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マシューと《七つの秘宝》  作者: ブラック・ペッパー
第1章 風吹き荒れる平原の中で
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第26話 魔法を試してみよう

 読んでくださりありがとうございます。見つけた金属はいったい何なのでしょうか。


「……だめだな。何にも浮かばないや。マシューは何か分かるか?」


「……いや、全然。さっぱり分からない」


「だよな。……捨てるのも良くないだろうし、ひとまず俺が持っておこう。もしかするとギルドの人に見せれば何かが分かるかもしれないしな」


 そう言ってレイモンドは手元の金属を収納袋の中に入れた。それだけで先程まで感じていた重さはもう感じられない。改めて収納袋の凄さを感じながらレイモンドはまっすぐマシューを見つめた。


「よし、それじゃあ魔法の鍛錬をするとしようぜ」


「鍛錬するのは賛成だが、的はどうする? そう言うものがあった方が鍛錬になるんじゃないか?」


「そもそも俺たちは習得した魔法がどんな魔法なのかも分かって無いんだ。まずは何にも無い海に向かって魔法を撃ってみようぜ」


「ひとまずお試しってことか。良いね、やってみよう」


「同時に撃つとどんな魔法か見れないからな。交代して鍛錬する方が良いだろう。まずはマシューから頼むぜ」


「……【火球ファイアボール】」


 マシューは海に左の手のひらを向けた状態で【火球ファイアボール】を発動させた。するとマシューが魔力を集中させた場所からすぐに火の玉が放たれたのである。そうして放たれた火球ファイアボールは緩い放物線を描きながら海の上に落ち消えた。大きさとしては大体手のひら大くらいであり、マシューが想像しているよりもずっと大きいものであった。


「おぉ! すごいな! 初級の魔法だから規模はそれほどと思ったがこれは中々威力があるんじゃないか?」


 想像以上の大きさの火を放つことが出来たからだろう。マシューのテンションは自然と高くなっている。その横で感心したようにレイモンドは頷いていた。


「俺はてっきり緋熊亭で見た【着火イグナイト】より少し大きいぐらいだと想像していたぜ。思ったよりも威力がありそうだな。ちなみにその【火球ファイアボール】ってどれくらい狙えるもんなんだ?」


「……どうだろう。まっすぐ飛んで行く訳じゃないから数使っていかないと正確に当てるのはちょっと難しいかもしれない。まあでもその辺りは鍛錬次第なんじゃないかな」


「なるほどな。……それじゃあ今度は俺の番だな。【水球ウォーターボール】」


 レイモンドはマシューと同じように左の手のひらを海に向けて【水球ウォーターボール】を発動させた。マシューと同じような大きさの水の玉が放たれ、同じように緩い放物線を描いて海へ落ちていった。しかしレイモンドはマシューほどテンションが上がっていない。それどころか困惑の表情を浮かべていたのだ。


「……なんか遅くないか? それにマシューの時より飛んでないぞ?」


「そうだな。俺の時より少し遅かったような気がする。距離は……ちょっとよくわからなかったな」


「いや、絶対そうだ。俺はお前の時どこまで飛んで行ったかじっと見ていたから覚えてるんだよ。……これはもしかして魔力量が違うからか?」


「うーん、それはまだ何とも言えないかな。2人とも同じ魔法が使えたら比較しやすいんだけどね。でももし魔力量が違うからだとしたら魔力を鍛錬するのはかなり重要なことになるな」


「そうだな。と言っても冒険の前に魔力を使い過ぎるのは良くないか。実際魔法が必要な場面になって魔力切れを起こしたら話にならないしな。後は実戦していきながら鍛錬するとしようぜ」


「そうしようか。……ところで補助魔法も習得していたよな。俺は【速度強化スピードアップ】だから良いとして、君の【身体強化ビルドアップ】はいったい何が強化されるんだ?」


 マシューはレイモンドが【身体強化ビルドアップ】を習得した時から少しそれが気になっていたのだ。ニコラは確かあの時体全体を力強くすることが出来ると言っていたがそれにより何が強化されるのかいまいち分からなかったのだ。そしてそれはレイモンドも同様のようである。


「実のところを言うと俺もいまいち分かってないんだよ。これならどこで発動させても良いだろうと思って昨日の夜寝る前にこっそり発動させてみたんだ。だけど、……あまり効果が実感出来なかった。習得した時は体全体が強化される魔法のような気がしたんだけどなぁ」


「へぇ、寝る前にそんなことをしていたのか、全然気付かなかった。……そうだな、他の人から見れば何か変化が分かるかもしれないな。ちょっと目の前でやってみせてよ」


「いや、やめておこう。属性魔法は効果時間が分かりやすいけど補助魔法はいつまで効果が続くか分からない。効果が良く分からない魔法を無闇に使って魔力を消費するのは勿体ないだろ」


 レイモンドの言ったことは正しいと言えるだろう。今のところ2人は魔法によってどれだけ魔力を消費したかが把握出来ていない。安全が確保された状況での魔力切れなら魔力回復薬マナポーションを飲めば良いのだが、戦闘中ならそう言うわけにはいかない。


「なるほど、確かにそうかもしれないな。それじゃあ後は実戦で色々と試していこうか。道標のところまで戻って嵐馬荒原を目指そう。……ちなみにどんなモンスターがそこには生息しているんだ?」


「嵐馬荒原にはブラックイーグルやトールサボテンなんかが生息しているんだけど、一番多く生息しているのはこのモンスターだな」


 そう言いながらレイモンドは収納袋から図鑑を取り出しペラペラとページをめくり始めた。そしてとあるページを開くとマシューにもよく見えるように差し出した。そこには大きく曲がった二本の立派な角を持つ中型モンスターが描かれており、その挿絵の右下に小さくバイコーンと記されていた。


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