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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
184/200

184、時間は思ったよりもある

 青空の下、俺と高橋の間に会話はなく、視線だけが交わされていた。

 その視線も友好的なものではなく、でも敵対的なものでもなく、ただただお互い、相手の心情を測りかねているような状況だった。

 …やべぇ、気まずぅ…。

 ちょっと高橋さん?なんか言ってくれないと困るんですけど。黙って見つめられるくらいなら罵声の一つでも浴びてた方がマシなんだが?

 謝る?謝っちゃう?

 俺が精神的苦痛を感じながら次の流れを考えていると、ゆっくりと、そして大きくため息を吐いた。


 「…あのなぁ…俺だって一回失恋してる身なんだぞ?」


 「知ってる。言いながら思い出したから」


 「適当すぎだろ…」


 今回に関しては否定はしない。


 「まぁ、でも…」


 高橋はゆっくりと校舎を見上げる。


 「言ってる事は間違ってないよな…」


 「…」


 「さんきゅ、旭」


 「は?何?頭イカれたの?」


 「お前は一々喧嘩売らないと気が済まないのか?」


 いや、素直に感謝する高橋がちょっと気持ち悪かったといいますか…なんといいますか…。

 そんな風に考えていると、高橋は真面目な顔で俺を見る。


 「ちょっと時間をくれ。絶対に結果は出すから」


 「ん?」


 え?どゆこと?


 「ちょっと待って、理解が追いつかない」


 「だからぁ!告白はするって!ただ心の準備ができてないから時間くれって言ってんだよ!」


 「お、おう…」


 若干頬を赤くしながら早口で捲し立てる高橋。

 なるほど、そういう事か…え?


 「え、マジで告るの?」


 「なんでお前が驚いてんだよ…」


 「いや、自分で言うのもなんだけどさ!まぁ、確かに説得しようとはしたけどさ、俺、お前の事動かす様な事言ってないと思うぞ?!」


 失恋したやつに自分の失恋話聞かせただけだぞ?!

 今改めて思ったけど、マジで何してんだ、俺。


 「いいんだよ。俺が納得したんだから」


 「んな適当な…」


 「お前が言うなよ…」


 高橋はやれやれ、とでも言う様な顔で首を横に振る。

 ムカつくなこいつ。


 「まぁ、後は…」


 そう言いながら高橋は立ち上がり、グッと体を上に伸ばした。


 「二回も同じ失敗するくらいなら、一回くらいフラれてもいいから攻めてやろうかなって」


 まさかこんなに前向きになるとは思わなかった。

 ドヤ顔で掌に拳を打ち付ける高橋を不覚にも、ちょっとだけカッコいいと思ってしまった。

 そんな自分に苦笑しながら、俺は口を開く。


 「フラれる前提かよ」


 「うるせぇ」


 そう言ってお互いおかしくて笑いが込み上げてくる。

 あぁ、やっぱ高橋だな、としみじみ思うのと同時に、昼休みの終わりのチャイムが鳴り響いた。

 さぁ、行こうか…。

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― 新着の感想 ―
[一言] 青春しているなあ 本音としてははよくっついてダブルでイチャイチャして欲しいですが
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