80.かくして祭は幕を閉じる
迎えに来てくれたらしいアルティを加えて、再び私たちはテーブルを囲んだ。
「最後の方だけですが話は聞こえていました。リコ、あなたの中の存在というのは、もしかしてノアのことではありませんか?」
「ノア!あー!そうかなるほどな!すっかり忘れてた!」
「なんで忘れられるんですかそんな大事なこと」
「ノア…というと、森羅皇のことですか?」
「知り合い?」
「いいえ、そういうわけではありません。風の噂でエルフの国を建国したという話を耳にしたくらいで。しかしあなた方と森羅皇の間にどういった繋がりが?」
事情を説明。
「なるほど…下界ではそんなことが。彼の魂がリコリスさんの中に…。それなら私の魔力が吸収された理由にも説明がつきます」
「というと?」
「私のような精霊体は、魔力を以て次代の子を成します。森羅皇……ノアもまた同じ。おそらくはこの世に産まれるために魔力を吸収したのでしょう」
「この世に産まれるために…つまり、ノアはいずれ復活すると?」
「今はまだ力が弱く、リコリスさんの存在に隠れてしまっているため確証はありませんが。しかし困りましたね…そうなると魔力を返せと言ってもノアが応じるとは思えませんし…ああでも魔力が無いと私は幻獣になれないし…このままだと竜王の継承が途絶えて…」
「なんか申し訳ないな」
「何故こうも行く先々で問題を起こすんですか」
「私の意思じゃねえ」
とはいえ、じゃあ関係無いみたいなので帰りますね〜ではさすがに人道的じゃない。
そこでこう提案しよう。
「じゃあ竜王さん、私が無くなった分の魔力をチャージするよ」
「へ?あ、いや、それは…」
「愚かな。いかに半神とはいえ人の子。千年に及ぶ途方もない魔力を一人で賄えるものか」
「ものは試しってことでさ」
ノアが私の中から魔力を吸ったんなら、少なくとも私ってルートを通してる形になる。
通せるだけの器があるんなら、まあなんとかなるんじゃないかな。
「私も手伝います」
「大丈夫?ここまで来るだけでも結構魔力を消費しただろ」
「平気です。むしろこう、力が有り余ってるくらいで。【竜の加護】を与えられてから、私の中で何かが芽生えようとしているような気がするんです」
「そう?ってことでいいかな竜王さん」
「は、はあ…」
どうしたものかと、竜王さんはスノウホワイトドラゴンを一瞥した。
「人の子に出来ることなどたかが知れていましょうが、今は何に於いても竜王様を優先されるべきかと。赤と銀の人の子よ、万が一竜王様を害するようなことがあれば」
その後に続く言葉は、スノウホワイトドラゴンの眼差しが雄弁に語っていた。
私一人だと心許なかったかもしれないけど、アルティと一緒ならうまいことやれるだろ。
「やるか」
まず私とアルティが、それぞれもう片方の手を竜王さんと繋いで円を作る。
「行くぜアルティ」
「はい」
私たちは息を合わせて、竜王さんに向け魔力を流し込んでいった。
――――――――
彼女は目の前の少女二人に大した期待を抱いてはいなかった。
が、それを口に出すことはしない。
無論、感謝の念はある。
また不用意に魔力を喰んでしまったことに対し、自責の念も抱いている。
しかしそれとこれとは別の話だ。
少女たちが只者でないのはよくわかるが、それでも千年という月日に蓄える魔力とは天文学的数量。
この少女たちでは、せいぜいが数日、或いは一月やそこらが限界だろうと、自分に流れ込んでくる魔力を感じながら覚った。
(熱く燃える太陽のような緋色の魔力と、虹色に輝く絶対零度の魔力。これが人間に与えられた魔力だなんて…)
なんとも惜しい。
これだけ上質な魔力があれば、次に産まれるのはさぞ強く勇ましい王に成り得ただろう。
(ありがとう…ゴメンなさい…。こんなことに付き合わせてしまって)
優しくあたたかな心に触れながら、次の打開策に思考を巡らせる。
やはり千年分の魔力ともなると、一度に吸収しようとすれば自然にも影響が及ぶ。
霊峰のみならず、オースグラードを、更には近隣の国々にも天変地異を起こしかねない。
それを避けるにはどうするか。
(魔力を蓄えている同胞の血肉を糧に…ダメダメダメです!そんなのって王のすることじゃありません!私お肉とかダメですし…。スノウホワイトドラゴンにはいつも注意されるんですよね…好き嫌いはいけませんって…。自分は雲の中の冷気しか食べないくせに…ズルいです。って、あ、あれ…?)
