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3-11 責任、取ってくれますよね?

感想、誤字脱字等の指摘ありがとうございます。

最近忙しくて返信が遅れていますが、ありがたく読ませて頂いておりますし、モチベにも繋がって大変助かってます!ありがとうございます!


 カツカツ……と廊下を歩く音がだけが響く。


「あのー、あとどれくらい歩きますかね?」


「…………」


「あっ、内緒ですか。うっす」


 前後左右、囲むように並んで歩く屈強な男達に、気まずさを感じたレイがたまらず話しかけるが、ピクリともレイの方を向くことはなかった。


・無視されてやんのwww

・それは草

・どなどなどーなー


「ちょっと!面白がるのやめてよ!」


「おい、黙って歩け」


「はい!すいません!」


 視聴者とやり取りしていると前を歩いていた黒人の男からお叱りの声を受ける。


ぴしっと姿勢を正したレイを笑うコメントが大量に流れるが、それに対して反応する余裕はすでになくなっていた。


「着いたぞ、入れ」


 そして先頭を歩いていた黒人の男が立ち止まると、目の前のドアを開けてレイに中に入るように促す。


「おじゃましま~――あぁ」


・知ってた

・完全に予想通りで草

・いやぁ期待通りの活躍だな!


 恐る恐る中に入ったレイの視界に入ったのは、ソファで足を組み白いスーツを着た男とその下の絨毯もない床の上で正座をしているじゃしんの姿だった。


「よくいらっしゃいました。あなたがレイさんですね?」


「……はい、そうですけど」


「ありがとうございます。ではこの子のことももちろん知っていますよね?」


「いえ、知らないです」


「ぎゃう!?」


・即答で草

・残当

・誰だってそうする


 簡単にじゃしんのことを見捨てたレイに対してじゃしんが驚愕の面持ちで吠える。


それを聞いた白スーツの男はビジネススマイルを全く崩さずに再度問いかける。


「なるほど、ではこの子は我々の方で回収して死ぬまで実験道具にしても良いという事ですね」


「ぎゃう!ぎゃう!」


 男の言葉に全力で首を振って懇願するじゃしんを見てレイは苦悶の表情を浮かべながら葛藤すると、やがて絞り出すように言葉を吐いた。


「……いや、私の召喚獣です」


「おや、そうでしたか。ではそちらにお掛けを」


 全く驚いてない口調で驚いたような素振りを見せた男は対面にあるソファに座るようにレイを促す。


「それで、いったい何したんですか?」


「まぁまぁそう焦らずに。まずは自己紹介でも」


 それに従ってソファに座ったレイが本題を切り出すと、まぁまぁと窘めながら自己紹介を始める。


「私の名前はクリア。この街の代表兼【ゴールデンマイン】の支配人をしております。以後お見知りおきを」


「……これはご丁寧にどうも」


 その意図を図りかねているレイが警戒しながら言葉を返すと、クリアは少しだけ目尻を下げて悲しそうな表情をする。


「おやおや、嫌われたものですねぇ。まぁいいでしょう。それでここに呼んだ理由でしたよね?」


 そう言ったクリアは地面に座っているじゃしんを優しく抱きかかえると、自分の膝の上にのせて優しく撫で始める。


「まぁ察しもついている通り、この子についての話です。会話が成り立たないので責任能力のある方をお呼びさせていただきました」


・責任能力……

・怖い言い方するなぁ

・まぁママだし仕方ない


 視聴者が好きかってコメントするなか、レイもその言い回しに――いや、この男と対面した時から嫌な予感しか感じず、思わず顔をしかめた。


「そもそも、あなたは何故こんなことになっていると思いますか?」


「さぁ、ちょっと分からないですね」


「なるほど。では一度所持金を確認するのはどうでしょう?」


 そう言われたレイはしぶしぶステータス画面を開くと、自身の所持金を確認して目を開く。そこには赤字で100万Gと書かれていた。


・100万Gの借金!?

・レイちゃん10万Gくらい持ってたよな?

・じゃあ何でそんな膨れ上がってんの?


