表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/132

第83話 俺の家に美少女が2人いる Ⅳ

「な、なにしてるの!」


「まさやんのベッドで遊んでるっす。このベッド、トランポリンみたいに跳ねるんすよねー」


 無邪気な笑顔を浮かべたカエデは、更に二、三度跳ねたあと、顔を布団に押し付けると


「あははは! 男の子くさ!」


 と言った。


「なにやってんだお前……」


「へへへ。つい、体が勝手に」


 カエデはベッドの上で、ちろりと舌を出した。


 これも俺の事が好きな女の子のふりというやつだろう。

 演技とはいえ、好きでもない男のベッドに顔を埋められるな。役者根性すげぇ。


「誰が勝手に入っていいと言った。すぐ出てけ」


「それは通らないっすよ。この部屋に入っていいと言ったのは、他でもないまさやんっすよ?」


「俺が?」


「勉強会を始める前に、アタシが『触っちゃ駄目なものとかあるっすか?』と訊いた時、まさやんは言いましたよね? 『特にない』と」


 カエデは腕組みをしながら、ベッドの上に仁王立ちをし、不敵な笑みを浮かべた。


「つまり、まさやんの部屋のドアも、このベッドも、触れていいってことっす」


 入っていいとは言ってねぇよ。つーか、常識的に考えて駄目だろ。


「屁理屈言うな。今すぐベッドからどけ」


「あぁん」


 俺が軽くカエデの腰を蹴とばすと、彼女はくねくねした動きをしながら、床に転がった。


「ここが貴方の部屋なの……?」


「まぁ、一応」


「ふ、ふぅん……」


 由姫は俺の部屋に入ると、辺りを見渡した。


「意外と片付いているのね」


「もっと散らかってるイメージだったか?」


「うん。それに、私の知ってる男の部屋と殆ど一緒」


「え。有栖川、男子の部屋、入った事あるの!?」


「ないわよ! に、兄さんの部屋と似てるなーって思っただけ」


 あぁ、あの兄貴か。


「へー。アイツ、こんな感じの部屋なのか。もっとグラビア写真とか壁に張ってるイメージだったけど」


「『そういうのは、女子受けが悪いんだ』って言ってた」


 そういえばあの兄貴、女の子を連れ込みまくってるヤリチン野郎だった。チンコ爆発しねぇかな。


「ベッドと机と本棚と……あと、小型の冷蔵庫があるくらいかな。あと筋トレ道具があるところも、貴方と一緒……」


 由姫は眉をきゅっとひそめると、


「やっぱり貴方、中学の頃から女の子を連れ込んで……」


「してないしてない! 筋トレグッズ=ヤリチンみたいな思考やめて!」


 というか、未来のお前が細マッチョが好みって言ったから、筋トレしてるんだぞ!


「つーか、女の子を部屋に入れるの、今日が初めてだよ」


「そう……なんだ……」


「あれ? 昔のアタシ、カウントされてない?」


 カエデが(´・ω・`)という表情をしていた。

 いや、小学校の時はノーカンだろ。


「あんまりジロジロ見ないでくれ。恥ずかしいんだが」


「この前、私の部屋に入ったんだから、イーブンよ、イーブン」


 由姫の部屋? あぁ、この前、お見舞いに行った時か。


 正直、あの時はそれどころじゃなかったし。正確には部屋の中には入ってないからね?


「さーて、それじゃあ、そろそろ始めるっすか」


 カエデは指をポキポキ鳴らすと、なにやらやる気のある表情で言った。


「始めるって何を?」


「男の子の部屋に入ったなら、やる事は一つでしょう。エロ本捜索に決まってるじゃないっすか」


「いやそれ、男子同士でやるヤツ!」


「女子だってやりたいんす! 有栖川さんもやりたいっすよね? ね?」


 オイコラ。由姫を巻き込むな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
おもしろい!!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