竜王は二人に怪訝な目をやった。
「あ、あのー…?」
「どした?」
「何かありましたか?」
「いえ、その…もうかれこれ一時間近く魔力を全開で流してくれていますが…」
すでに十年…百年単位の魔力が自分の中に蓄えられていることに、竜王は逆に狼狽した。
「あ、ゴメン。ペース遅い?無茶させちゃダメかなって抑えてたんだけど」
「いっいえ。お、お二人のお身体は平気かなぁ、と」
「余裕があるなんてさすが竜王です。そういうことなら出力を上げますね」
「そ、そうじゃなく、て…いっひィん?!!」
雷に打たれたように彼女は震えた。
否、悶えた。
「あっ!ちょっ…やあっ!んんっ…あひぇあっ?!」
異例中の異例である半神半人、リコリス=ラプラスハート。
数人の仲間と数人の幻獣の力を内包した彼女の底は、進化したての彼女自身把握していない。
そして全ての魔法を一極集中させた【創造竜の魔法】の出力は、単なる魔力の譲渡にしても千夜を荒れ狂う暴風に匹敵する。
更に【百合の王姫】は言わずと知れた女性特化型のスキル。
相手が誰であろうとも、神が定めた魂の干渉には逆らえない。
同じく銀の大賢者ことアルティ=クローバー。
類稀なる【七大魔法】という才能に恵まれたことに胡座をかくことをせず、リコリスの母、賢者ソフィアを師と仰いで研鑽した魔法使いの器。
それが【混沌の王】によって強化され、竜王から直々に与えられた【竜の加護】が、意図せずして彼女の才覚を更なる高みへと昇華した。
【七竜魔法】。文字通り竜の領域に至った魔法の…或いは魔法使いの一つの特異点である。
「あ、これダメです!壊れ…おかしく…なっ、ダメ…ダメで、あっ…ぴゃあああああああーーーーーーーー!!!」
この事態を予測出来た者がいるとするなら、全知全能の魔術師くらいのものだろう。
そう、副官の白竜は後に語る。
「あいつらマジ化け物」
彼女たちの力量を完全に見計らい損ねたと、口調すらままならず。
――――――――
「私たちすげぇ」
竜王さん白目剥いてる。
てかアヘってる?
