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ラストダンジョンに登場する雑魚モンスター『ヘルライダー』になっていた。魔王のお手伝いをすることになった  作者: 愛原ひかな


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土属性のダンジョンに潜る


「さてと、ダンジョンの入り口はあそこかしらね」


 ヨミルが馬の胴体から降りると、建物のくぼみに着目する。


「早速だけど行きましょう!」


「う、うん……」


 ヨミルがナギの手を引っ張っていくので、大杉は黙ってついて行くことになった。


 ダンジョンの入り口はやや不気味だった。

 左右にある松明がくぼみを照らしており、地面に張られている黄色い魔法陣がくるくると回り続けている。


 魔法陣の上に乗ると、ダンジョンの中に入ってしまいそうな気がした。


「……ここは、ボクが先に行きますね」


 ナギが魔法陣の上に乗ると、胸元から黒いカードを取り出した。

 それを空のほうに向けてかざすと、数字が浮かび上がってきた。


 二十六という数字だ。

 ベルナルドは、初回の探索でダンジョンの二十六階層まで到達したと言っていたが……。


「ダンジョンを完全探索する上で重要とされるショートカットは、ギルド毎に管理されていますので……」

「なるほどね。ナギちゃんの手を借りれば、私たちはダンジョンの続きから攻略可能ということで合っているかな?」

「はい、そうです……」


 ナギが頷くと、ヨミルは仮カードを手に取り出していた。それを見た大杉は、ヨミルと同じように仮カードを手元に出しておいた。


 仮カードの横に数字が出ていた。


 三分の二。


 いや、これの意味は同時に三人まで仮カードでワープさせれるということなのだろう。

 仮カードを所持しているのは大杉とヨミルだけなので、ここでは何も心配しなくてもよい。


「では、行きます……」


 ナギの意思によって、ショートカットとなるワープ機能が発動する。


 解き放たれた眩い光で視界が真っ白になった。

 だが、この視界遮りは長く続かない。



「……ここは」


 目の前には、黄色い六角形のクリスタル。

 周囲は薄暗くて、もの静けさが漂っている。


「上手くいったかな……」

「ナギちゃん、私は平気よ。ここが四天王がいるとされるダンジョンなのよね?」

「うん、ヨミルさん……」


 ナギとヨミルが互いに顔を合わせて、無事にワープできたことを確認する。

 大杉も自身の無事を確認出来ると、馬に乗っている姿に変身する。


「いきなりダンジョンの二十六階層なんだろうけど、本当に大丈夫なのか?」

「大杉君、何か問題でも?」


「いや、その……。戦力とか」

「私が誰だと思ってるかしら?」


「魔王ヨミル様です」


「そうそう。いざとなれば、私が全部倒しますよ」


 ヨミルは自信満々に満ちていた。いや、ヨミルは魔王だから不要な心配だったかもしれない。

 とりあえず大杉は二人を乗せるように提案をしてから、探索を開始する。


「モンスターの強さは正直……未知数ですが……。ボクが地図を出しますので……」


 ナギの光魔法で、現在地とその周囲を描く。


「探索はこれで……大丈夫と思います……」

「ナギ、サポートありがとう」


 ナギにお礼を伝えた大杉は、ゆったりと進み始めた。


 未知なるダンジョンの探索の開始。 

 ヨミルの支配下ではないモンスターが出てきそうなので、警戒をより高めて進んでいくしかない。


「……うん?」


 歩き始めて数分。このダンジョンに違和感を覚えた。


 まだ、モンスターに遭遇していない。

 ダンジョンにはモンスターがたくさんいるイメージだったのだが、ここはそうじゃないのか?

 ……など思わせておいて、実際には骨や蛇の死骸を見つけることが容易かった。


 ここにモンスターは確かにいたはずだ。

 もしかしたら、ギルドの者が何名か探索を続けているのかもしれない。


 運よく鉢合わせに合う機会もあるかもしれない。


 そうしたら、このダンジョンのことをより詳しく知る手掛かりを得れるかもしれない。


 さらに進んでいくと、大杉の予想は的中する。

 だがしかし、それはもっとも残酷とされる方法で発見してしまう。


「これは……!」


 壁に背をくっつけている男の冒険者が三名。

 全員、前衛職だったのか重そうな鎧をまとっているが、ボロボロになって中身まで溶かされていた。

 ただ鎧の溶け方からして、高温の熱に晒されたような跡であることに間違いない。


「うぅ……亡くなられています……」


 ナギは動かない冒険者をひと目みて、両手を合わせた。


 冒険とは命がけであるもの。

 ダンジョンの探索中などで命を落とせば、そこで終了。その後は残された者が悲しむ。


 大杉にとっても、命について改めて思い知らされた瞬間だった。

 ここはナギに合わせようかと戸惑ったが、大杉は手を合唱することを選ばなかった。


「ヨミル、あの死体を見てどう思う?」

「炎の魔法が使われた形跡ね。ここは土の四天王がいるダンジョンと聞いていたけど、違うのかしら」

「俺もそう思ったが、ひとつ考えられる線はある」


「ええ、そうね。四天王を探すついでに会えると良いですね」


 大杉が見つけて、ヨミルが見逃すわけではない。

 三つの死体のすぐ近くには、妖精のような白い羽根が落ちていたのだ。


お読みいただき、ありがとうございます。

面白いと思いましたら、感想やブックマークをよろしくお願いします。

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