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『稲荷山にて“風呂”』


雪「感想で色々きていたが、総合して纏めると設定あまくない? か?」


作「ゴフッ!? た、確かに言われてみると分かりますが、直す気力がわいてこない」


雪「じゃ、どうする?」


作「今から設定をたす。ネカマ出来ないゲームで、エロいことができる………しかし、主人公(スノウ)はネカマしてしまっている、現在そんな不味い状況。でも、運営が気づいた時には元に戻すのも色々不味い状況になっており、主人公用の対策を急いで行い実行。今回、それについてチロっと出ます」








ツバメ達に案内されて、城に三つある集会所にやって来た。


この城だが、三つの集会所の周囲に、それぞれ寝泊まりする部屋や、食堂っぽい所、祈りの間と呼ばれる場所等々………


分かりやすく言うと、一般、上流階級、中立で見事に場所やらなんやらが別れているらしい。


設計者計算したのか? と思いつつ、集会所を見渡す。



「なんか、のんびりしてる」


「ま、他の二つの派閥に張り合う気0だから」



暫く三人と特に内容の無い雑談をしていると、ツバキさんが入って来た。



「ツバキ様! お帰りなさい!」


「ツバキ様! 符の出来映えを見ていただけませんか?」


「ツバキ様! 『澄華』の新作を買ってきました、食べてください」



おお。ツバキさんは、大人気のようだ。沢山の巫女さん達に囲まれて、身動き出来ていない。しかし、慣れているのか、できるお願いやらなんやらをささっとこなし、時間がかかりそうな場合は、またあとでと約束している。


