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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
全ての時

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幽玄の王 第95話 緊急事態 その2

次話を読んでいただきありがとうございます。

コーレル時空は緊急事態になり、レイは…


 アテルイが疾走する。向かう先は、レイの家族達、姉のアスカ、母アカネ、妹のスイがいる場所だ。


 アテルイとハジュンの世界は、今の世界とは違う次元にいる。二人の速度は、人知を超えた速さだ。


 全てがスローモーション以上に遅くなる世界、一秒が数千倍になった世界を疾走するアテルイとハジュン。

 そんな世界に追いついた者達がいた。

 聖帝ディオスと息子ティリオだ。


「させるか!」

と、ティリオが両手にエネルギー剣を握りアテルイへ向かう。


 アテルイの魔の手がレイの家族達に伸びる寸前に、ティリオが前に入り混む。


 ディオスは、ティリオに任せてレイを守ろうと動く。


 だが、アテルイとハジュンは嘲笑っていた。


 ティリオの左脇に正手が入った。

 ティリオが左を見ると、ミカボシがいた。

 ミカボシは残酷に笑っていた。


 ディオスの背後に、空間を歪めてスクナが現れる。

「何!」

と、ディオスが青ざめた背中にスクナは雷撃の一撃を放つ。


 その全てが数千分の一秒の間に行われた。


 時間が全て同期する。


 吹き飛ぶ、ディオスと息子のティリオ


「全員、構えろ!」とマキナ部隊の隊長が叫ぶも全て遅かった。


 レイの全身に腕が絡まっている。

 ミカボシ、スクナ、アテルイ、ハジュンの四人の腕がレイをガッチリと掴み

「え?」とレイが驚愕した瞬間に、何処かへ通じる空間の歪みへ一緒に落ちた。


 それにルリが反応して

「させません!」

と、レイの腰にタックルして抱き付き、一緒に連れて行かれた。


 ティリオは、ミカボシの攻撃を寸前の所で魔法防壁で守ったが勢いを殺せなかった。


 ディオスも、スクナの雷撃を寸前の所で魔法防壁で守ったが雷撃に爆発の力が加わっていたので、それを相殺できなかった。


 ティリオは立ち上がり

「やられた…」


 ディオスが急いで立ち上がり、レイが消えた空間転移の後を探るも

「クソ! 連結が!」


 ジェインとオウガは呆然とするが、マキナ部隊の隊長が

「やられた…」


 ディオスが少し痛み身体を引きずりながら

「イヴァン」

と、機神型時空要塞戦艦エルディオンのメインシステムであるDI、魔導知性体のイヴァンに連絡を入れる。

 

 魔導知性体のイヴァンの立体映像がディオスの隣に現れて

「ディオス様」


 ディオスが

「レイくんが…誘拐された。一緒にルリという女性も…」


 イヴァンが

「ディオス様、申し訳ありません。追跡を行おうとしましたが…コーレル時空の超空間ネットワークが…」


 ディオスが渋い顔で

「何か…起こっているのか?」


 イヴァンの隣に立体映像の巨大画面が投影されて

「異変が現れました」



 ◇◇◇◇◇


 レイとルリが誘拐された同時刻。


 コーレル時空の、とある宇宙域に異変が起こる。

 数十億光年サイズの巨大なボイド空間が歪み、爆発した。

 数十億光年サイズの爆発の余波によって、宇宙に穴が空く。

 そこから、百億光年サイズの巨大な黒き結晶の存在が現れる。


 羽ばたく鳥を思わせる漆黒の結晶。

 そのサイズは、百億光年だ。

 超宇宙サイズの物体がコーレル時空に出現する。


 その中心、コアとなっている惑星サイズのシステムの中心には、アムザクの仮面が浮かんでいる。


 あのアムザクの仮面がかかる円柱の光る水槽の場。

 その場には、静かにシロッコとジンが座っていた。


 アムザクの仮面が目を光らせて会話する。

「君達も律儀だね。生まれ変わっても約束を…契約を守るなんて」


 シロッコが笑み

「そういうもんさ。ケジメって大事だろう」


 アムザクの仮面の目が細くなり笑み

「まあ、そういうのは嫌いではない」


 ジンが

「始まるのか?」


 アムザクの仮面が目を点滅させて

「ああ…覇遵の契約通りにね」


 そこに二人が現れる。ウルと…その後ろにダイアードがいた。

 ウルは微笑み、ダイアードは感情がない。


 ウルが

「では、アムザク殿…約束通りに…」


 アムザクの仮面が目を光らせて

「では、始めるとしよう…覇遵が成したかったナイン・エンシェル(九天教天)を」 


 

