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ファクト ~真実~  作者: 華ノ月
第五章 羽を失った鳥は猛獣をエサにする

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15.


「わ……私じゃ……」


 取調室で本山の言葉に麗美が震えながら「自分じゃない」と否定する。


「じゃあ、このやり取りはどういう事だ?」


 本山がそう言って槙が解析して見つけた下井とのやり取りのメッセージのコピーを見せる。


「……っ!!」


 麗美がそれを見て驚く。


「……この日、この時間に何処にいたんだ?」


 本山が麗美が下井に送った殺害現場となったホテルでのやり取りのメッセージを指で差しながらそう声を発する。


「そ……その時間は……買い物に……」


 麗美が歯切れ悪くそう言葉を綴る。


「……ほう、何処の店で買い物を?その店の名前は?」


「えっと……その……」


 本山の言葉に麗美が更に歯切れが悪くなる。


「……これだけ証拠が出ているんだ。いい加減認めたらどうだ?」


 本山が威嚇するような鋭い目でそう言葉を発する。その言葉に麗美が黙り込む。


「……今度は黙秘か?」


 本山の言葉に麗美が体をびくつかせる。


「ホテルの部屋から指紋も検出された。洗面所のところだ。もし、無実だと言うならあんたの指紋を採取させてくれないか?もし、それで指紋が一致しなければ解放するしかないからな」


 本山が切り札とでも言うような言葉を発する。 


「……うっ……うぅ……」


 急に麗美が大粒の涙を溜めて泣き出した。




「……落ちるかな?」


 特殊捜査室で本山からの報告を待っている奏たちに紅蓮がそう口を開く。


「多分落ちると思うわよ♪本山さん、結構そういうの得意だし♪」


 冴子が軽い口調でそう言葉を綴る。


「でも、例のホテルの部屋から麗美の指紋は検出されていないんですよね?」


 透はその事が気になるのかそう言葉を発する。


「大丈夫よ♪本山さんなら必ず落とすわ♪」


 冴子が愉快そうに声を出す。


「でも、なんで下井さんを殺したのでしょうかね?」


 奏が不思議そうにそう言葉を綴る。


「さあな……。それは本人に直接聞かないと分からないけどな」


 槙が興味のない感じでそう淡々と言葉を綴る。


「まっ!本山さんからの連絡を待ちましょう♪」


 冴子がそう締めくくり、奏たちは自分たちの捜査室で待機しながら本山の連絡を待った。




「……今度は泣き落としか?」


 本山が呆れ気味にため息を吐きながらそう言葉を吐く。


「……なんで下井を殺したんだ?」


 静かな口調で本山が言う。


「透さんと……」


「え?」


 麗美の口からできた名前に本山が声を出す。


「下井さんさえいなくなれば透さんと一緒になれると思って……」


「……は?」


 麗美の口から出てきた突拍子のない言葉に本山が間の抜けた声を出す。


「透って……まさか、最近客で来ている透の事か……?」


 本山の言葉に麗美が泣きながら頷く。


「……お前、その人が何者か知っているのか?」


「会社に勤めているってことくらいしか……」


 本山の言葉に麗美がそう答える。


「……あんたの好きなその透は仕事の関連であの店に行っただけだぞ?」


 本山の言葉に麗美が「どういうこと?」と言う顔をする。


「あいつは、会社員ではなく警察官だ」


「……え?」


 本山の言葉に麗美が呆気を取られる表情を見せる。


「警察……官……?」


「あぁ、そうだ。捜査のためにあの店に行っていただけだ」


「う……そ……」


 本山の言葉に麗美の顔が蒼白になっていく。


「……あんた、下井がいなくなれば透と一緒になれると思って下井を殺害したのか?」


「だって……だって……」


 麗美が何かを言おうとするが声が震えて何も言えない。


「……まぁいい。で、毒はどうやって手に入れたんだ?」


 本山が呆れ果てたように次の事情聴取を行う。


「……下井さんに作ってもらいました……」


「何の目的で下井に作らせたんだ?」


 本山が低い声でそう言葉を発する。


「そ……それは……」





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