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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
138/200

138、バレてました

 いったいこれはどういう事だ。なぜ伊織がここにいる?そしてなぜ俺は手首を掴まれている?てかなんでそんなに不機嫌そうなの?


 「お、おい伊織?授業始まるぞ?」


 「だめ」


 「…」


 …うーん?これはあれか?相手の気持ちを読み取りなさいってやつか?無理じゃん。


 「…来て」


 「え?あっ!ちょい!」


 「いいから!」


 伊織にしては珍しく、かなり強引に従わせようとしている。正直、力自体は弱いから振り解こうと思えば振り解けるのだが、頭が痛いせいでそんな気も起きない。いやどしたよ。俺、なんかやっちゃいました?




 「…はい」


 「…えっと…伊織?」


 依然として不機嫌そうなままの伊織に、半ば強制的に連れてこられたのは保健室の前だった。


 「…なんで?」


 「…旭、今日ずっと調子悪そうにしてたから…」


 あはっ!バレてました!まぁ、隠そうとも思ってないんだけどね。でも伊織にはまだ言ってないはずだが…。


 「よくわかったな」


 「あたりまえでしょ。何年一緒にいると思ってるの?」


 「ははは…」


 何言ってんだこいつ、とでもいう様な目で俺を見る伊織。

 これが幼馴染というやつか。こりゃ勝てませんわ。

 

 「でも帰るほどでもないから大丈夫だって」


 だるいけど。


 「だめ」


 「えぇ…」


 伊織の意思は固いらしい。


 「無理したっていい事ないでしょ」


 「いやでもね?」


 「い!い!か!ら!」


 そう言って伊織は保健室の扉を勢いよく開けた。

 あの…伊織さん?結構デカい音が鳴りましたよ?


 「ちょっと!他の人だっているかもしれないんだから静かに開けなさい!」


 「あ…す、すみません…」


 中にいた日比谷先生に伊織は怒られて縮こまってしまった。何してんのまじで。


 「まったく…って、佐倉君じゃない」


 「あ、ども」


 「久しぶりね」


 「そっすね」


 なんかよくわからないけど説教はしないでくれるっぽい。


 「それで、どうしたの?もう授業始まるわよ?」


 「あ、いえ、入る教室間違っちゃったっぽいんで、すみませんお騒がせしてす…」


 すみませんでした、働かない頭で違和感のない様に言おうとしたが、伊織にまた手首を掴まれてグイッと引っ張られ、バランスを崩しかけてしまう。


 「…っぶね、ちょ…」


 「先生、この子体調が良くないみたいです」


 「あら、そうなの?」


 「ちょ?!だから大丈夫だっ…」


 「い!い!か!ら!」


 「は、はい…」


 伊織の圧に押されて首を縦に振ってしまった。


 「…まぁ、わかったわ。それじゃ佐倉君はこっち入って。それで、あなたは?」


 「あ、私は大丈夫です」


 キーンコーンカーンコーン。


 そう伊織が言ったのと同時に始業のベルがなった。


 「そう、それじゃ後はこっちに任せて授業に行きなさい」


 「は、はい」


 伊織が申し訳なさそうに返事をすると、今度は心配そうな顔をして俺の方を見てくる。


 「…後でまたくるから」


 「あ、はい」


 それだけ言うと、伊織は走って体育館に向かって行った。廊下は走っちゃいけませんよ。

 伊織の姿が見えなくなったあたりで、日比谷先生が口を開いた。


 「付き合ってるの?」


 「いや、ただの幼馴染です」


 「あら、そうなの?残念」


 そんな事を言いながら俺に体温計を渡してくる。

 俺はそれを受け取って体温計を挟んで、大人しく座った。

 風邪は引かない様にしましょう

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― 新着の感想 ―
[一言]  なんならマスクとうがい手洗いとアルコール除菌のおかげで単なる風邪をひいた場合本人の体調管理が悪かっただけという事実が露呈してしまう昨今。  風邪はひかないようにしましょうね。  お前の…
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