表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者の図書館  作者: ゆるり
第1章
53/69

第47話 魔力制御

賢者の図書館の部屋奥。

壁だったところに付けられた扉。

その先に出来た広い部屋。

中央に置かれた机の上には手の平サイズの透明な珠。


「フィリップ、いくよ」

声をかければ、手に何かの端末を持ったフィリップが頷いた。

恐る恐る珠に手をかざして、力を籠める。

すると珠の中心部がほのかに白く光り始めた。


落ち着け、私。

大丈夫、できる。


自分の内に溜まる魔力と、この珠に管をつなげるイメージ。

水道管を通して、珠に蛇口を取り付けるような感覚でイメージしていく。


それが火、水、風、地の4種類。

全て均一の太さの管でないといけない。

どれか一つでも太過ぎると力のバランスを崩してしまうのだ。


「っあ!」

珠の中の光に赤みが混じり、亀裂が入った。

とたんに珠は光を失い、黒く変色して真っ二つに割れる。


「火の魔力が少し強すぎました」

端末を見ながら冷静に分析しているフィリップ。


「ユスト様は細かな調整が苦手なようですね」

通算10回目の失敗で導き出された答えだ。

こんなの分析しないでも、始める前から分かってましたよ。


「フィリップ、新しい珠追加でお願い」

この珠はフィリップの発明品。

魂から直接魔力を抜くのは危険だからと、器になるものを開発してくれたのだ。

この短期間にすごいと思う。


珠以外にも、フィリップの持っている端末も発明品だという。

この端末が生きてくるのは、私が珠に管を通してかららしい。

イメージしたものに必要な魔力だけを管に流す制御盤だという。

今は私がなかなか成功しないので、失敗事例のデータ収集に活用されてしまっているのだが。


「ポイントにまだ余裕はありますが、根を詰め過ぎると、余計失敗しやすくなりますよ?」

追加注文する私に気付かうように忠告する。

この珠、なんとポイント制。


フィリップの発明品なので、珠の制作にかかる分はいらないそうだが、材料が特殊でポイントを使わないと手に入らないそうだ。

1個200P持ってかれます。

とはいえ、賢者の力の乱用で得たポイントはたっぷりあるので、この珠50個100個壊したくらいじゃ困りません。

そんなに壊す気も無いけど。


「このまま続行する。感覚を掴みかけてるから、一気にやっちゃいたいんだ」

もう少しで何とかなりそうな手ごたえはあるので、現在疲労感は全くない。

この勢いのまま、成功まで持っていきたいのだ。


「わかりました。少々お待ちください」

そう言って、フィリップはいったん部屋から出ていく。

すぐに戻って来た、その手には、新たな透明の珠があった。

今回、かなり短いです……すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