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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
全ての時

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幽玄の王 第101話 裏切りの弾丸

次話を読んでいただきありがとうございます。

覇遵の復活、だが…その裏ではウルが…


 ウルとダイアードが跪く姿を後ろに、覇遵が全体を一瞥して

「少し語りたい。この場を静かにしてくれ」


 レイは唖然として、アムザクは腕を組み立ち止まり、ミカボシ、スクナ、アテルイとハジュンの四人は静かに佇む。

 ディオスとティリオは、覇遵によって床に押さえつけられてそれが解けない。


 千華と紫苑は、紫苑が右腕の銃口を向けたが、一瞬で覇遵が消え

「我の言った言葉が分からなかったか?」

と、紫苑の肩に触れる。

 

 紫苑が全身を束縛される力に包まれてその場に転がると、千華が来て支える頃に、覇遵が消えて全体の中心に来る。


 紫苑が動けない身体を千華に支えて貰いながら

「どうやって、瞬間移動しているんですか?」


 支える千華が

「アイツには、覇遵には距離なんて関係ない。覇遵が知覚できる全ての場所に覇遵は、瞬間移動して現れる事ができる。存在そのモノが、神の域にいながら…人型を保っている。それが覇遵なの」


 紫苑が青ざめ

「誰も神様になんて…勝てる訳がない」


 覇遵が全体の中心で

「さて、光一…ありがとう」

と、アムザクにお礼を告げる。


 アムザクがフンと鼻で笑い

「別に、そういう契約だったしな」


 覇遵が

「では、続きを行おうと思うが…説明が必要か?」


 ウルが跪きから立ち上がり

「覇遵様、復活で早々ですが。もう一度、生まれ変わって頂きます」


 突然、覇遵が胸を押さえて膝を崩す。


 ウルの後ろに跪いていたダイアードが立ち上がり、銃を懐から取り出すと素早く、五人に撃ち込んだ。


 アムザク、ミカボシ、スクナ、アテルイとハジュンの五人に弾丸を放った。


 無論、その程度では超越存在である五人にダメージも入らない。

 だが、その弾丸は特注だった。


 ミカボシが跪き

「まさか、神越存在の…北斗の起元弾…」

 他の四人もその場に跪く。


 アムザクが驚愕で

「バカな、なぜ…メガデウス人類共の頂天の…ヤツ(北斗)だけが放てる、それを…持っている?」


 ウルが笑み

「ちょっとね…とある女神様と…とある約束をした事があってね。それで、頂いたのさ…。まさか、昔に得たモノが今に役立つなんて、人生とは分からないモノだ」


 スクナが

「それを放てるのは、超越存在や神越存在だけ。だから、超座を…その男に」


 ウルが肯き

「超座には、超座に適合した者を超越存在に変える力がある。超座が離れても、超越存在となっているので…ダイアードくんには放てるのさ」


 神越存在の北斗が構築する特別な弾丸、それは…超越存在を殺せる猛毒だ。

 超越存在であるアムザクと四人にとって、分子一個分でも致死に至る。

 だが、それを抑える方法もあるので、アムザクと四人はそれに集中する。

 それによって動きが止まる。


 それで十分だ。


 ウルが覇遵の元へ来る。


 胸を押さえて膝を付く覇遵の隣にウルが来て

「覇遵様、再度、復活、おめでとうございます。ですが…アナタは…今度は、人として復活して頂く」


 覇遵がウルを見上げて

「裏切るか…」


 ウルは首を横に振り

「いいえ、最初から…そのつもりでしたから。アナタは強欲だ。更なる存在に神化する為に死を選び、復活、再誕を望んだ。それは人でなくなるという愚行だ。だから…人として生まれ直して貰います」


 覇遵が

「超座に、ウルの超座に…仕組んだのだなぁ…」


 ウルが肯き

「えええ…オージンの力も借りて…自滅を組み込みました。安心してください。アナタは人として、コーレル時空の何処かへ転生し、アナタが集めた巨大な力は、別のシステム、そう…彼が、レイくんと、復活の為に存在補填としたシロッコとジンの二人と再び再構築して、その三人が管理運用して行きますので…」


 レイは突き進む事態に呆然としているが、ルリが来て

「レイさん。どうやら…何とか…なるようです」


 レイがウルに

「ウル…これは…」


 ウルがレイに

「大丈夫、覇遵様が終わり、その後は…彼ら二人は戻り、その後…覇遵様が構築した強大で膨大な力は」

と、告げる後ろで覇遵が立ち上がり、ウルに手を伸ばす。


 その背中にダイアードが起元弾を撃ち込む。

 三発も起元弾が覇遵に撃ち込まれた。


 ルリが

「ダイアードさん、裏切った訳では…」


 ダイアードが苦しそうな顔で

「覇遵、お前が呑み込もうとする絶望した魂達は、我々の同胞だ。そして、私達の…今、ここに繁栄した者達の罪だ。その罪は清算されなければならない。それは、我々が使命。帰して貰うぞ」


