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時は流れていく 二年になり


 間が滅茶空いて済みませんでした。毎日ではありませんが投稿を再開します。


――――――


 昨年十一月から十二月にかけて早苗の不興を買ってしまった件については、年末までご機嫌斜めだったが、涼子の件については、大学卒業後、早苗の意見を尊重して考える、重要な事は早苗に一番に相談するという事で、不満、疑念一杯のまま時間で解決?した。




 今季節は早春、俺達は無事に二年になれた。今は春休み中だ。妹の瞳もめでたくこの大学に合格した。洋二さんとは、まだ続いている。どこまで進んだか知らないが、最近一段と綺麗になったのは気の所為だろうか。


 そしてなんと瞳は俺の隣の部屋に越して来た。父さん達から見れば、俺達は既に東京で一年暮らし、周りには知っている人達が一杯いるという事を思えば、正しい選択だと思うが、俺としては、まさかのまさかだ。実家にいた時と同じ事が繰り返される様な気がしてならない。



 家具や食器は全てこちらで揃えた。去年俺達が購入して実績もあるお店に行って瞳の好きな家具を揃えた。

 

 家具も一通り揃った翌日昼前に、瞳は早速俺の部屋へやって来た。インタフォンが鳴り、カメラで瞳だと確認すると直ぐにドアを開けると


「お兄ちゃん、入らせて」

「構わないが、何か用か?」

「有るから来たの」


 さっと俺の横を通りぬけて部屋に上がると

「へーっ、結構綺麗にしているんだ。これお兄ちゃんがやっているの?」

「まあな」

 本当は嘘。全部早苗。


「ふふっ、お兄ちゃんは嘘が下手よね。ハンガーに女性の下着が掛かっているじゃない。あれ、早苗お姉ちゃんのでしょ」

「…………」

 簡単にバレたか。


「ところで何の用だ?」

「決まっているじゃない。お母さんからお兄ちゃんの生活を良く見ていて言われているの。でも早苗お姉ちゃんが全部やっているなら問題ないわね。お母さんにはそう伝えておく」

 ここは、返しておかないと


「瞳は一人で生活できるのか?」

「当たり前じゃない。料理の家事も一通り出来るわ」

「そうか、じゃあ洋二さんも心配ないな」

 いきなり蹴りが飛んできた。


「な、何を言っているの。洋二さんとはまだそういう関係じゃない」

 えっ、本当か?


「でもお前達付き合って一年過ぎているだろう」

「洋二さんはお兄ちゃんみたいに女の人を侍らす人じゃないから」

 俺は侍らしていない。結果としてそうなっただけだ。話を逸らすか。


「ところで入学まではどうするんだ?」

「色々する事あるでしょ。大学までの経路調べとか、大学周辺がどうなっているかとか、履修科目を考えるとか、大学のWEBを見るとか」

「そ、そうか。そうだな」

「そうだ。お兄ちゃんの履修科目教えて?」

「何でだ?」

「まあ、色々と便利でしょ」

「…………」

 何を考えているんだ。こいつ。


 俺達が話をしていると瞳のスマホが震えた。直ぐに画面を見るとニコッとして


「お兄ちゃん、私これから用事あるから。この話はまた後でね」


 俺が何も言わないままに部屋を出て行った。大方洋二さんからの誘いだろう。



 少しして早苗がやって来た。


「達也お昼は?」

「もうそんな時間か?」

「どうするの?」

「えっ、どうするってどういう意味?」

「春休みになって、実家に帰ってから、またこっちに来た時、なに食べるかリクエスト考えてって言ったじゃない」

「そうだったか?」

「そう、その様子じゃ、また何も考えていないんでしょ。いいわ、簡単なスパ作ってあげる」

「…………」

 うーん、こっちには昔から頭が働かない。本当は一人暮らししたら、自分で考えて作るとかするんだろうなと思っていたが、去年こちらに引越してからは、日曜日を除けば、朝、昼、夜全部早苗が作ってくれる。

 俺はそれを食べるから、こっちへの思考が頭の中からごっそりと抜けているんだろうな。



「はい、出来たわよ。一緒に食べよ」

「ああ、いつも悪いな」

「何改まって。今更でしょう。それより今週分スーパーに行って材料買ってこないといけないんだけど付き合って」

「全然問題ない」


 この会話一つ取っても、他の人が聞いたら何と言うんだろうな。


 涼子や玲子さんはどうしているんだろうか。加奈子さんはお抱えの料理人が作ってくれているだろうけど。

 


 早苗と一緒にスーパーにやって来た。俺が入り口で籠を取ると野菜売り場、鮮魚売り場、肉売り場と歩きながら早苗が具材を吟味して俺が持っている籠へ入れている。途中、色々な調味料を籠の中に入れているが、それがどんな時に使われるか想像つかない。


 俺達が買い物をしていると

えっ、瞳が…

 洋二さんと一緒に買い物をしている。どういう事だ。あの買い物はいったい誰の為に。瞳はこっちに来て間もない。洋二さんとはそんな関係ではないと言っていた。

 では、何でこのスーパーで食料を買っているんだ。じっと瞳達を見ていると早苗が


「ふーん、瞳ちゃんも早いものね。ずっと可愛いお嬢様と思っていたら。まあ私達の事を考えれば遅過ぎる位か」

「早苗どういう事だ?」

「達也はその辺疎いから知らなくていいの。さっ、私達も買い物続けましょう」


 早苗と一緒に買い物を続けていると、一足先に瞳達はレジに行ってしまった。見るほどに仲が良い。ちょっと洋二さんが尻に敷かれている雰囲気はあるけど瞳が上手く彼を持ち上げている。しかし、この後あの食料を持って何処に行くんだろう。

 まさか、瞳の部屋じゃないよな。


「達也、何ぼーっとしているの。もう必要な物を入れたからレジに行こう」

「分かった」


――――――


 ふむ、分からないのは達也だけ?


次回をお楽しみに。


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価★★★頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。



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