表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
213/223

14-12

 いや……違う! この声は……!

 「た、高……?」

 ばっ! 俺は急いでフライハイしてダウンフォール(?)した高利の方を見てみたが、しかしそこにあったのは……やはりと言うべきなのか? 黒塗りのモザイクと化した高利の姿だった。いかに高利とはいえ、とてもじゃないが、これでは生きてはいられまい。

 気の、せい……? そう思った。

 だが……っ!

 『亮……』

 ち、違う! 気のせいなんかじゃない!

 高! ……高っ! お前なんだろ!!?

 確信を持った俺は、心の中でそう高利に向かって大声で呼びかけると、すぐに、返事が返ってきた。

 『そう…だ。俺様、だ……。り、亮……俺様はもう、ダメ……みたいだ……』

 ああ、だろうな! 見りゃあ分かるよ! そんなことより、このままじゃ俺もお前と同じくフライハイさせられるか、授業の実験器具としてみんなに貴重な体験を提供することになっちまうんだよ! こっから俺はどうやったら逃げ――

 『逃げるな……た、〝戦え〟……亮……っ!』

 何!!?

 バカ言うんじゃねぇ! 心の中で叫び、俺は続けた。

 この状況で何をどう戦えと!? どんなに足掻いたところで敗北必至じゃねーか! 文字どおり1/3300どころか、万に一つも勝ち目なんてねーよ!

 『だから……だよ……っ!』

 何? 聞き返すと、すぐに高利は話す。

 『お……俺、様は、今日……絶対に……絶、対に! お嬢さまに勝つ……そのつもりで、戦った……だけど、結果はこのザマ……だ……だ、だから、亮……お前に、お、前に……!』


 俺様の……〝カタキ〟を取って……ほしいんだ……!


 な……か、カタキを取る……? 〝敵討ち〟!!?

 ふ、ふざけんな!

 何で俺が!!? 俺はそう叫んだが……しかし、高利の言葉は変わらなかった。

 『頼む……亮……! お願いだ、亮……! お、れ、様の、〝カタキ〟を……〝無念〟を、どうか……はら、し、て…………』

 !!? お、おい、高! 高!!? 待て! 逝くんじゃねぇ! そんなこといきなり頼まれても、俺は……!!


 『頼、ん、だぞ……俺様の……ただ、一人の……〝悪友〟…………』


 ……ッッッ!!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