと、お父さんの名前を教えなくて、ごめんなさい。

テアはそれを一度も聞かなくて、私はそれに甘えていました。

それがちょっと寂しかった……、なんて言ったら罰があたっちゃうわね。

口にはできなかった代わりに、ここに書き残しておきます。

あなたの父親は、ロベルト楽団の団長、ロベルト・ベーレンスです。

それ以外のことは、全部話してきたつもりだから、これ以上の惚気話は必要ないかしら?

とっても優しい人だから、テアにとっても素敵な父親になってくれるはず。

私に新しい世界を見せてくれた人だから、きっとテアのことも、導いてくれるわ。

そこでテアがもっと幸せであるように、祈っています。

二人の幸せを、いつでも、いつまでも、私は、願っています。

テアと、彼がいてくれたから、それだけで、私は幸せだったから。

愛してるわ、テア。

愛しています、あなたを、ロベルト。

二人のことを、誰よりも、愛してる。




カティアより――




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