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天元突破の超越達〜鉄拳の女王〜  作者: 赤地鎌
鉄拳の女王 はじまり
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鉄拳の女王 第7話 決断の時

次話を読んでいただきありがとうございます。

ヒイロは、リーサ女王を救出し…


 リューオン王子の宇宙戦艦に保護されたヒイロと女王リーサ。


 艦内でリューオン王子がヒイロに

「女王を救出していただき、感謝します。ヒイロ・グレンテル様」


 ヒイロはリューオン王子を凝視する。

 自分の名を調べ上げている。


 女王リーサが

「ありがとう。貴女は恩人です」

と、微笑む。


 ヒイロは鋭い視線をやめて、リーサを見る。

 百七十のヒイロより少し高いリーサ。

 ヒイロは、愛おしむようにリーサの顔に触れる。

 リーサは戸惑うも、ヒイロから敵意ではなく慈愛のような気持ちを感じて困惑するも、触れるのを許す。


 ヒイロは、一筋の涙を零す。

 あの子だ。スカーレット女王だった時に産んだあの子の…

 自分の赤毛は受け継いでいないが、スカーレットの超越存在としての力を継承し、顔立ちは、スカーレットと覇遵の間で麗しく凜々しい。

 その血脈である証を見て、ヒイロは込み上げるモノがあって涙してしまった。


 それをリューオンは見て、驚きの次に鋭い顔になる。

 まさか…何か…


 リーサが

「あの…どうか、されましたか?」


 ヒイロは驚き手を離して涙を拭って

「ご、ごめんなさい。その…貴女が…いえ…女王陛下が、大切な人と似ていたので…」


 リーサが労るように

「その方は、今…」

 

 ヒイロが微笑み

「もう、昔に亡くなってしまって。ごめんなさい」


 リーサは完全に無意識だ。だが、そうするべきと…ヒイロを抱き締めて

「貴女が…その方を思って涙したのでしたら、その方ではありませんが…その涙を受け止めさせてください」


 ヒイロはリーサに抱き締められて涙が溢れ出して

「ああ…ああ…エイーナ」

と、リーサを抱き締める。

 その涙をリーサは知らないが、エイーナの子孫であるリーサが受け止める。


 ヒイロは己の内から溢れる愛情の涙を零す。


 それが少し続いて落ち着いた時に

「ごめんなさい。本当にありがとう」

と、ヒイロはリーサから離れる。


 リーサが微笑み

「貴女の悲しみが癒えたのなら、良かった」

と、視線をヒイロに向けたまま

「ヒイロ…でしたか?」


 ヒイロは肯き

「はい。ヒイロ…ヒイロ・グレンテルです」


 リーサはヒイロを見つめて瞳を広げる。

 ヒイロから感じる同じ超越存在の力、その波長…一度、見た事がある人物と同じだ。

 聖帝ディオスの波動と似ている。そして、グレンテル…聖帝ディオスの苗字だ。


 リューオンもヒイロが聖帝ディオスの血族であると分かっている。

「ヒイロ様。このスカーレット時空へ来た理由は、ご旅行ですか?」

 リューオン王子は、ヒイロの事を調べ上げている。

 ヒイロの両脇にいたのは、カレイドという組織の刺客だ。

 カレイドと聖帝ディオスは、息子で聖帝の継嗣ティリオと繋がりがある。

 護衛…と読んだ方が無難だ。

 そして、ヒイロが来た理由は…


 ヒイロはウソを言わず

「ここに…私の大切な人が眠っているので…それをその…お墓参りに…」

と、頭を下げる。

 