スノウホワイトドラゴンも泡拭いて気絶してるし。
「【竜の加護】を得てとんでもない力が目覚めたようですね」
「どれどれ?まさかアルティも半神になっちゃってんじゃねえの?へいへーい、なんつって」
名前:アルティ=クローバー
種族:人間
性別:女性
年齢:18歳
職業:魔狼級冒険者
所属:百合の楽園
称号:銀の大賢者
加護:【竜の加護】
ユニークスキル
【七竜魔法】
アンリミテッドスキル
【妃竜の剣】
「ちょっと待てなんかすごいことになってる!!」
【妃竜の剣】は、【魔眼】や【魔導書】を始めとしたスキルが全部統合された【星天の盾】の超パワーアップバージョンみたいだよ。すごいね☆
他にもいろいろ権能が追加されてるけど、それはそれ。一旦置いといて。
「なんでお前もアンリミテッドスキルに目覚めてんの?!!私と違って半神半人ってわけじゃないのに?!どゆこと?!怪物が来たんだが?!」
「誰が怪物ですか嬲って縊って酒に漬けますよ」
「怪物じゃねーか!」
ラグナロクってたしか神との戦争とかそんな意味だろ。
半神の婚約者が怖すぎる。
「一応は隣に立つに見合うようになったと、そう受け止めておいてください」
「お、おお…そう言われるとなんだ…ちょっとキュンとしちゃうな」
「それより竜王は」
「あ、そうだ。おーい竜王さん。大丈夫ー?」
「はひっ!!」
「あ、起きた」
「お身体の具合は?」
「は、はい、大丈夫です。失った魔力も完全に元に戻りました。これで私は幻獣へと昇華し、新たな竜王を産み落とすことが出来ます」
千年に一度の奇跡が途絶えなくてよかった。
もし竜王が産まれません、みたいなことになってたら、私は全てのドラゴンから恨まれていたかもしれない。
「おそらく今夜には新たな子が産まれることでしょう。こちらの落ち度でご足労いただいてしまい、申し訳ありませんでした」
「いえいえ。困ったときはお互い様ってことで。元気な子を産んでね」
ニコッ。
「はぅわ!!え、えと…あの…はひ…」
うーん顔真っ赤。
抱けるわぁ。
ま、抱けない女の子なんかいませんけどねっ♡
「顔だけで竜王を陥落させる女」
「はいはーいそれ私でーす♡」
「チッ」
舌打ちした顔も可愛いぞっ。
「んじゃそろそろ帰るか。みんなも心配してるだろうし」
「普通にサルウァナを観光してましたよ」
「あいつら」
「あ、下界まで送ります」
「大丈夫大丈夫。【空間魔法】使えるから。んじゃね竜王さん……今さらだけど、いちいち竜王って呼ぶのもなんだか味気無いな。名前…は、あるわけないよね?」
「はい。竜王はあくまで称号ですし、終焉の竜というのも自分から名乗ったわけではなくてですね…勝手に付けられたというか、いつの間にか定着していたというか。産まれたばかりの頃、お腹がすいて苛々して国一つ丸呑みにしちゃったのが原因というか…」
「この人まあまあの邪竜じゃね?」
「竜饗祭とか全部無視してここで討伐しておいた方がいいのでは?」
「違うんです違うんです!ほんとに若い頃の話ですから!ここ数百年は大人しくしてましたから!」
人は見かけによらないってほんとだね。
あ、ドラゴンか。
「せっかくお知り合いになったってことで、なんか名前付けてもいい?」
「は、はい!嬉しいです!エヘヘ、贈り物なんて初めてです!じつはずっと夢だったんです!名前を付けてもらうの!」
「そんなに喜ばれるとプレッシャーだなぁ。どうせなら可愛い名前がいいよね。竜…ドラゴン…終焉…ラグナロク?それだとアルティの魔法と被るか。考慮しろよ」
「知りませんよ私が命名したんじゃないんですから」
うーむ。
しっかし…見れば見るほど美人だなぁ。
「あ、あの…そんなにまじまじと見つめられると…」
「いや、キレイだなって思って」
「はひ…」
光沢がある艶い黒の髪。
黒…クロ?さすがに安直か。
ブラック?可愛くない。
「ノワール」
「へ?」
「竜王さんの名前。ノワールはどう?黒って意味の言葉なんだけど」
