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ラストダンジョンに登場する雑魚モンスター『ヘルライダー』になっていた。魔王のお手伝いをすることになった  作者: 愛原ひかな


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ギルドマスターの居場所はどこ?


 ナギの眼差しは、モニュラに向けられていた。

 標的を視界に入れた瞬間に訪れるであろう緊迫感を感じ取れた。


「ナギちゃんはどうしてそう思った?」

「ヨミルさん、ボクの魔力がモニュラさんから流れてくるのを感じました……。ただ、どうしてそうなっているのか……詳しくは分からないです……」


「そのままモニュラさんご本人に問いかけても、話題逸らしされそうね。とりあえず先に私の目的を進行させたいのだけど」


「う、うん……」


 ナギはモニュラの様子を気にしつつ、クエストカウンターに近づいていった。


 クエストカウンター越しには、メイド服を着た受付の女性が複数人、書類を運んだりして慌ただしくしていた。

 その一人とナギの目が合うと、ナギは自身の身分証らしきカードを見せびらかした。


「すみません。ボクのお父さまは、どちらに出かけたのですか?」

「これはこれは、勇者パーティーのナギ様でしたか。申し訳ございませんが、ギルドマスター様の行き先についてはお答えすることができません」

「そこをなんとか……お願いできませんか……?」

「それはギルドマスター様の身内であっても、答えることはできません。暫くはそのようにしてくれと、ギルドマスター様が直々に頼んで来ましたので!」


 ナギにそう伝えたメイド服の女性は、その場から離れると仕事の続きをする。


「うぅ……駄目でした……」

「ナギちゃんにも教えないとなると……。いま発生している問題に対して勇者パーティーが動くと、ギルドにとって何かしらの不都合があるということかな?」

「ヨミルさんは、どうしてそう思ったのですか?」

「さっきナギちゃんが気にしていたモニュラという人、ギルドから出ていったからよ」


「モニュラさんが自ら外に出たの……ですか……?」

「そうよ?」


 ヨミルに言われたのでギルドの出入口を確認してみると、出入り口付近に立っていたはずのモニュラの姿が見えなくなっていた。


「モニュラという人、ちょっと怪しいな。追いかけるべきかは悩ましいが」

「大杉君はそういうと思った。あの人の行き先は流れ出る魔力で辿ることができるけど、何を隠しているか不透明だから、ナギちゃんの身の安全までは私でも保証できなくてね」

「ボクはついていきます……!」

「俺は雑魚モンスターだから、ヨミルの指示に従うよ」


「それじゃあ、二人とも私についてきて。魔力の流れを追うよ?」


 小走りするヨミルは、ギルドの建物から外へと出ていった。

 俺とナギは、目立たないように足音をかき消しながらギルドから出る。その後、ヨミルを見失わないように後追いする。


 ギルドから少し離れたところにある路地裏を通り抜けて、人が多いなだらかな下り坂を歩く。


「ナギ、俺たちはいまどの方角に進んでいるんだ?」

「太陽の位置と現在の時刻からして南です。南の大通りは人通りが一番多いので、騒ぎがあると周囲の人たちにはすぐに分かってしまいますが……」

「今のところ、モニュラさんは目立つ行為をしていないと」


「そうです……」

「わかった。俺たちはヨミルに、このままついて行こう」


 モニュラを追跡するヨミルが、足を止めないでいる。

 このままいくと、街の外にまで行ってしまうかもしれない。


「モニュラさんはどこにいったのでしょうか……」

「たしかに気になるけど……うん?」


 下り坂を降りきった俺たちは、ヨミルが路地裏を気にしている光景が目に入る。


「ヨミル、何かあったのか?」

「簡単にいうと商談みたいなもの、ですかね……」


 ヨミルが覗き込む視線の先には、モニュラと二人組の男がひそひそ話をしていた。


お読みいただき、ありがとうございます。

面白いと思いましたら、感想やブックマークをよろしくお願いします。

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