 ウルが覇遵から下がり

「レイくん。ルミスの遺産を覇遵様に、それで…」


 レイは右手を構えてテュミールシェアラーを構築して

「ごめんなさい」

と、光の槍…テュミールシェアラーを作り覇遵へ投擲した。


 テュミールシェアラーは覇遵に刺さり、覇遵を通じて絶望した魂達へ届く。

 それによって、多くの神格達の手が破滅した魂達に伸びて回収しようと始まる。


 覇遵の背中から光の巨木が伸びる。


 同時に、紫苑とディオスにティリオに加わっていた覇遵の圧も消えて解放されて、ディオスとティリオがレイの元に来て

「どうなるか…と思ったが…」


 覇遵が終わろうとしている。


「ふふ…」

と、覇遵が笑う。


 覇遵の内部、絶望した魂達が…迎えに来た神格の手を弾いた。


 ヴォオオオオオオーーーーーー


 覇遵が凶暴な雄叫びを放つ。

 全身が寒気で震える程の圧が広がる。


「アハハハハハハハハ」

と、哄笑するアムザク


 アムザクとミカボシ、スクナ、アテルイとハジュンの四人が、起元弾を壊す。

 その力をもたらしたのは覇遵だ。


 覇遵は頭を睨み上げるように振って

「おおおおおおおおお!」

と、力を放つ。


 強大な力の圧が広がる。


 それにレイ達が踏み止まって耐える。

 ウルが

「そんな、バカな! 成功したはずだ」


 ダイアードが残りの起元弾を放つ

 残りの三つが覇遵に撃ち込まれるも、起元弾を呑み込む程の漆黒の手が広がって起元弾を呑み込んだ。

 その漆黒の手は、サタンヴァルデットの喰手触手だ。


 青ざめるダイアード

「そんな、バカな…」


 圧を放つ覇遵が狂気の笑みを向けて

「最後の欠片を取って置いて良かったわ」


 ミカボシ、スクナ、アテルイとハジュンの四人が、覇遵の元へ来ると、四人が覇遵を囲んで跪き

『覇遵様の神格をお返しします』


 四人から神格の光が出て、覇遵に戻る。


 覇遵が同じ名を持つハジュンに

「今まで名を背負わせて苦労をかけた。名を戻せヴィシュヌ」


 ハジュンは本来の名、ヴィシュヌに戻った。

「は…」とハジュンは、本来のヴィシュヌに戻った。


 覇遵が光を放つと、背中に六つの光輪が出現する。


 千華が呆れ気味に

「おかしいと思った。存在として戻っても、神格を感じなかった」


 ウルが驚愕の顔で

「どういう事だ」


 アムザクが笑みに仮面の瞳を細めて

「ウル、冷厳叡王よ。覇遵は人から神格を得て超越存在へ至ったと思ったのか? 残念、覇遵は、初めから神格を持った人から、人に堕ちて超越存在へ至った者、仏神さ」


 ウルが困惑の顔で「はぁ?」と


 アムザクが丁寧に説明する。

「つまりさ、覇遵は…ウルが裏切る事を見越して、己の神格と人を分けていたのさ」


 ウルが青ざめて

「そんなバカな…」


 覇遵が笑み

「ウル、お前がそういう者だというのは…最初から分かっていたさ」


 ウルが

「だとしても! レイくんが放った絶望した魂達を救う神格の手を弾く事は…あ…」

と、更にウルが青ざめて

「もしかして、絶望した魂達は…一つの意思として…集合しているのか?」


 アムザクが

「当然だ。私が…いや、私が少しだけ手伝って、絶望した魂達をアヌンナキ(集合一体)としたのさ」


 ダイアードが

「そんなバカな…バラバラの意思を持った数多を…統一するなんて不可能だ!」


 アムザクが

「それが可能なんだなぁ…絶望した魂達に人生を振り返らさせて…そうしたら…」


 ディオスが悲しい顔で

「自分達のような悲劇を繰り返すな…と、まとまったのだな」


 アムザクがディオスを指さして

「正解、流石…聖帝様」


 覇遵はウルの策略も超えて、完全に復活した。

 覇遵の背中には六つの光輪、天道六臨、天、人、畜生、餓鬼、修羅、地獄の六道曼荼羅を構築した六臨を背負い

「では、始めよう。九天教天を…」


 その場を呑み込み全てを上昇させる光が放たれた。


 


ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回 九天教天

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