表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
全ての時

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1126/1131

幽玄の王 第97話 王の記憶

次話を読んでいただきありがとうございます。

レイ達四人が来た前の王の城…そこに残された…


 レイとルリに千華と紫苑の四人は、古城へ向かった。


 千華を先頭に…いや、千華が古城の中へ入ると、周囲は古びてツルが生い茂っているが、辛うじて路があった。


 千華がその路をキョロキョロとして

「へぇ…こういう感じの建築なんだ…」 


 後ろにいる紫苑が

「気になる事でも?」


 千華が立ち止まって

「おそらく、ここは…惑星の空に浮いていた島なんだよ」


 二人の後ろにいるレイとルリのレイが

「どうして、分かるんですか?」


 千華が道脇にあるシダが覆い茂る部分を指さして

「もし、陸地にあったら…他の木々や地面があるから、いろんな植物が生えているはずだけど、一種類しか…生息していない。長い事…おそらく、数年前に海にゆっくりと着水して…その海面の水分が少しづつ淡水になって、シダが覆い茂っているんだと思うよ」


 ルリが

「お詳しいのですね」


 千華が少しだけ悲しげな声色で

「そういうのを、いっぱい見たからね」


 レイがハッとして

「エリザスの、他の空中宮殿…」


 紫苑が

「あ、行き止まりみたいですね」

と、前を指さす。


 そこには、巨大な人型の凹みがあった巨大扉があった。


 そこで行き止まりである。


 レイがそこに触れて

「どうしましょうか?」


 千華が腕を回して

「ぶっ壊して、進む?」


 紫苑が

「そこは、チャンと相手の謎解きに付き合いましょうよ」


「チィ」と千華は舌打ちする。


 ルリが人型の巨大な凹みを見上げて

「十五メートルくらい、マキナサイズ(人型機動兵器)ですね」


 レイはその巨大な凹みを見つめて

「あれ? この後ろ姿…」

 レイの右腕にある機神ゼクティオンの紋章が淡く光る。


 その光を千華が見つめて

「あれ? それ…カケルが持っていた機神のゼクティオンじゃん」


 レイが千華を見つめて

「知っているんですか?」


 千華が肯き

「うん、機神っていう…人の善性に惹かれる高次元の存在で…カケルが持っていたから」


 レイが「まさか…」と機神ゼクティオンを召喚すると、ゼクティオンが現れて、ゼクティオンがレイを見つめる。

 伝えようとしているのが分かる

”開けるよ”


 レイは頷くと、機神ゼクティオンがその場でゆっくりと回って背中合わせに巨大な門の凹みに触れた瞬間、巨大な門は開いて、機神ゼクティオンが奥に運ばれる。

 その巨大な門の奥には、更に巨大な空間が広がっていて、運ばれる機神ゼクティオンが数百メートルの巨大なドーム空間の中心にある台座に収まると、巨大なドーム空間が動き出す。

 動力を取り戻して、レイ達がいる場所、海の真ん中にある島が浮く。

 空に浮かび上がる宮殿。

 

 レイ達の後ろに立体映像が現れる。


「ようこそ」と答える立体映像は、前の王、人路皇王ルミスだ。


 千華が人路皇王ルミスの立体映像の近づき

「アンタは何?」


 人路皇王ルミスの立体映像は自分を示して

「私は、前の私の残した記憶をシステムに集積させて人工知能化した、記憶のAI

 ルミスのメモリAI」


 レイが

「じゃあ、その記憶から色々な質問に答えて貰えますか?」


 ルミスのメモリAIが

「記憶されたメモリの範囲でなら」


 ルリが尋ねる。

「私が…誰の子孫であるか、分かりますか?」


 ルミスのメモリAIが

「おそらくですが…ルミスの伴侶だったラピス様の子孫ですね」


 ルリが悲しげに

「他にも…いましたよね」


 ルミスのメモリAIが

「ラピス様以外にもお二人、エヴァルト様、レイニー様が」


 ルリが肯き

「はい。そうです。その子孫だからこそ…聞きたい。どうして、ルミス様を裏切るような愚行を犯したのか…その事を聞きたい」


 ルミスのメモリAIが

「情報操作です」


 紫苑が

「情報操作?」


 ルミスのメモリAIが肯き

「ルミス様は、コーレル時空の根底に存在する、特定の魂を回収する呪いを解放しようとしていた。それが…ユーティック機関なる者達にとって邪魔だったそうです」


 千華が鋭い顔で

「はぁ! ユーティック機関か!」


 レイが千華に

「知っているのですか?」


 千華が苛立ち気味に

「ハルガを…覇遵を生み出した研究者が所属していた所よ」


 レイは青ざめる。

 覇遵を生み出したのなら…覇遵の復活を後押しするはずだ。ディオスの確信が更に強化された。


 ルミスのメモリAIが

「話の続きは?」


 ルリが

「お願いします」


 ルミスのメモリAIが

「そのユーティック機関が、ルミスの行動を良しとしなかったので、様々な時空企業を通じて、誤情報と事件を起こした。それによって、疑心暗鬼が広がり…ルミスは殺された。いや、殺されるしかなかった」


