65.奇遇ですね勇者くん
俺は人の居ない場所をめざして、七獄へと向かっていた。
その道中の荒野にて、キャンプしてると……。
そこで、勇者ブレイバ君とそのお仲間の、美少女ふたりと出会ったのだった……。
「カイト師匠! お久しぶりです! うぉおおお! なんて偶然なんだー!」
「そ、そっすね……」
なんでこいつらここに居るの……?
「師匠! なんでここにいらっしゃるのですか!」
「それは俺のセリフなんだが……まあ、キャンプかな」
「! なるほど……!」
そのなるほどって何を納得したんだろうか……。
「君らは?」
魔法使いの少女カリスちゃんが言う。
「修行よ。レベル上げ」
「へえ……」
地道に頑張ってるんだな。そこは感心だ。
聖女のレンゲルちゃんが俺に対して、深々と頭を下げる。
「カイト様。先日はありがとうございました。ブレイバのために、武器を用意してくださって」
百均ナイフを改造して、武器にしたんだっけ。
そのほかお供の分の魔道具も作ったなぁ。
「いやまあ、気にすんな。たいしたもんじゃないから」
「うぉおお! あんな凄いものを、たいしたことないとは! さすがカイト師匠ぉ!」
あー……そっか。俺こいつらの師匠的な話になってるのか。
別にそんなつもりゼロなんだが……。
あ、そうだ。
「君ら、クゥジョーからもらった?」
「もらった? なんのことかしら?」
どうやらクゥジョーに預けたアイテムについて、彼らは知らないらしい。
王都によってないのか。
「こないだのお詫びに、防具とか君らに作っておいたんだけど」
「う、うぉおおおおお!? まじですか師匠!!! おれの、いや世界平和のためにぃ……!」
いや年下の君からカツアゲみたいなことしちゃって、心が痛かったから、お詫びに適当に作った防具をプレゼントしたいだけなんだけど。
「すぐに取りに行きます!」
「まてまてまて。今、夜だろうが。危ないから明日にしておきなさい」
「それもそうですね! よし、野営の準備するぞ!」
そういって、ブレイバ君達は荷物を下ろす。
ふむ……。
普通の人って、野営どうするんだろうか。
ええと、まずは敷物を取り出す。ふんふん。
「よし!」
「ちょいとお待ちなさい」
え、終わり? 敷物敷いて終わり!?
「これで終わりなの?」
「はい! あとはレンゲルが魔物よけの結界を張るくらいです!」
あ、そういうのあるんだ。
じゃなくて。
「寒いでしょそれじゃ」
「寒いです!」
「どうするの?」
「気合いです!」
平地ならいざしらず、荒野にそんな薄着で、大空の下で寝るなんて、凍死しちゃうじゃあないか。
そんなの……寝覚めが悪すぎる。やれやれ……。
俺はアイテムボックスから、テント一式を取り出す。
「ちょっと待ってなさい」
別に善意じゃない。なんというか、知り合いが隣で冷たくなってましたーなんて、いやでしょ?
俺はテキパキとテントを作って、中に冬用のシェラフを3つだした。
「え、えええええええ!? なんですか師匠これぇ!?」
「天幕だよ。それ使って」
「! おれたちのために……くぅううう! ありがとうございます!」
いや別に君らのためじゃないんだが……まあいいや。




