表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者の図書館  作者: ゆるり
第1章
41/69

第35話 漁業の村

5つ目の集落。

名前をサトス村と名付けた。例にもれず意味は無い。


「村長はアレスだよね」

私が確認すると、涙目で頷く。

村民も同様だ。


実は他の4つの村は昨日のうちに回ったのだが、この村は後回しになった。

軽く見ているのではなく、賢者の図書館に行く必要があったからだ。


「昨日のうちに来れなくてごめんね」

村長が泣いてしまっているので、とりあえず謝る。


「ユスト様は、我々など不要だと……」

とうとう泣き崩れてしまった。

ああ、もう、めんどくさい。


「あのね、準備があってすぐ来れなかったの」

説明してみるが効果がない。

どうしよう。

思わず目の前に広がる海を見て、黄昏てしまった。


「あははは、鬱陶しい村長さんね」

海から笑い声とともに、ネッシーが這い上がってきた。

びっくりですよ。

いや、アーノン領だからアッシーか……アッシーももう居る。

……サトス村だからサッシーでいいや。


「賢者様は面白いな」

サッシー、すごく楽しそうだ。


「サッシーね、了解。で、奴はアッシーなのね」

アッシー同様、なんとなく考えていることがわかるようです。


「賢者様のお名前は?」

既視感。

アッシーにもこんな感じで聞かれたっけ。


「ユスト・アーノンです」

フルネームで答えときます。


「ユストね、了解。察していると思うけど、アッシーに声かけられたの。海産物を育てたいんでしょ?任せて」

なるほど、無理だと思っていたが、来ていただけたらしい。


「ありがとうございます。それで何を育てますか?」

そうね、とつぶやき、海を見る。

結構広い入り江になっている。


「ユストは何を持ってきたの?」

そう聞かれたので、持ってきたものを広げて見せる。


海苔と昆布とワカメ。

それに魚の原種袋。

アッシーの作った米や野菜、新品種の開発で少しポイントに余裕があったので、貝の原種袋も貰ってきてみた。


「ずいぶん用意したわね」

感心したように呟く。


「よし、全部やってみよう。この海、予想以上に栄養豊富だから、結構いい線行くと思うわ」

サッシー曰く、大きな森から地下水通って栄養が流れているそうだ。

大きな森というのは、私がもらったあの森のことだろう。

なるほど、海を育てるには森からか。


「塩も作りたいから、グループ分けは4つかな」

私の案にサッシーがうーんと唸る。


「5つは欲しいんじゃないかな」

海藻担当グループ。

魚の養殖担当グループ。

貝類の養殖担当グループ。

塩担当グループ。

海産物加工担当グループ。

なるほど、確かに加工グループを作った方が良さそうだ。


「ということなので、アレス村長……は、ダメか」

突然現れたサッシーにびっくりして気絶してる。


「えっと、ルノ。お願いしていい?」

アレスの奥さんのルノに声をかける。

静かに頷くと、さっさとグループ分けをしてしまう。

何と手際のいいことか。


「ユスト、とりあえずサンプルや原種の袋をまとめて海にまいちゃって」

一気に種への記録作業をやってしまうという。


「そしたらあなたはすぐに北部での拠点を作ってしまいなさい」

強く指示されてしまった。


拠点は、各村での成果や情報など集めるところ。

それが無いと、問題の共有もできずに村は混乱してくるという。

もっともな意見だな。

納得してしまう。


「ライラ、イチル、じゃあ、頑張ってね」

ライラは14歳の女の子で水魔法を使う。

水産部門のリーダーで、海藻や貝類の養殖を担当してもらう。


イチルも14歳の女の子で水魔法を使う。

水産部門の魚を担当してもらう。


「サッシー、あとはお願いします」

そう言って、賢者の図書館から持ってきたものを一気に海へまく。

結構、話数進んだのに、話の内容がなかなか進まないです……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