第10話:バイトの話とテニス部へ
予約投稿したと思ってて忘れてました!! すみません!!
「どうだったんですの檸檬さん?」
同じテニス部の弓場さんも覗き込む、すると「おぉ……」と声を上げる、そりゃ参加する部活と持ち物と日付が書かれてるだけだもんな。
「まぁ、女子テニスのみんなに付いて行って仕事するだけだし、そこまで深く考えないかな……」
「そうですわね、後で先生の所まで行きましょうか。今日は丁度部活もありますし」
「頼む、最低限顔見せだけでもしておきたいからね」
「わかりましたわ、では昼食を食べたら行きましょう」
弓場さんが話を進めてくれる、一方……檸檬がさっきから唖然として動いていない。
「ほ~ら檸檬、早く食べちゃいなさい」
「あ……う、うん。そうだね!」
真白に促されようやく本格的に食べ始める檸檬、止まっていたからとはいえすごい勢いで食べてるな。
「そっか~翔君は今日テニス部か~」
「仕方ないねぇ~」
「すまないな、真白、檸檬」
俺が抜けると真白と檸檬は二人きりだ、慣れてるとはいえ心配ではある。
「大丈夫だよぉ~」
「うん、今日は二人で帰るよ」
「それでしたら~私が送りますわ~」
藍那が手を挙げる、藍那の家なら大丈夫だな。
「良いの?」
「えぇ~丁度、お買い物に行くので~お二人のおうちの方角ですから~」
「それじゃあお願いしようかな」
「おねがいしますぅ~」
藍那にお辞儀をする二人、これで二人は心配無さそうだ。
「そうだ、翔さん。弓場さん、進藤さん夏休みの後半、空いていらっしゃいますでしょうか?」
思い出した様に藍那が言う、夏休みなんてテニス部の手伝いだけだし暇である。
「俺は空いてるよ」
「私達はその時期、家族で旅行なのです、すみません」
「あーちなみに俺もその旅行に行くんだよ、ウチの家族も丸々ね」
弓場さんと雨音は用事がある様だ。
「そうですか……それでは仕方ないですわね……」
「藍那、どうかしたの?」
「夏休みの後半、お盆を過ぎたあたりでしょうか……その時期に皆さんと一緒に旅行へ行こうと思いまして」
「旅行かぁ、どこにいくの?」
となると母さんの手伝いは無駄にならなそうだ。
そんな事を考えていると、藍那がニコニコしながら衝撃的な言葉を発した。
「海外です♪」
「へ?」
「ですから。パラオ、海外です♪」
「はぁ?」
話題の猫ミームの様に返す俺、藍那の海外旅行という言葉が右耳から左耳にスーッと抜けていく感じがした。
「いやいや、費用はそんなにないよ!?」
「大丈夫です、実はお父様の事業の一環でパラオの方にホテルを作ったのですが。そのホテルで他企業様を呼んで試泊会をする為、先に身内で宿泊をするんです~。ですがお父様はその時期外せない仕事が入ってしまい私がする事になったんです~。ですが一人で泊まるのは寂しいので皆さんをご招待をしようかと思ったんですよ~」
「でも……パスポート無いし……」
「それでしたら由愛さんが取るとおっしゃってましたので」
聞いて無いぞ由愛、というか真白達は聞いてたのか……。
「お金は……」
「ご招待なので無料です♪」
「えっと皆は?」
「私はいくよー」
「私も」
「わたしもぉ~」
「うーん……でも悪いしなぁ……男は俺一人だし」
正直、女子しか居ない環境で俺一人だけというのは気まずい……。
「それでしたら、モニターのアルバイトという事でお願いいたします~、男性側の意見もしっかりと必要なので……」
上目づかいで頼み込んでくる藍那。
(うーん……そこまで言われたら受けないと駄目だよなぁ。海外とかいった事無いし楽しそうだけど)
「わかった、じゃあ行こうか」
「ありがとうございます♪ 詳しい内容は後日、鳴海からお伝えさせていただきますね♪」
藍那は満足したのか食事に戻る。
「それじゃあ……やっぱり、バイトをやらないとなぁ……」
「バイト? 翔君バイトするの? 何やるの?」
真白が聞いてくる、興味あるのかな?
「母さんの手伝い、お小遣いくれるからやっても良いかな~と思ってね」
「お母さんのお手伝いって……デザイン?」
「いや、違うよ。モデルだね、だから今身体を絞ってるんだ」
「「「モデル!?」」」
皆が驚いた顔でこちらを見て来る。
「うん、母さんの所で冬の新作を作るからね、会報誌以外にも、ファッション誌にもデータ送ったりするからねその手伝い。いつもは他の業者に委託してるけど。お小遣い出すからやれって」
「はぇ~凄いねぇ……」
目をキラキラさせている、まぁ普通じゃ見れない職場だし、俺もそういった所を見る分には楽しそうだからわかるぞ
「興味あるなら見に来てみる? 母さんからOK出たらだけど」
「行ってみたい! 後で詳しい内容教えて!!」
「わかった、じゃあ今日の夜にでも母さんに聞いてみるよ」
それを聞いた真白がウキウキしながら食事へ戻った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから昼食を食べ終え真白達と別れた後、檸檬と弓場さんと女子テニス部へ向かった。
『ねぇねぇ、あの人見てみて!』
『あれ確か体育祭でお姫様抱っこしてたイケメンじゃん!』
『何しに来たのかな?』
『何で弓場ちゃんと柊ちゃんと一緒に?』
良く聞こえないけど何か話してる、俺が見られてるのかな?。
「檸檬、先生は?」
「あーもしかしたらまだ来てないかも……」
「うん、練習の開始までに来ればいい方だよ、隣の大学でスポーツ科学の研究してる人だからね」
「大学講師なのか……」
「正確には教授ですわね、2~3年前に研究が認められて教授になったんですわ」
「へぇ~凄い人なんだね」
「ま、まぁ……少し変なところはあるけどね……」
檸檬が少し呆れた様な顔をしている。
「変な所?」
「アレを変と言うので片づけるのはどうなのでしょう……」
「そこまで変な人なのか……」
(なんか会うのが怖くなってきたな……)
「れっ、もんちゃーん!」
「ひゃっぷ!?」
いきなり背後から誰かが檸檬に抱き付く、ジャージを着ていて見た限り上級生っぽいが……。
「先生……檸檬さん息が出来なくなってますよ……」
「むぐっ……むぐぐ……むぐっ…………」
よく見ると真白より大きいお胸様が、檸檬の顔を塞いでいた。
「あれあれ? ゴメンねぇ!」
「ぷはぁ!? あ゛ーじぬがとおもっだ……香澄せんせーいきなり抱きしめるのはやめて下さいよぉ~」
「ごめんごめん~次からは気を付けるよ~」
「はぁ……全く……気を付けて下さいね!」
呆れている檸檬を見ていると毎回な様だ。
そんな事を考えていると先生がこちらを向いた。
「んん? 君は誰だい? 変質者?」
「誰が変質者ですか!?」
思わず思いっ切り突っ込んでしまった……。
作者です。
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