暫くそんなやり取りがあった後、ツバキさんが俺を呼んで巫女さん達に紹介した。



「はい皆、こちらスノウさん。アザミの弟子みたいなもので、例の件で来てくれたのよ」



言っていいのかな? と思ったが、ツバキさんはここにいる巫女さん達を、全面的に信用しているようなので、まぁ大丈夫だろう。


そう思っていたら、部屋の外に限りなく気配を消しているが、四人ほど誰かいる。まぁ、聞かれて困ることは話さないだろうし、いいか。



「へぇ、アザミさんの」


「可愛い」


「名前からして、外から来たのかな?」


「え!? それなら色々聞きたい!」



何故か、〈ヤマト〉の外の話をすることになった。


俺が喋ることで一喜一憂し、たまにきゃあ! と悲鳴をあげる。なんというか、女子高生みたいなテンションだな。


その後も暫く外の話━━町並みとか、食べ物とか、友人の話━━をしていたら、夕飯の時間が迫ってきていた。



「料理当番誰?」


「今から作るの?」


「今日はなんの日だっけ?」



談笑しながら歩く巫女さん達について行く、その途中で、ツバキさんがパンっと手を叩いた。皆が注目すると…………



「スノウさん。料理作れるのよね?」


「ん」


「なら、私外の料理が食べたいな♪」



作れってことですかね? ツバキさんの目がキラキラしている。どうしたもんか、周りに助けを求めようと見てみたら、他の人達も目をキラキラさせている。



「外の料理? 食べた~い」


「気になる~」


「作って、作って♪」



味方はいないようです。


作った後に文句を言われるのが嫌だったので、料理上手な巫女さんや陰陽師の人も巻き込んで、作ることになった。



「これはどうするんですか?」


「皮を剥いて、水で洗う」


「味付けは?」


「塩と胡椒を軽く」


「火加減はどのくらいで~?」


「とりあえず、強火」



指示を飛ばしつつ、こちらも作業を続ける。


とりあえず、無難にムニエルとシチューを作ることにし、他にはハンバーグやらローストビーフなんかも作っていく。


手伝いの人達は、料理上手と呼ばれるのも頷ける技量で━━というか、遥かに俺を凌駕している━━俺の指示通りに、きちんと作ってくれる。



「美味しい~」


「味が濃いけど、こういうのもいいわね」


「このお肉すっごい柔らかい!」


「このぷりん? 甘くて柔らかくて美味しい」


「このてぃらみすっていうのも美味しい!」



デザートにはプリンやらティラミスやらを出してみたが、中々好評のようだ。というか、いい感じでウケている。


ツバキさんも、しっかりと味わうように食べてくれているし、ツバメ達も我先にと食べている。


というか、不味いとか言われなくて良かった。日本の料理が外国人に合わないこともあるように、外国の料理が日本の口に合わないこともあるので、心配だったのだ。


まぁ、比較的日本人も食べている料理を出したので、それが良かったのかな? とにもかくにも、美味しく食べてくれて何よりである。



「スノウさんは和食で良かったの?」


「ん。美味しい」



せっかく和食があるのだから、和食を食べたい。一番料理が得意だという人に、俺の分の和食を作ってもらった。


麩と玉ねぎの味噌汁、焼き鮭、きゅうりの漬物、若竹のやわらか煮等々。どれも素晴らしく美味しく、感動した。


夕食の後、お風呂に入ることになったので、お風呂場に向かう。



「さ、ここよ」


「………」



なんとなく分かってはいたが、大浴場か………うん。辞退しよう。


回れ右をして去ろうとしたら、ツバキさんに捕まった。



「後で、一人で入る」


「あらあら、何を恥ずかしがってるの? ここじゃ、皆で入るのは普通よ? スノウさんの裸を見ても、誰も変なこと言ったりしないわ」



そういうことじゃない!


本当は男なんですと言えるわけもなく、脱衣場では、皆を見ないようにしつつ、最後の一人になるまで待つ。


ツバキさんが逃げないように監視しているが、既に脱ぎ終わっているようなので、そちらは見れない。



「さ、行くわよ!」


「ん………」



なるべく見ないように、見ないように


大浴場は、湯気がいい感じに仕事をして視界が狭まっていたので、他の人を見ないようにしつつ、素早く湯船の中に入った。


とりあえず、後は全員出るまで裸を見ないように待つしかな━━━



「~~~!?!?」


「あら、本当に恥ずかしいみたいね」



いきなり胸を触られたので、びっくりした。ちなみに、自分の裸については諦めた。なるべく見ないようにする他ない。


にしても、いきなり胸を触ってくるとは………ツバキさん恐るべし



「それにしても、やっぱり結構大きいのね」


「え? そうなの?」


「わぁ、肌真っ白綺麗~」


「すべすべだぁ~」


「や……め!」



ちょ、ま! どこ触って、うお!? 何押し付けて!!!



《プレイヤーネームスノウ用特殊プログラムを起動します》



へ? と思った瞬間、意識が無くなった。



目が覚めると布団に寝かされていた。ツバキさんは、のぼせてしまったんだろうと言っていたが、多分違うと思う。


あのアナウンスはなんだったんだろうと思っていたら、突然目の前にウィンドウが出現した。


ふむふむ、運営から?



《このウィンドウが出ているということは、そういう事態が起こってしまったのだろう。君が自主的に行ったにせよ、不可抗力だったにせよ、起こってしまったものは仕方ない。君が別の性別になっているのに気づいたのは、ゲーム開始から一週間がたったころ、既に性別を戻すなどの対処も不味い事態になるほどに、君は色々と友好関係をもってしまっていた。全面的に此方の落ち度だとは思うが、君が絶対にこのゲーム内で猥褻行為が出来ないように此方で勝手に設定させてもらった、そういうことが起ころうとした場合、不可抗力などは関係なく、強制的に気絶状態になるようになっている。もし、性別を現実と同じにしたいならば、何時でも言ってくれ、新たなアカウントを用意する、種族がスキルなんかもある程度は自由に決めてもらって構わない、ユニークスキルや、神の寵愛もそのままだ。申し訳ないが、此方としてはこれ以上の優遇は出来ない》



まだあるようだが、別にこのままでもなんの支障もないのでいいし、この先変な状況になっても気絶するのなら安心できる。俺としては、万々歳だ。


ん? なんか追伸が……



《追伸。もし、文句があったりするのなら、私がなんでも言うことを聞く犬にも奴隷にもなる…………というか、してください女王様!》



「変態じゃねぇか!?」



思わず素で叫んでしまったが、仕方ないことだと思う。っていうか、最高責任者とか最後にのってるんだけど………大丈夫か? ここの運営。






作「こ、これが精一杯です………(血)」


雪「知りたくないことを知ってしまった(泣)」

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