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拒絶の幼馴染  作者: ひゃるる
134/200

134、これはまずい

 「うん、まずいね…」


 あれから流歌君にチョコを渡す機会は幾らでもあった。でも、いざ渡そうとなるとなんて言って渡せばいいかわからなくなって、チャンスを全て無駄にしてしまっていた。

 そんなこんなで放課後になってしまいました。放課後ですよ。どうしてくれるんですか。

 未だに流歌君は旭と鞄にものを詰めながら話をしていて、渡す機会は訪れない。邪魔だよ旭。お姉ちゃんの邪魔しないでよ。てかあんた、あたしの恋愛事情わかってるならもうちょっと気使いなさいよ!


 「ん?うぇ」


 「どした?」


 「生徒会の手伝いだってよ。だりぃ〜」


 「ザマァ〜」


 「うわ、うっざ」


 そんな話が聞こえてきた。

 もうここしかない。これを逃せばもう、渡す機会はないだろう。


 「はぁ…んじゃ、夜な」


 「はいよ、お疲れぇ〜い!」


 「は?うっざ、黙れよ」


 「いやごめんて」


 その言葉を聞いた旭は不機嫌そうな顔をしながら教室を出て行った。今だ!


 「る、流歌君!」


 「ん?陽葵?」


 鞄を持って教室から出て行こうとした流歌君を呼び止める。


 「ちょ、ちょっといい?」


 「え?あぁ、うん、いいけど」


 「ちょっと待ってね!」


 やった!後は渡すだけだ!

 そんな事を思いながらあたしは鞄の中にあるチョコを出そうとして、手を止める。

 …なんて言って渡そう…。

 結局、渡す機会だけを伺って、肝心の言葉を考えるのを忘れてしまっていた。


 「…?陽葵?」


 「あ…えっと…」


 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!

 あたしの頭はイタズラになら働くのに、こういう肝心な時には働かない。なんて使い勝手の悪い頭なんだ。

 そんな事を考えている時だった。


 「佐倉姉、お前今日日直だぞ?」


 後ろの方から三島先生が話しかけてきた。

 え…日直…?


 「へ?…あっ?!」


 そういえばそうだった!


 「さっさと日誌書いて提出しろよ?」


 「はーい」


 あたしの返事を確認して、三島先生は教室を出て行こうと扉に手を掛けたが、先生はそこで止まった。どうしたんだろ?


 「あー…佐倉姉、ついでに日直って事で頼まれてくれないか?」


 「へ?何をですか?」


 「ちょっと教材室からものを取ってきて欲しいんだが」


 え、えぇ…。


 「…えっと…今、ですか?」


 「ん?あぁ、用事があるなら無理しなくてもいいぞ?」


 今絶賛用事の最中なんですけど?!でも断ったらなんか悪いし…。


 「…いえ!大丈夫ですよ!」


 「いや、無理しなくてもいい…」


 「大丈夫です!」


 「…そうか、悪いな」


 「いえいえ〜!それで、何が欲しいんです?」


 「昔使った数学のプリントが棚に入ってるから適当に持ってきてくれればいい。この後補習があるから使いたいんだが、私も私で準備があるからな…」


 「了解です!」


 「助かる」


 そう言って先生は今度こそ教室から出て行った。

 …はぁ…引き受けちゃったな…。


 「…えっと、陽葵?」


 「あ…」


 そうだ、流歌君を放ったらかしにしちゃってた。

 でもさすがに待たせるわけにもいかないし…。


 「…ごめん!呼び止めておいてなんだけど、やっぱりなんでもない!」


 「えぇ…」


 「ほんっとにごめん!」


 顔の前で手を合わせて謝る。

 本当はなんでもないわけじゃなく、ちゃんと用があったんだけど、言葉が整理できてないし、待たせるわけにもいかない。


 「ほんっとにごめんね!じゃ、また明日ね!」


 「あ、あぁ…」


 その言葉を最後に、あたしは教室を出た。

 教室から出たあたしは、早足になっていて、気づいたら走って教材室に向かっていた。

 なるほど?

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― 新着の感想 ―
[一言]  高橋「凄く期待してたのになんか凄い邪魔が入る」  ちょっと可哀想だが放課後まで待ってあげると好感度アップですよ。  それか今日渡せなかった事を口実に後日ふたりだけでデートとかね。
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