 千華が

「殺されるしかなかったって? ルミスは人路皇王、超越存在だったんでしょう。負けるはずがないわ」


 ルミスのメモリAIが

「ユーティック機関は、人工サルヴァード爆弾を、敵対者に与えました」


 千華が怒声で

「ふざけるな! 人工サルヴァード爆弾って、超座が無い限り…」

と、次に青ざめて

「アアアアアアアアあ!!!!!!!!!!! アイツかぁあああああああああああああ!」

と、その場の壁を殴り、壁に亀裂が入るが人工修復される。

「アムザク!」

と、主犯の名を叫ぶ。


 レイが

「あの…人工サルヴァード爆弾って何です?」


 千華が怒りを抑えて

「アンタ達なら、この方が…分かりやすいわ。時空爆弾、または…時空殲滅爆弾」


 レイが驚き

「昔に、製造方法まで封印抹消された。宇宙を破壊する究極の爆弾の事ですよね」


 ルミスのメモリAIが

「それによる、コーレル時空の崩壊を防ぐ為に…自ら犠牲になった」


 千華が息を荒げて

「アムザクらしいやり口だわ」


 ルミスのメモリAIが

「だが、ルミスもただでやられた訳ではない。このルミスの空中宮殿に記憶を残して…将来の人路皇王に全てを託す事にした」


 レイは自分を指さして

「ボクに…ですか?」


 ルミスのメモリAIが

「その為に、友でもあり師でもあったユノに託し、そして…待っていた。おそらく、覇遵が復活する時に人路皇王も復活すると…」


 レイは自分が長い長い、そして、色んな人達の願いによって…今、いる事を知る。


 ルミスのメモリAIが

「ルミスは、コーレル時空の呪い、特定の魂を回収する力を打倒しようとしていた。だが、それは覇遵の復活の為に機能していると分かったが…ルミスは疑っていた。本当に覇遵の復活の為なのだろうか?と」


 紫苑が

「覇遵の復活以外に…あると?」


 ルミスのメモリAIは肯き

「現在、観測されているコーレル時空の潜在的エネルギー量は、ルミスが予想した通りのエネルギー量だ。だが、覇遵の復活の為なら、これ程のエネルギーは必要ない。エネルギーが有り余っている」


 千華が

「そんなの簡単よ。アムザクのヤツが関わっているなら、アムザクの目的は、進化。このコーレル時空を更なる神化した宇宙に作り替える為よ。宇宙を、時空を改造する実験場にするつもりなのよ」


 ルミスのメモリAIが

「なるほど、それなら納得だ」


 レイが

「じゃあ、もし…その宇宙の進化が成功したら…どうなるんですか?」


 千華が

「要するに宇宙の再創造が成される。既存の存在達は全て、消失すると同時に再創成のエネルギーになり、それに対応できる、適応した者だけが生き残るわ」


 ルリが

「どのくらいの者達が適応できるのですか?」


 千華がフッと笑み

「塵芥、くらいしか…」


 紫苑が

「私達の組織、カレイドに…残っている資料で、神格化宇宙という現象ですね」


 レイは困惑で

「それってどういう事なんですか?」


 紫苑が

「宇宙はゆっくりと進化しています。そのエネルギー総量、性質、法則を時間をかけて進化させています。その進化のスピードを劇的に速めて、高次元の存在が共存できるレベルの宇宙まで劇的に神化させる。それが神格化宇宙という現象です」


 ルリが

「その劇的に進化させた場合…」


 紫苑が難しい顔で

「対応、適応できない存在は、エネルギーとなり消失します」


 コーレル時空がバラバラになるどこではない。

 コーレル時空にいる全ての存在達が消失する事態になる寸前なのだ。


 レイが青ざめた驚愕で

「ウソだろう…」


 神格化宇宙に対応できないなら、死ね…という事だ。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回 託された遺産

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