夜の座談会
「瑠璃ちゃん。本当にウチ来るの?」
「うん。ダメ?」
「いや、ダメじゃないけどさ…ウチ結構レベル高いんだよ?」
「でも香恵ちゃんに聞いたら、『私でもK高入れたんだから大丈夫だって。瑠璃ちゃんなんか寝てても大丈夫だよ』って言われたもん」
「中村? あいつと会ってるの?」
「メールだけどねー」
「そっか。まぁ中村でも入れたんだから、瑠璃ちゃんなら余裕か」
「んふふー。正親さんのクラスになるんだー」
「残念。きっとそれはないかなー」
「なんでー?」
「それは大人の事情です」
「ひどーい」
「先生にもいろいろあるの。他の子はどこ行くの?」
「ヒロトくんとキララちゃんは、もうちょっとランク下げたとこのS高校行くんだって。怜央くんは私と同じとこ受けるって言ってた。亜里沙ちゃんはA高校」
「ふーん。そういえば怜央くんとはどうなの?」
「…何が?」
「正親さんはなんでもお見通しなのよ?」
「携帯見たの?」
「見てないって。瑠璃ちゃん見てたらわかるって」
「なんでわかるのー! なんか悔しい」
「あらま。カマかけたつもりが大正解だったわ」
「んもー! ズルイー! 正親さんキライ!」
「アハハ。ごめんごめん。で、どうなの?」
「どうって?」
「ほら。好きな子と仲良しなわけなんだから、そりゃ何か進展があってもいいじゃん」
「何もないってばっ。今はまだ友達でいいの。みんなと遊んでる時が一番楽しいもん。玲央くんとだけ遊びたいわけでもないもん」
「大人ぶっちゃって。瑠璃ちゃんも大人になってるんだね」
「もう3年生なんだから子どもじゃないって言ってるでしょ」
「俺からしてみたら、瑠璃ちゃんは可愛い娘のままだよ」
「はぁ。私、正親さんには勝てない気がする」
「勝たなくていいって」
「じゃあ今度は私の番ね。恭子ちゃんとはどうなんですか?」
「恭子? 別に普通だよ? 前も一緒にご飯食べたじゃん」
「そうじゃなくて! 二人でデートとか行ってるでしょ!」
「行ってるけど、何も変わったことはしてないよ。前は一緒に映画見たかな」
「女の子はそれだと飽きちゃうってキララちゃんが言ってたのにー」
「大人には大人の付き合い方があるんだよ」
「また子ども扱いしたー」
「自分からその言葉誘ったんでしょ。恭子だって、今は実習で忙しいし、夢を追いかけてるんだから、それを応援してあげるのも恋人としての役目だよ。イチャイチャして楽しむだけが恋愛じゃないの」
「ふーん」
「瑠璃ちゃんも大人になればわかるよ」
べしっ
「いてっ」
「ふんっだ」
「アハハ。暴力反対ー。でも同じ高校行くんなら、一緒に勉強とかできるからチャンスあるんじゃない?」
「……ふふ」
「何想像したのー?」
「教えなーい! 正親さんには絶対教えなーい!」
「子どもの考えてることはわかんないなー」
「大人にはわかんないだろうなー」
「ふふ」
「アハハハ」
おしまい
ここまで読んでいただきありがとうございます。
感想とか書いていただけると嬉しいです。
雑談回でした。
次回もお楽しみに!




