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時は流れていく 加奈子さん成人のお披露目


更新が遅れてすみません。


――――――


 涼子との買い物に行った翌日日曜日、俺は朝から加奈子さんの部屋に来ていた。


「達也、本宮さんの事はどうするか考えたの?」

「まだ答えが出ません」


 達也では答えは出せないだろう。でもまだ時間はある。あの子もここの大学四年間は穏やかに過ごしたいだろうし。まさか在学中に妊娠するなんて事もないだろうから。もしそうなれば私が動くしかない。


「そう、仕方ないわね。でも大学卒業までには、はっきりと彼女に言わなければ駄目よ。ずるずると先延ばしをしても彼女が辛くなるだけだから。早く言えば言う程彼女の選択肢は多くなるわ。本当は三年生になる前までにね」


 加奈子さんの言う通りだ。大学を卒業してからの計画を実行する事が出来なくなった以上、早く言ってあげた方が涼子の為だ。


でもなんて言えばいい。バッサリ切るなんて俺には出来ない。彼女の気持ちを尊重しつつ、前の提案の代替案位を考えておかなければいけないだろう。


 もう涼子が自殺の道を選ばなければいけないような状況には絶対にさせたく無い。それに涼子は彼女のお父さんの言っている事に従うとは思えない。



「達也、今年の正月に祖父とお父様が、あなたの家に行った時に話が出たと思うけど、来月私は二十歳になる。その時身内で私の成人の祝いが行われるんだけど、同時に次期総帥としてのお披露目もある。

 あの時お父様から、達也のお父様と達也も一緒に出席してくれる様にお願いが有ったの覚えているわよね」

「はい、覚えています」

「それは都内のあるホテルで開くのだけど、三回に分けて行われる。達也のお父様は最初だけで良いけど、達也は三回とも出てね」

「えっ?!」


 三回も!どういう事だ?俺は身内で成人の祝いと言っていたから、内々で簡単にやるものだと思っていたのだが。


 そう言えば加奈子さんが、家としてそして組織としての視点から行われる催し。一般の個人のお祝いとは違うものと言っていたな。そういう事か。


「驚く事は無いわ。身内と言っても、披露する相手は各国にいる三頭グループの上層部の人間と各国の首脳に対して行われる。

治安上、仕方なく三回に分けて行うのよ。もう都内では、開催されるホテル一キロ以内と都内への進入路には警備体制が敷かれているわ。

 三日間は、東京に他国からの襲撃が行われた事に対する有事防衛訓練と称して模擬戒厳令が引かれる。

模擬と言っても実戦と同じ。午後六時から翌朝午前六時までの外出禁止と不要不急の外出は制限される。羽田空港も成田も全てよ」

「…………」

 全く規模が分からない。三頭家とはいったいどれだけの大きさの家のなのだろうか。


「達也、慣れるわ。貴方は私と一緒に三頭家の頂点に立つ人よ」


 俺は加奈子さんを初めて抱いた時、加奈子さんは自分と三頭の家が俺のものになると言っていた。それは彼女と一企業位に思っていた。


そしてその規模は、知る都度に大きくなっていく。俺は本当にこの三頭家を支える加奈子さんの内縁の夫として勤めて行けるのだろうか。


「達也、私の成人のお披露目が終わると同時に次期三頭家の総帥として紹介される。その時、あなたも紹介するわ。

 それからは達也に少しずつだけど三頭の事を覚えて貰う。私も全て知っている訳では無いから、二人で覚えて行きましょうね」

「はい」

 やるしかないか。




 翌月、都内では有事発生時の防衛訓練という名目で模擬戒厳令が敷かれた。メディアは連日の様にこの有事発生時の防衛訓練を専門家と称する人達が一生懸命解説していた。


 俺は、常に加奈子さんの傍に居て将来加奈子さんが三頭家総帥になった時の右腕になる人間だと紹介された。


 ホテルは三頭家の持ち物であり、パーティに使われ飛燕の間は、千人は入るフロアだった。


 聞くところによると世界百四十か国の首脳とその国の三頭グループの上層部の人間を三回に分けて招待している。

 もちろんその人達は一人で来る訳では無い。関係者やセキュリティも連れてくる。


 この事を不審に思った一部のメディアもいたが、政府から会社そのものを消滅させると脅された。

最初は反発したらしいが、潰すとは過去は残るが、消滅とは過去も全て消し去るという意味だと言われ、それが何を意味するか分かった後は震えあがったそうだ。それ以降は、何も無かった。



 そして三日間が終了した。模擬戒厳令は明日の朝午前六時まで続く。


後日だが、行われたパーティの事についてはメディアに取り上げられることは勿論なかった。


 三日目の夜、パーティが終わった後


「達也、疲れたでしょう」

「いえ、加奈子さんこそ、疲れたのではないですか?」

「ふふっ、優しいのね。このホテルは要人が明日全員帰国するまで全室貸しきりよ。今日は私と達也だけの時間を過ごしましょう」

「そうですね。そう言えば、いつからですか。三頭家の事について知識を勉強しなければいけないのは?」

「達也、野暮な事は言わない。今日は私とあなただけよ」


 加奈子さんがドレス姿のまま、俺の首に手を回して来た。


――――――


 うーん、いつもながら…。


次回をお楽しみに。


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価★★★★★頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。



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