「う、嘘でしょ……あのレートでこんなことになるわけ……」


「そんなわけないでしょう?500Gの高レート(・・・・・・・・・)で回せばこうなるのも当然かと思いますが」


「はぁ!?」


 聞き捨てならない単語を聞いたレイは思わず叫びながら立ち上がる。そしてすぐにクリアの膝の上にいるじゃしんを奪い取ると前後に思いっきり振った。


「なんで勝手なことしてるのさ!動くなって言ったじゃんか!」


「ぎゃうっぎゃうっ」


 感情のままに思いっきり揺さぶるレイに、まるで懺悔するようにされるがままとなるじゃしん。その光景を少しの間楽しそうに見つめていたクリアはやがて口を開く。


「すいません、話を続けても?」


「ぐっ……はい、大丈夫です」


「ぎゃうぇ」


 その言葉と共に乱暴にソファに座り直したレイはじゃしんを思いっきりソファに叩きつけて、ぎゅっと押し込む。するとじゃしんからカエルが潰れたような悲鳴が上がった。


「それで話というのはこのお金をどうするかという事です。ちなみに返す当てはありますか?」


「……いや、ないです」


「そうですか。いやぁ困りましたねぇ」


 目じりを下げて困ったように息を吐くクリアだが、その様子からはまだまだ余裕を感じられ全く困ってる様子は見えない。


それが不気味に感じたレイはソファに座りながらも少し身構える。


「……あれですか、私の身ぐるみ全部はいで売り飛ばすみたいな」


「え?いやいやそんなことしませんよ。それにそんなはした金じゃ返せないでしょう?」


「は、はした金……」


 嫌味すら感じないストレートな物言いにレイは思わずたじろぐ。


しかしクリアの言う通り自身の持ち物をすべて売っても100万Gに届く様子はないため、特に言い返す言葉も思い浮かばなかった。


「こうなったらもうあそこしかないですねぇ。いやぁ残念だ」


「あそこって?」


 まったく残念そうじゃないクリアの言葉にレイが嫌な顔をしながら尋ねると、一転して笑顔になり答える。


「えぇ、思い浮かべている通りかと。その名を【フォーゲルケーフィッヒ】。『陸の孤島』とも『最強最硬の監獄』とも言われておりますね」


 ニコニコと笑顔を浮かべながらその場所の説明をするクリアにレイの眉間の皺がさらに寄った。


それからほぼほぼ諦めてはいるものの、念のため代替案がないか交渉を試みる。


「一応聞いておくけど、他の方法があったりしません?」


「ふむ。他ですか?私には全員なぎ倒して逃げるくらいしか思いつきませんが……どうです?試してみます?」


 そう言われてレイが辺りを見渡すと、部屋の中だけでも先ほどまで一緒に歩いていた4人の男達がレイのことを睨んでおり、その奥に続く唯一の脱出手段である入り口の奥にも、かなりの人数がスタンバイしているようで、それを察したレイは諦めたようにため息を零す。


「無理ですね……大人しくします」


「えぇ、賢明な判断で助かります」


 そう言ってクリアが周りの男達に視線を送ると、レイの手を後ろで縛る。


隣でもじゃしんがロープでぐるぐる巻きに縛られており、もう完全に抵抗が出来ないようにされていた。


「それにしてもあなた達みたいな優秀な方が行ってくれるとは。これはかなりの刺激(・・)になるかもしれませんね」


「刺激?一体――うわっぷ」


 意味深なことを呟いたクリアにその真意を尋ねようとしたレイだったが、その口を布のようなもので塞がれてしまい、その願いが叶うことはなかった。


「それでは、あなた達に神の御加護があらんことを」


 そうして目と耳も塞がれたレイが最後に聞いた言葉は優しげに呟くクリアのそんな一言だった。


[TOPIC]

NPC【クリア】

金髪のサラサラヘヤーに少し幼めの顔をした美青年。

ゴールドマインの支配人という肩書とその甘いフェイスから一部界隈からアイドル的人気がある。

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― 新着の感想 ―
[一言] 親の魔法のカードを使うこども…。
[一言] そろそろ主人公優遇パート来てもいいんやないでしょうか ずっと主人公強制的に雑魚召喚獣来るわ雑魚職業就かされるわ少し強い攻撃方法あったらナーフされるわ主人公全く悪くないのに周りから敵視される…
[一言] こりゃークソゲーオブザイヤーですわw
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