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第20話 エピローグ
この世界ではないどこか、あるいは扉の向こう側。
魔王になり損ねた魔術師と、国を亡くした王女様がいました。
二人は、一緒に旅をして、色々な国々をめぐりました。
ある時は雨に打たれ、ある時は風に吹かれながら。
魔術師連盟や、ティルキア共和国は二人の行方を一生懸命に探しましたが、彼らの行方はようとして知れませんでした。
めでたしめでたし。
でも、お話は、まだ少し続きます。
いつの日か、あなたがこの世界ではないどこか、あるいは扉の向こう側に行かれた時は、どこかの国の、どこかの村はずれに密やかにある、小さな魔術店を訪ねてみて下さい。
そこには、無愛想だけれども魔術の知識は一流の店主と、炎のような髪色をした、かわいらしい看板娘がいて、あなたの訪れを歓迎してくれるでしょう。
おわり




