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賢者の図書館  作者: ゆるり
第1章
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第56話 商品候補

王都から審査員が来るまで、あと1ヶ月くらい。

まじめに商品を考えなければならない。


「やっぱり最初は移動販売で食べ物かな」

先立つものがない。


それが大きな理由だが、北部で育てている作物は、この世界では見慣れないものが多いという事情もある。

そのまま販売しても、食べ方がわからないのでは売れない。


申し訳ないと思いつつ、実家の力を借りて、店舗を確保しようかとも考えたが、これは却下。

お客さんは見慣れない商品を購入するために、わざわざ店の中へ入ってくるとは思えない。

荷台を移動店舗とし、路上販売がいいだろう。


「問題はメニューか」

食べやすい物がいい。


味噌や醤油は無事にできたが、まだ量産はできない。

お試し程度で少しは使えるが、メインに使う商品は避けるべきだろう。


野菜なども土地に合わないようで、収穫量は少ないので商品には向かない。


余裕がある物で、作れるものか。

米、小麦、大豆は使っても問題ない。

イモ類は少々量を気を付ければ使える。

酸味が強いなど、味がイマイチな果物も収穫量はあるから使えるが……どう使えるかな。

卵、ミルクは問題ない。

干しきのこ、魚の干物、乾燥海藻も量に気を付ければ使える。

調味料はマヨネーズ、砂糖、塩はある程度気にしないで使えるが、他は様子を見ながら。


「何つくろう」


無難なのはパンだろうな。


濃厚ミルクがあるので、バターは作れる。

酸味の強い果物も砂糖で煮詰めれば、ジャムが作れる。

卵、砂糖、小麦粉、ミルク……カスタードクリームも作れるか。

塗る物があるなら、シンプルなパンがいいだろう。


お菓子も作っておこうかな。

鞄に入れておいて、小腹がすいた時などにちょっと食べられるようなもの。

クッキーとかいいかも。

ドーナツもいけるな。


「洋風に偏り過ぎてるか」


和風のものは……

おにぎりかな。

海苔もほぼ再現出来てるから使えるし。


干しきのこ、貝類、昆布は佃煮になる。

おにぎりの具として使って、良かったら単品で買えるようにしとこう。


お魚も美味しいから、干物をぜひ食べて欲しいが……家で焼いてもらわないと食べられないし、今回は見送りすべきだな。


お菓子として、おせんべいが作れる。

確か小豆もあったし、まんじゅうも用意しよう。


「こんなものか」


とりあえず賢者の図書館行って、レシピを調べてこないといけない。

あとは加工部門担当のベルナー、イチル、クロアを中心に、各村から料理が出来そうな人を集めて、試作品を作ってもらおう。

まずは北部の人や、孤児院の子達にそれを試食してもらい、この世界で受け入れられる味に調整してもらう必要がある。


「ふふ、作り方を調べたら、まずは私のところに持ってきてください。料理は得意ですから」

目の前に、楽しそうなマザー。


「……えっ、ええ?」

さっきまで誰もいなかったはず。

なんでいるの?


「使えそうなものが無いかと、探しに来たんですよ」


ああ、そうか。

ここは孤児院。

ゆっくり考え事をしたいからと、お邪魔してたのを思い出す。


最近、賢者の図書館に長期滞在することが増え、起きているのに寝ぼけてる状態が多い。

しっかりしなくては。


「ユスト様、独り言が大きいので、聞こえてしまいました」

悪びれなく言うマザー。

別に聞かれても困らないのでいいか。


「マザーが試作品作ってくれるの?」

ええ、とニッコリ微笑む。


「それは助かる」

マザーが作るなら、最初の試食を担当するのは子供達。

子供は素直で残酷だ。

不味ければ不味いとハッキリ言う。

お世辞という言葉を知らないから。


「試作品とある程度の改良まで担当します。村の皆さんは農業で忙しいですからね。そのくらいはやらせてください」

子供達の世話が中心で、家畜達や村人達からいつも食べ物を提供してもらうだけで、心苦しかったという。

本日2度目の投稿。

そろそろ話を進めないと……話数だけ重ねて、話が進行しない状態になってる。

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