12-9
……パチ。
パチパチ。
パチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!
「「「「「うおおおおおおっっっっっ!!!!!」」」」」
……タッチーが歌い終わった直後。巻き起こったのは、拍手喝采の嵐。
……いや、この会場にいた人々……生徒、先生、観客までも。全ての人々が立ち上がってのそれは、所謂〝スタンディングオベーション〟というやつだった。
中には涙を流しながらタッチーのことを褒め讃える者も出てくる始末……俺は、俺の頭は、そんな状況に相変わらず混乱し、わけが分からないままではあったが、しかし!
なぜか、俺も……タッチー。お前には、拍手を送らずにはいられないんだっ……!
「「「「「うおおおおおおっっっっっ!!!!!」」」」」
鳴り止まない拍手の中、再び雄叫びが上がった。
そして、
「「「「「タッチー! タッチー! タッチー! タッチー! タッチー!」」」」」
再び鳴り響くタッチーコール。
今度のそれには、故意に、ではなく、自然に、俺の口も動いてしまった。
「「「「「タッチー! タッチー! タッチー! タッチー! タッチー!」」」」」
……くそっ!
チクショウ!!!
もう……わけが分かんねぇよ…………。




