早食いステージ2
「ラーメンスタンプラリーの花形、早食いステージに伊太利屋女学院のランチア・ラリー037は苦戦しているようです! 今がポイントを稼ぐチャンスだー! 地元の利を活かすことができるのかー? 三菱ランサーエボリューションⅥ、全校生徒が固唾を飲んで見守っているぞー!」
耳に付くナレーションが、スマホの画面から随時届けられる。それに呼応するかのごとく、ランサーエボリューションⅥのカウンターに、茹で上がった麺の入った鉢が目の前に提供された。
待ってましたとばかりに箸を手に取ると、艶のある太麺を一気に絡め取り、熱々のつけ汁に泳がせると同時にすすりまくる。
「……ラリー037さん! ペースアップして! 相手も猛烈に追い上げてきたわよ!」
ランチア・ストラトスの檄にラリー037は、フォークで器用に麺を巻き取り、スープに浸しながら一気に咀嚼する。だが絶妙な小麦の香りと歯切れ、何より麺と絡む濃厚なWスープに舌が感動し、思わずゆっくりと堪能してみたくなる衝動に駆られたのだ。
「これは……リングイネのペスカトーレとは、また違って美味い! ローストポークも絶妙の仕上がりだ!」
「う~ん……私はトマトベースのソースが好みだけどね」
ここでライブ中継の巨大モニターを注視する仏蘭西女学院の金髪の二人……ルノー5ターボとアルピーヌA110は、画面を見ながら何か思い出したようだ。
「あのつけ麺とやらは、魚介類のスープに合わせているようだ。南仏のブイヤベースみたいなものか?」
「それよりあなた……更によだれが……」
つけ麺と伊太利屋女学院の相性が良かったのだろうか、あっと言う間に麺を食い尽くしたラリー037は、その場の席から立ち上がる。
「ほら! もう綺麗に平らげたぜ。さあ次はいよいよ勝負が決まる第三ステージだ。最後は走る距離が少々長いけど、ストラトスなら余裕だよね……」
「……ちょっと、お二人とも待って下さい!」
「へっ?」
なんとバンダナをしている店員から制止された。もうとっくに完食したはずなのに。
「ここにつけ汁を残されています。つけ汁をスープ割りで飲み干すまでは、合格をあげられません」
「……マジデスカ……」
スープを温め直している間、ランチア・ストラトスとラリー037は無限の長さのように感じた。そして大食いのランエボは大盛りの麺でもいけるほどで、あっと言う間に伊太利屋女学院に追い付いた。
「――いよいよ勝負は大詰めだ! 猫舌のランサーエボリューションⅥも、あくまで上品にスプーンで飲むラリー037も少々手こずっているぞ! 合格のサインを最初にいただいたのは…………何と、ランサーだ! ランサーエボリューションⅥが先にバトンを渡したぞ~!」