「ノワール…ステキな名前です!ありがとうございますリコリスさん!」
くはー♡お礼のハグきもっちぇー♡
「終焉の竜ノワール。この名前は今後千年を超えて歴史に刻まれることでしょう。親愛なる竜の友人たちに我が祝福と心からの感謝を」
竜王改めノワールは、私とアルティの頬に交互にキスをした。
私たちの【竜の加護】が【竜王の加護】へと変化する。
「これで契約は成りました。有事の際はどうぞ私をお呼びください。私たちの友情を称え、いつ何時でも力を貸すことを約束しましょう。どうかまた会う日まで」
――――――――
出産の準備に入ったんだろう。
ノワールが微笑んだかと思ったら、私とリコは天の宮を後にしていた。
「契約ってことは、【召喚魔法】でノワールを呼び出せるってことか」
「大層なことですね」
リコは元より、私も【七竜魔法】に【召喚魔法】が組み込まれたらしい。
「今後あなただけなんじゃないですか?竜王に名前を与えるなんて」
「シシシ、さあどうかな。千年後には、人と竜の距離ももっと近くなってるかもしんないよ。人種も種族も関係無く、みんな仲良く元気良くってね」
「それは…すごくステキですね」
私はそっとリコリスの腕に自分の腕を絡めた。
「帰るか」
「はい」
私はリコのぬくもりを感じながら、ほんの少しの罪悪感に胸を痛めた。
『ちょっと待てなんかすごいことになってる!!』
私は知らないフリをした。
【混沌の王】と【竜の加護】で増したのは、魔力の容量のみ。
実際のところは、ノワールに魔力を受け渡しながら、リコの魔力に干渉して【管理者権限】を発動させただけに過ぎない。
アリソンさんの魔力構築の理論の延長だ。
では何故そんなことをしたか。
リコと並び立つため以外の理由があるのなら、是非とも聞かせてほしい。
彼女はどんどん先へ進んでしまう。
私の予想なんて軽く越えて。
半神半人…人ならざる者に成ったリコには、大賢者というだけの私では釣り合わない。似合わない。
だからせめて力だけでも隣に、と。
あまりに醜い執着心。
リコは知らない。気付いていない。
叶うならば、どうかこのまま気付かないで。
どうか、どうか。
――――――――
「ふーん。そんなことがあったのね」
「大変じゃったな」
「おつー」
「ああ、わちゃわちゃしてたんだよ。お前たちの大切な女が。なのに…なにを私そっちのけでエンジョイしてんだ貴様ら!」
飯!お菓子!酒!
すごいなよっぽど楽しかったと見えるわ!もはや遊び疲れの色さえ窺える!
「人の街っていろんなものがあっておもしろいんだな!オイラとっても楽しかったぞ!」
「みんなと一緒に遊べるのって最高だね!」
「うん。とても」
「この身体で味わう食事もまた格別でござった」
「新たな発見なのでございますよ」
「すや、すや…」
「リー。リルムね、今度はリーともお出かけしたいなぁ」
「んー可愛いの暴力すこここのこぉ!!」
怒りが浄化される顔面しやがってよぉ。
「ちゃ、ちゃんとリコリスちゃんの…お土産も買っておきました、よ」
「おーサンキューエヴァ。って私も少しは一緒にいたけど。何何〜?」
「か、カッコいい剣のキーホルダーです」
センス!!!
男子の修学旅行のお土産?!
金色に光ってるやつ!!
竜が巻かれてたり鞘に入ってたり赤とか青の石が嵌められてるやつ!!
買ったら買ったで一週間くらいで飽きるやつ!!
「どっどうですか?」
「いや、あ、うん…そだね」
「おい姉貴の好意にケチ付けたらニューエルのエサにすんぞ」
脅迫するってことは君もクソダサセンスって思ってるってことじゃねーのかエーファちゃんよ。
「へ、部屋に飾っちゃおっかな。これ見る度にエヴァを思い出すよ。ありがとねエヴァ、チュ」
「エヘ、エヘヘ…エヘヘへへ」
まあ、いつも一緒だから思い出すも何も無いんだけど。
エヴァが満足そうなのでよしとする。
「あれ?マリアとジャンヌは?」
「あちらに」
あちら?
