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154.殺人『想像以上にシリアスなゲームだった』

 鉱床管理者が死んだ。


 ミステリーに限らず色んな作品で人は死ぬものだけど、自分がそこにいるという没入感のあるゲームの中で人が死ぬというのは、中々に衝撃的だ。


 仮にそれがNPCだとしても。


 それは15歳まではプレイできなくても当たり前かなどと、妙に納得した気分でいた所、捜査が始まった。


 ブラックホールとかいう大きな黒い玉はそのままだけどいいのだろうか?怪盗が盗みに来るんじゃなかったっけ?


 まぁ、いいかと食堂の店主の方を見る。


 と、言うのも暗くなる直前鉱床管理者の一番近くにいたのが食堂の店主だったと思う。


 多分飲み物か何かを取りに来ようとした所で、照明が落ちた筈?


 自分が調理を近くで眺めていた時に、食堂の店主が水槽から魚を運んで調理担当のシェフ?みたいな人に渡していたタイミングだったから多分間違いないだろう。


 その後目が見えなくなり、気が付いたら水槽のそばで店主さんが座り込んでいた。


 目が見えない状態で、調理場から水槽まで歩いて行ったのか?


 まぁ、距離がそんなにある訳じゃないし、パニックになってうろつきまわっていたら水槽にぶつかって座り込んだなんて事はあり得るのかもしれない。


 でも、自分の耳はそんな音捉えてないんだよな~。


 自分に聞こえていたのはいかにもミステリー盛り上げ用とばかりの無駄な叫び声、ぽちゃんと言う水槽の音、カランと転がる軽い金属音、後はいくつもあり過ぎて判別できなかった足音か。


 問題があるとしたら、目が見える状態になってから鉱床管理者が叫んで、そのまま死んだって事。


 暗いうちに何かされてて時間差で死んだのか、はたまた明るくなってから何かされたのか?


 そもそも死んだ原因……死因だっけ?あれはどうなんだろうか?


 とりあえず今一番怪しい食堂の店主から目は離せないか。


 保安官がその場に鉱床管理者の死体を寝かせて何かを調べ始めると、一人の客が忙しい保安官に声を掛けた。


 「捜査の邪魔をする気は無いんだがね。我々も立場のある身なので安全の確保をしなければならない。帰らせては貰えないだろうか?勿論手荷物他身体検査はしてもらって構わないし、居所もはっきりさせておこう。そもそも逃げも隠れも出来ない身分なのでね」


 「確かに皆さんの身の安全を保障するには私では手が足りない、そしてこの場にいる町の正規警備員も直属の上司を守れなかった。その点は私も忸怩たるものがありますが、そもそも公的な警備を入れなかった所為で手が足りておりません。応援が来るまで少々お待ちいただけますかな?」


 保安官がそう答えると、現場の騒ぎが大きくなった。


 確かにこんなパーティを開くくらいだしお金持ちか何かなんだろうけど、自分の思い通りにならないから騒ぐのって、子供じゃないんだからと思ってしまうのは自分だけだろうか?


 そもそも火星って力がものを言うみたいな世界じゃなかったっけ?自分の身も守れない人がこんな所でパーティしてるのが悪くない?


 とりあえず、もうパーティって感じじゃないみたいだし、ナイフ用ベルトと薬用のウエストバッグだけは取り出して巻いておく。


 そんな事をしていると、騒ぎに乗じて異質な音が混じった。


 プールの方で、何かを水の中に落とす、ぽちゃんという音だ。


 音のした方をじっと俯瞰で見つめ、動きのある人がいないか確認するも、誰もプールに見向きもしない。


 つまり、うっかり何かを落としてしまった音ではない?


 誰かがうっかり何かを落としたなら、今頃拾う為に誰かに声を掛けるなり自分でプールに入るなりしているだろう。


 おかしな事ばかりだな……どうしたものかと食堂の店主を視界に入れつつ全体を見渡すようにプールサイドの角に佇んでいると、どうやら死因が分かったらしい。皆が保安官のもとに集まっていく。


 「死因は毒で間違いなかろう。あの様子から言って経口摂取ではないかもしれんな。嘔吐他の症状もなしにいきなり意識を失うなどそうそうない」


 「大量に摂取させたとかは?」


 「どうやってだね?本人の自覚もなしに大量の毒物を摂取させるなど現実的ではないな」


 「じゃあ、どうやって毒を?」


 アルバー君が積極的に保安官に話しかけてるけど、もしかしてこういうミステリーとか好きなのかな?何かそんな気がしてきた。


 「それは分からん。鑑識が来るまでは触れずにそっとしておく他ないだろう。それより被害者は死ぬ直前に何か言ってなかったかね?」


 いつの間にか少し離れた所に立っていた事務の人に保安官が尋ねる。


 「ブローチがないと申しておりましたな」


 「確かにそれは僕も聞きました」


 「ブローチ?」


 「はい、代々この家の当主に伝わるものでして、大事な会合の時などはいつも身に着けているようでしたな」


 言われてみれば、何か胸につけてた気がしたな。


 あれ?もしかして、あの暗い時にしてた軽い金属音ってそれか?


 鉱床管理者が立ってた辺りから、身を低くして目を凝らして探してみると、水槽のすぐ横に光る物があったので、拾い上げる。


 「成る程な。この事件犯人が分かっちまったぜ」


 それまで静かだったコットさんが急に声を上げる。その低く迫力のある声に思わずそちらを見やると、ゆっくりとこちらを指さす。


 「犯人はラビ!お前だ!!!」


 「へ?」

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― 新着の感想 ―
無能な働き者w うーむ、明言してないだけでかなりハッキリ書いてあると思ったがそうきたかぁ こっから盗人と殺人犯吊るすのは中々に骨やね
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