 コーレル時空に現れた百億光年サイズの漆黒の鳥の結晶は、膨大な紫電を放つ。

 それは、コーレル時空の超空間ネットワークをハッキングする。


 超空間ネットワークを管理する部門が悲鳴を上げる

「なんだコレは!」

「所長! 防壁が間に合いません」

「侵食率が…20、40、80%」

「コーレル時空全域を覆う超空間ネットワークの全領域が乗っ取られました!」


 悲鳴が上がる超空間ネットワークの管理ドームでは、所長が青ざめて

「何て事だ…何が起こっているんだ?」


 そして、職員が

「所長! 超空間ネットワークから! 各国家の兵器システムへ一斉にハッキングが行われています!」


 所長が

「回線を物理バージしろ!」


「了解!」と職員数名が、強制分離させるスイッチを同時に押した。

 そうする事で、もしもの間違いに備えたシステムを使う。

「3、2、1、0」

と、一斉にスイッチを押せる職員達が強制分離スイッチを押したが…侵食が止まらない。


「ダメです! 止まりません!」

と、悲痛な叫びが放たれる。


 コーレル時空は、百億光年サイズの漆黒の鳥の結晶に掌握された。


 その知らせをディオスはイヴァンから聞いて

「ウソだろう…」


 イヴァンが苦しそうな顔で

「事実です」


 ティリオが

「イヴァン、外部との…アースガイヤとの通信は?」


 イヴァンが

「コーレル時空、全ての通信は掌握されて出来ませんが、ディオス様が残した超越存在の共鳴を使った通信なら」


 ディオスが

「急いで外と」


 イヴァンが

「アヌビス様が、繋げます」


 イヴァンの隣にアヌビス達が会議している映像が出て

「ディオス! 何が起こっている! お前が行っているコーレル時空の時空間連結が切れたと同時に…コーレル時空から、膨大な潜在エネルギー反応が検出されているぞ!」


 イヴァンが「クロード様が」


 アルテイル時空共和国のクロードの通信が

「おい、ディオスがそっちに行っているのは聞いたが…何が起こっている! コーレル時空との時空間連結も切れたし、それに…コーレル時空から膨大なエネルギーの反応、どういう事だよ!」


 ディオスは額を抱えて

「ああ…全く…何時もやられた後とは…」


 アヌビスが

「説明してくれ。ディオス」


 ディオスが苦しそうな顔で

「五百年前…カレイド時空連邦の支配者だった…覇遵が復活します」


 通信を繋げているクロードが青ざめて

「ちょっと待てぇぇぇぇぇ」

と、観測しているエネルギー反応を調べると、更に青ざめて

「ウソだろう…覇遵のエネルギーと99%一致って…」


 ディオスが

「クロード殿、アナタなら…覇遵がどんな人物か…分かっているだろうが。今一度、聞きたい。覇遵は…どんな人物だ?」


 クロードが嫌そうに顔を引きつらせて

「人間として他者の共感や理解は、凄まじく高いが…自分は自分っていう傲慢さが極まったヤツだ。つまり…他者への理解が高次元に高いクセに、自分のやりたい事は大災害を起こしてもやり通す最悪な愚行を平然する。最高と最低の両方を持つヤバいヤツなんだよ!」


 アヌビスが

「つまり、天上天下唯我独尊をそのまま表している…という事か…」


 クロードが苦い顔で

「それの方が、まだマシだ。他者の気持ちは分かるが、それが…オレのやりたい事と何の関係がある?って、それを地で行くヤツなのさ。普通ならヤバいヤツとか色々とあって、そういうヤツは排除されるのが。覇遵は、それを通す万能で絶大な力を持っていた。だからこそ…恐れも敬われも…したのさ」


 ディオスが額を抱えて

「どっちにせよ。とんでもなくヤバい存在…という事ですね」


 クロードが冷たい笑みで

「もし、自身の復活が望みなら、コーレル時空だけじゃねぇ。周辺時空もぶっ壊して復活しても、さも…それが何だ?と平然としているだろうぜ」


 ディオスが

「全く、とんでもない事態になってしまった」



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回 古き王の城

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