 リューオンはヒイロを見つめる。

 ウソは言っていない。態度、体温の変化、脳波の乱れ、超越存在の波動の揺らぎ、その他の身体の変化からウソは言っていないと分かるが、繋がらない。

 スカーレット時空に聖帝ディオスの知り合いがいた…という情報がない。


 ヒイロは頭を上げて

「ですが、もう…十分です。帰ろうと思います」

 そう、アズサワの言う通り、ここは…もう自分がスカーレット女王だった世界ではないのだから。


 それにリーサがヒイロの手を取り

「じゃあ、少しだけ…私の暇につき合って貰えませんか?」


 リューオン王子は戸惑いを見せるも、ヒイロが

「ええ…構いません。女王陛下」


 リーサがヒイロの手を取り

「今だけ、今の一時だけ、リーサと友人として呼んでください」


 ヒイロは肯き

「ええ、リーサ」


 こうして、二人は友人の時間を楽しむ。

 護衛付きだが、街中を歩き、リーサとヒイロが散策を楽しむ。

 その後ろには、リューオン王子達もいる。

 大人数の散策だが、それでも気さくにお互いを呼び合うリーサとヒイロには、十分だ。


 リューオン王子の部下の一人が

「王子、不思議ですね。あの二人、まるで…血が繋がった者同士のように見える」


 リューオン王子の顔は鋭い

「そうかもな…」


 リューオン王子の部下が

「王子、それはどういう事で?」


 リューオン王子は笑み

「ウソだ。彼女は、ヒイロ・グレンテルは、正真正銘、聖帝ディオスの娘であって…我々には関係ない」


 散策を楽しむリーサとヒイロ。

 それを護衛するリューオン王子達。


 楽しい時間は、早く過ぎて

「ありがとうヒイロ」

と、リーサがお別れを告げる。


 ヒイロが首を横に振り

「こっちこそ、楽しかったわ」


 リーサが

「最後に、貴女に会えて良かったわ」


 ヒイロが困惑を向けて

「最後ってどういう事?」


 リーサがヒイロに抱き付いて

「貴女は…自由に、自分が望む道を歩いて行ってください」


 ヒイロは困惑して、それからリーサが離れて凜とした女王となり

「リューオン王子、行きましょう」


 リューオン王子は、リーサに頭を下げる。

 リーナを先頭にリューオン王子達が歩いて行く。


 呆然とするヒイロに、リューオン王子に話し掛けた部下ヴォルドスが

「これから、女王陛下は…自らを捧げて、戦を止めるのさ」


 ヴォルドスにヒイロが向いて

「どういう事?」


 ヴォルドスが難しい顔で

「今、この惑星にソルディウスの時空艦隊が向かっている。ソルディウスは…スカーレット時空の支配を広げている連中の中でも大きな勢力を持っている。その…ゾルディウスに女王陛下は…」


 ヒイロが瞳を広げる。その意図が分かり

「政略結婚なの?」


 ヴォルドスが苛立った顔をして

「ああ…ゾルディウスの支配下に入る事で、他の勢いがある勢力から民達や国達を守る事にしたのさ」


 ヒイロが

「リーサ!!!!!!!!!!」

と、叫ぶと、リーサが微笑みを向けた。

 その微笑みは覚悟を決めた者の微笑みだった。

 自らを犠牲にして…民や国を守る女王。


 ヒイロに出来る事はない。

 なぜなら、ヒイロは関係者ではない。

 前世の事であって、今世の事ではない。

 それでも、それでも…

 ヒイロは深い絶望を感じて、ヴォルドスに送り迎えをして貰う。

 ヴォルドスがヒイロを宇宙港がある軌道エレベーターまで送り

「ありがとうな。女王陛下に大切な思い出を作ってくれて」


 ヒイロの手が力強く握られている。

 許せない気持ちがある。でも、でも、でも


「それで良いのか?」

と、ヒイロの左から声がした。

 その声の主は、ヒイロ達をマキナの部隊から救った金と黒の髪の男と青年だ。


 金と黒の髪の男が

「それでいいのか? お前は…確かに前世の事だ。だが、お前の気持ちは…どう輝いている」


 ヴォルドスが疑問の顔で

「お前、なんだ」


 金と黒の髪の男が手を伸ばしてヒイロに向けて

「通りすがりの正義の味方よ、閃光の姫君よ。お前はどうする!」

と、力強い微笑みを向ける。


 ヒイロは駆け出して、金と黒の髪の男の手を握る。


 金と黒の髪の男が力強く握り

「やはり、お前は…最高の女だ!!!!!!!!!!」

 金と黒の髪の男とヒイロが消えた。


 ヴォルドスが

「えええええええええええ!!!!!!!!!!」

と、叫ぶと青年が来て

「行きますよ。場所は分かっているので…」


 そして、冒頭の1話の始まりへ



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、それでも!

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