「なあマリア!ジャンヌ!おれ、大人になったら自分の船で海賊やるんだ!だからあの…も、もしよかったら、そのときはお前たちをおれの船に乗せてやるぞ!」
「ほんと?わーいやった!」
「私たちも海賊です!」
んー。
「あれは…プロポーズ的なやつに聞こえたんだが、どう思うかね?」
「そうじゃないですか?」
「ハッハッハ。子どもは可愛いねぇ。さてと…教えてやるよ。大人の怖さってやつをな」
「骨を鳴らすでない」
「せめて大人になってからにしたらどうですか?」
舐めてると潰すぞって睨んでやろうとしたら。
「頑張ってねケイト君!」
「楽しみにしてますね!」
「お、おお!そ、そのときは二人ともおれの嫁になれよな!」
「無理!私たちお姉ちゃんと結婚するから!」
「一番大好きなのはお姉ちゃん!」
「うえええええん!ぜんっ、船長ぉ〜〜〜〜!!」
「…………」
にっこり♡
「子どもが泣いてるのに清らかな笑顔」
「心が汚すぎて心配になるわね」
一つの恋が散って、オーベルジオから吹く風にさらわれる。
少年よ泣け。涙の数だけ強くなれる。
失恋したことないから知らないけど。
世はおしなべて事もなし。
さあ、竜饗祭の終わりをこの目で見届けようじゃないかと迎えた夜のことだ。
「そろそろかな」
日付けが変わりかける頃、私たちは揃って空を見上げた。
「新たな竜王の誕生に立ち会えるなんて、私たちは幸運ですね」
「シャーリーの言うとおりじゃ。皆、しかと瞼に焼き付けるのじゃぞ。ひっく」
「じゃあ飲むのやめろ師匠」
黄金に輝く月が高く昇り、オースグラードの大地が淡く光を帯び始める。
「わぁ!」
「すっげー神秘的…めっちゃキレー」
「大らかで…安らかな魔力、ですね」
「見て!」
マリアが指を差した先、夜空に一条の閃光が走った。
竜星群。竜たちは始まりと同じ光の円環を紡いだ。
「プランはあそこにいなくていいの?」
「おー。オイラはもうリコリスの竜だからな」
「そういうものなんですね」
「新しい竜王…いったいどんな姿なのかしら」
「ノワールみたいにキレイな黒いドラゴンなんじゃない?そんですごい美人に育つの。そしたら成長した子を…グフフ〜♡」
「なんで女の子って確信してんのよ」
「そんで種族問わず手籠めにしようとしてる姫マジ草」
「雑食」
おい雑食はやめろ。
好き嫌いしないって言え。
「む?魔力が強まった。そろそろかの」
師匠が魔力の微細な流れにグラスを置いた。
瞬間。
「んぉ?」
「へっ?」
あろうことか私とアルティの身体が光りだした。
「おおおおおお?!!」
「ええええええ?!!」
「なんであんたたち光ってんの?」
「蛍かよ」
「求愛行動で光ってるわけねーだろ冷静なのなんか腹立つ!!」
「リコ!あなたまた何かしたんですか?!」
「またってなんだ!!ちょ、マジで何これ!身体あっつ!」
戸惑う私たち目掛けて一陣の突風が吹いてくる。
「リコリスさーーーーーーーーん!!!」
「ノワール?!!」
ビリビリと震える咆哮と共に、ドラゴンの姿のノワールが隕石さながらに突進してくるじゃないか。
「それ……止めてくださぁーーーーい!!!」
「それって何――――――――」
目も開けられないくらい光が強まる。
まるで夜が昼に変わったみたいに。
光が収まった数秒後、何が起こったのかとおそるおそる目を開ける。
すると、
「はへぁ?」
私たちは揃って間抜けな声を上げた。
仕方ない。
「ぁ、うぁ」
だって…
「ま、あ」
だって…
「マ、マ」
「ほぇ?」
「ママ!」
「どぅおぇぇぇぇぇぇーーーーーーーー?!!!!」
どこから現れたかもわからない私そっくりの子どもが、私のことをママなんて呼んだら。
そりゃあ…キョトンてしちゃうだろ?
「ひ、ひ…姫が子ども産んだーーーーーーーー!!!」
次回、26日㈬昼12時更新。
竜魔胎動編、残り2話で完結します。




