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7-5





 ――運が悪かった。と言っておこう。……何が? 決まってるだろ? 俺にとって運が悪い、というのは、大抵がお嬢さま(がら)みのことだ。


 ――屋上。

 高利との話がちょ~っと、長かったかな~? と思って急いで屋上に行くと、そこには本当に運が悪く、普段は滅多に人がこない屋上に、何やら修理業者の方たちがたくさんいらっしゃっていたのだ。

 何で屋上に修理業者が? とも思ったが、業者が〝へこんだ屋上の扉〟を持っていたことから、俺はすぐに思い出した。

 そう。そういえばあの日、俺は結を助けることに夢中で、後先考えずに扉を()(やぶ)ってしまっていたのだ。そりゃあ、修理の一つも必要となってくるだろう。

 まずったな~……そう思いながらも、まぁ、仕方のないことかと俺はそのことを深く考えず、それよりもと急いでいつもの貯水タンクの下に行くと……刹那、視界がブラックアウトした。

 ……これって、説明の必要……あるのだろうか?

 ……ま、まぁ、一応言うと、待たされた上に人がいっぱいきて、それで超絶☆不機嫌になっていたお嬢さまの所に、ノコノコ、俺がやってきて……ぐしゃぁ……的な?

 ・

 ・

 ・

 ………………。

 ……な? 運が悪いだろ?

 「……よっ、こいせ……」

 ――いつものリスボーンポイント(保健室のベッドの上)。

 何とか身体を起こした俺は、ゴキキ、と〝真横(まよこ)〟にねじ曲がった首を元に戻した。

 ……俺、超一流の整体師になれるんじゃね? とか思ったが、それはどうでもいい。それよりも、ふー、と一度ため息をついた俺は、ふと時計を見て気がついた。

 「あ、なんだ。今回は復活早かったんだな。まだ五限始まってないや」

 ……結に殺されるのは毎度のことだから、今さらどうということはなかったが……となると当然気になってくるのはやはり、高利が言っていた〝二人の転校生〟のことだ。

 ……ああ、いやいや。べつに〝美少女〟という言葉に反応しているわけじゃあないぜ? 俺にとって宇宙一の美少女は結しかいねーからな? だから他にどんな〝美少女〟がいようとも、そんなのべつに俺は興味なんてないからな? したがって俺が気になっているのは転校生がくるってことであって、あくまでも〝美少女〟目当てではないんだぜ? ――あ、いや、違う。こう言えばいいのか……えー、俺は何でその二人の名前を、〝正確に言えた〟のか? それが気になって仕方がない……OK?

 ――よ~し、そういうわけでゴハン食べたらさっそく見に行くか!

 シュタッ、と傷も()えた俺はすぐに立ち上がり、テーブルに無造作に置いてあった弁当を食べてから保健室を後にした。





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