表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファクト ~真実~  作者: 華ノ月
第五章 羽を失った鳥は猛獣をエサにする

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/252

9.


「……これが例の被害者が持っていた荷物だ」


 次の日、本山がそう言って保存用の袋の中に入っている鞄を持ってくる。鞄の中身は一つ一つ袋に入れられており、奏たちはあるものがないかを確認していく。


「……これじゃないですか?」


 奏が一つのサプリメントケースが入った袋を持つと、そう声を出す。


 昨日、透が言ったことは「もしかしたら、そのサプリメントを被害者も持っていないか?」という事だった。


 そして、そのケースを空けて中身を確認すると白色のカプセルが中から見つかる。


「……これ、眞子ちゃんが昨日飲んでいたのと同じものだな」


 紅蓮がカプセルを見てそう声を出す。


「でも、被害者に執着していたのは麗美の方だろ?なんで、被害者の鞄の中からこれが出てくるんだ?」


 槙が不思議そうにそう言葉を綴る。


「これは推測だけど、真奈美さんが麗美さんにも渡していて、麗美さん経由で零士さんに渡った可能性はないか?」


 透がそう言葉を綴る。


「……ということは、麗美さんがそのカプセルに毒のようなものを仕込んで零士さんに渡した可能性はあるってことですよね?」


 奏がそう推理する。


「よし!被害者が事件の前にどういう行動をとっていたか調べてみよう!」


 本山がそう言葉を発する。


 そして、奏たちは零士が事件直前に取っていた行動を確認するために義人に事情を聞くことになった。




「……あぁ、確か何か薬のようなものは飲んでいましたよ?」


 奏が義人に零士が事件前に何か飲んでいなかったかを聞くと、義人からそう返事が返ってきた。


「何の薬かは分かりますか?」


 奏がそう義人に尋ねる。


「多分、高血圧用の薬だと思いますけど……」


「高血圧?」


 義人の言葉に奏がそう言葉を聞き返す。


「えぇ、ちょっと高血圧気味で仕事の前にそれを飲んでいるって言う話は聞いたことあります」


 その言葉に奏が何かを思案する。


 そして、その場を後にすると被害者の遺体から検出されたもので何かヒントになるものがあるかもしれないと思い、それを確認するために本山の元に向かう。




「……低血圧の間違いじゃないのか?」


 奏の言葉に本山がそう声を発する。


「いえ、どうやら被害者は高血圧だったようです。それで、その薬を服用していたようなんですよ」


「……被害者の体内からは、低血圧に使う薬品のような成分は確かに検出されている。じゃあ、被害者はそれを飲んで……?」


 奏の言葉に本山がそう言葉を綴る。


「じゃあ、麗美はその事を知っていて、そのカプセルに低血圧の薬を仕込んだってことか?」


 紅蓮がそう言葉を発する。


「まだ、麗美さんが犯人だと決まったわけではありません。ですが、犯行に使われたのがその薬の可能性は高いでしょう……」


 奏が神妙な表情でそう言葉を綴る。


(でも、なんだろう……。何か……何かが引っ掛かる……。もっと、重要なことを見落としているように思える……)


 奏が腑に落ちない顔をしながら心の中でそう呟く。


「ただ、その事をどう調べるかだな……」


 透が唸るようにそう言葉を綴る。


 犯行に低血圧の薬が使われた可能性は高いが、問題はその入手経路だ。どうやってその薬を手に入れたのか?そして、どうやって零士にそれを渡したのか?その糸口をまずは掴まなくてはいけない。


「……眞子ちゃんから何か情報が得られるかもしれないな。よし!透、今日も店に行こうぜ!」


 紅蓮がそう言葉を発する。


「……ちゃんと捜査するんだろうな?」


 紅蓮の言葉に槙が疑いの眼差しを浮かべる。


「するよ!ちゃんとするってば!!」


 昨日の事があるので、紅蓮が慌てたようにそう言葉を発する。


「……またうつつを抜かすなよ?」


「分かってるよ!!」


 透が紅蓮に追い打ちをかけるようにそう言葉を掛けるので、紅蓮が更に慌てる。


「あ、そうだ。麗美の事だけど……」


 紅蓮がそう言って透に言葉を放った。




「……ふぅ、買い物終わり!」


 眞子が袋に入った野菜などを抱えるように持って歩いている。


 その時だった。


 前方から歩いてくる男に眞子が気付く。


(あれ?あの人って……)


 その男を見て、眞子が誰かを思い出すが声は掛けない。男の顔からは嬉しそうな感情が伝わってくる。男は眞子に気付かずに横を通り過ぎていくと、ある場所に入っていった。


 眞子は男が入っていた場所に驚いたものの、特に気に留めることなく、その場を去って行く。


(あの人、久々に見たな……。確かあの人って……)


 眞子が何かを考えながら帰り道を歩いていった。




「……まさか、君の方から誘ってくれるなんてね」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