表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者の図書館  作者: ゆるり
第1章
56/69

第50話 相談材料

無事、魔力珠作成装置の登録を終え、目覚めてみれば……


「終わってる」

呆然と稲刈りが済んだ田んぼを見る。

小麦も収穫済みだった。


「おお、ユスト。戻ったか」

アッシーが意気揚々と近づいてくる。


「なんで収穫終わってんの?ギリギリ間に合ったと思ったのに」

疑問をぶつけてみる。


「魔法で成長促進させたことが無かったのでな、目測が誤ったのだ。昨日収穫時期が来たので、収穫した」

なるほど、何事も初体験だ。

間違いもあるだろう。

なら仕方ない。

うん、仕方ないんだ。

ちょっと泣きそうだけど。

ああ、収穫の喜びを皆で分かち合いたかった。


「それはそうと、ユストの方の首尾はどうだ?」

心配そうに聞いてくるアッシー。


「問題なし。これで寿命とか気にせず、賢者の力を使えるよ」

ちょっと涙目のまま答える。

うん、言葉に説得無いよね。

心配そうなアッシーの顔。


「それはそうと質問」

過ぎたことは仕方ないので頭を切り替えよう。


「北部での収穫状況はどう?」

発育のいい作物とそうでない作物の確認。


「米や麦は予想以上の収穫だな。大豆もいい方だ。だが、イモ類は予想より少々少な目。野菜はこの土地に合っておらん」

アッシーの見解だ。


卵や牛乳は数に物言わせて、かなりの量を得られている。

海産物の海藻や貝類、魚は順調に収穫量が増えていってる。


てん菜やサトウキビは女性陣のただならぬ頑張りで、びっくりする収穫量を記録しているとのこと。


果物もミリアの奮闘でそこそこの収穫量がある。

ただし、マヨネーズの材料になる物や、少々酸味のある果物など種類は限定的だ。


「なるほどね」

さて、王都から会社設立の審査員が来るまで、あと1ヶ月ちょっとのはず。

そろそろ商品を絞り込んで、どういったものにするか方針を決めていかないといけない。


「アッシー、国中に農業を広めたいって前に言ったの覚えてる?」

ふと確認してみれば、力強く頷くアッシー。


「我とリオレアの願いでもある。忘れるわけが無かろう」

当たり前のことを聞くなと言いたげだ。


「そのためには、この見慣れない物を食べ物として広めないといけないんだ」

この世界に米や小麦などの作物はない。

これが食べ物であることも知らない。

食べ物だと教えてもその味を知らなければ、誰も食べようと思わない。

そんな作物を誰も作らない。


「広める手段として考えはあるんだけど、家畜の長達にも相談するべきだと思う?」

広めたいのは人の事情であって、家畜達の事情でない。


「必要ないだろう。決まった方針を説明するだけで協力してくれる」

賢者としてのユストと契約している家畜の長達。

その指示や想いには従うという。


「そっか、アッシーには相談しても大丈夫?」

アッシーは契約していない。

でも目指す先が同じなら、相談してもいいのではないか。


「我に相談されても、答えは出せぬぞ。ただ、聞くだけになるかも知れぬ。それでよければ構わぬ」

アッシーにもいろいろと制限があるらしいので、できることは限られてくるそうだ。

相談内容によってはあてにしないで欲しいと言う。


「そっか、相談の中心は孤児院の子供達や北部の人達だけか」

アッシーやココの知識は心強いが仕方ない。


「じゃ、その相談する材料のために、アッシーにお願いしよう」

にやりと笑い、ちょっと引きつるアッシー。


言葉で説明すればある程度は理解してもらえるアッシーではなく、この世界の人にとって未知の物で相談しないといけないのだ。

相談するための材料は用意しておかないといけないだろう。

気付けばPVアクセス12万超え。

ありがとうございます。

読んでいただけることは励みになります。


それから1週間ほど更新停滞します。

来週半ばから後半の間には再開予定。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