表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/89

雷ゴロゴロ

今日は大荒れ。

北海道に梅雨はないが、ここ最近はすごい雨が続いていて、今日はここ最近では一番荒れている。台風が来てたかとも思ったがそんなことはなく、ただの雷雨だった。


「うおっ!」


また大きな雷が鳴った。

土曜日ということで外に出なくても大丈夫だったのだが、これだけ大きな雷が続くと、どこかに落ちたのかと思ってしまう。

瑠璃ちゃんは雷が怖いのか、ずっと隣に座ってテレビを見ている。ソファの上で体育座りをしている。

音が鳴るたびにピクっと動いているが、テレビから視線を離そうとしない。

とはいえ、そろそろ夕食の準備をしないといけない時間になってきた。


「ご飯の準備してくるね」

「えっ。じゃあ私も手伝う」

「テレビ見てたんじゃないの?」


口を尖らせる瑠璃ちゃん。

もちろん雷が怖いのをごまかすためだとはわかっているが、一応聞いてみた。


「…見てないもん」

「雷怖かったんでしょ?」

「…怖くないもん」


強がってきたか。


「じゃあ今日は俺がご飯作るからさ。瑠璃ちゃんはせっかくの休みなんだから、ゆっくりしててよ」

「むー。正親さんのいじわるー」


そう言ってポカポカと俺のことを叩く。

俺はアハハーと笑いながらキッチンへと向かうと、瑠璃ちゃんも一緒についてきた。


「雷は落ないから大丈夫だって」

「音が怖いのー」

「あー」

「怖いっていうかビックリする」

「大声で急に驚かされたらビックリするもんね」

「そんな感じ」


そんなことを話しながら二人で台所に立つ。

並んで立つと思うけど、瑠璃ちゃんも結構大きくなってきた。

ちょっと前までちびっ子だと思ってたのに、今ではもう中学生だもんな。そりゃあ大きくもなるか。


「瑠璃ちゃんて身長何センチ?」

「148センチ」

「クラスの中では小さい方?」

「んー、真ん中くらい」

「ふーん」

「正親さんは?」

「俺? しばらく計ってないからなぁ…もうちょっとで健康診断とかあるからその時に計るけど、毎回176とか178センチくらい」

「それって大きい方なの?」

「んー…どうなんだろ? ちょっと大きい方じゃないかな?」

「ふーん」


たしかに瑠璃ちゃんも、いつものメンバーと一緒にいるところを見ると、あんまり大きくも小さくもないように見える。

高校になっても小さい子は小さいし、大きい子は大きいからな。

そんな話もしながら夜ご飯を作っていた。

と、瑠璃ちゃんが雷に3回くらいビクッとしたあとに聞いてきた。


「正親さんは、恭子ちゃんのどこが好きなの?」

「…随分唐突ですね」

「ちょっと気になったから」

「んーどこだろなー。なんかあの素直なんだけど、変に頑張っちゃってるところが好きかな」

「どういうこと?」

「恭子なりに俺と付き合うことを頑張ってくれてるんだろうけどさ、俺からしてみたら恭子は年下でしょ? ありのままの恭子でいいのに、変に背丈を合わせようとしてくれてるーってとこが可愛く見えるかな」


俺の言葉に瑠璃ちゃんは首を傾げていた。


「ハハハ。大人になったらわかるよ」

「難しい」

「瑠璃ちゃんは好きな子とかいないの?」

「んー、微妙」


やっぱりまだ恋には目覚めて……ん?


「微妙?」

「うん。キララちゃんは好きな人いるんだよ」

「そりゃあの子は年頃の子って感じだもんね」

「私も怜央くんのこと好きなのかなぁ?」

「かなぁ、って俺に聞かれても…」


『少なくとも玲央くんは瑠璃ちゃんのこと好きだよ』なんて言えない。

最近内海くんの話が出てこなかったけど、クラス替えしたから会わなくなったのか?


「前にギューッて抱きしめられたんだけど、その時からちょっと…」


ゴロゴロー!


「うおっ!」

「ひっ!」


ビックリした。今日一番であろう雷が聞こえた。

二人で驚いたが、瑠璃ちゃんは俺に抱きついてきた。掴まれている腕が痛いが、無理やり解くことができるであろうか? いいや、できない。

瑠璃ちゃんが落ち着くまではそのままでいた。

しかしその話の続きを話すことはなかった。

しかし瑠璃ちゃんも恋か…ちょっと複雑な気持ちである。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

そして『シュウさんと山田さん』のほうでは大変失礼しました。

お詫びとして二人の会話を更新しますので、勘弁してください。


では次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