『買い物と朝の狩り』
学校から帰って来て、家事とか課題とかを終わらせて、ログイン
「きゅきゅ」
「♪♪♪」
「おはよ」
さて、本日は色々と購入するために、町をぶらぶらしようと思います。
購入予定の物は以下の通り
米、飯炊き釜、醤油、味噌、鰹節、豆腐、昆布、ワサビ、日本酒 etc....
殆ど食材ですね。あ、日本酒は料理に使う予定です。そのまま飲むためじゃないですよ? 飲まないよ? ちょっと飲んでみたいけども
起きていたシラユリさんに、食材が売っている場所を聞いて、そこに向かう。
「らっしゃい! らっしゃい!」
「安いよ! 安いよ!」
「良いもんが入ってるよ!」
活気がいいな。
ネーヴェとシャルーが怯えて、俺の懐に入ろうとしてくる。
二人が怖がっているので、さっさと買い物を済ませよう。
「釜ありますか?」
「ありますよ! どんなのがいいですか? 土鍋? 黒浜? 白傘?」
黒浜と白傘って何? そんな種類現実には無いよな? オリジナルかな? どうやら、釜によって色々変わるらしい。
とりあえず、土鍋にしておく。
飯炊き釜の売っていたお店から出て、食材が売っているという場所に移動する。
「いらっしゃい! 何にする?」
野菜を幾つか。
大根、白菜、夕顔、里芋………
向こうには売ってなかった野菜を購入する。うん。これで、味噌に煮干し、昆布、鰹節なんかを購入出来たら色んな味噌汁が作れそうだ。
その後は、煮干し、昆布、鰹節を見つけて購入。
「味噌」
米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌、白味噌、黒味噌………
味噌が沢山ある。後は、醤油とか、ミリンとか、酢もある。
なんやここ。めっちゃいいお店やん
「きゅきゅ?」
「???」
味噌の自作が出来ればいいんだけど、作り方が分からない。
教えてもらえないかな?
しかし、ここまでのレベル。そうとうの職人だろう。そんなスーパー職人さんが、こんな小娘なんかに教えてくれるだろうか?
【料理】スキルは持ってるけれども………
うーん。
なんか使える物ないかな? “夢月館”(今泊まっている、シラユリさん達の職場)の紹介状とか、ユキミさんの扇子とかしかないけれども……
「何? 味噌の作り方を教えて欲しいだと?」
「お願いします」
流石に、あの手のお店の紹介状を職人さんに渡すのはどうかと思い、ユキミさんの扇子を腰に差しておくだけにした。
味噌を作ってる人に会いたいと、店員さんに言ったら出てきたのが、正しく職人! って感じの頑固そうなお爺さんだった。
「【料理】スキルは持ってるのか?」
「ん」
「そうか、しかし、見ず知らずの奴に教えるのは━━んぅ!? お前、その腰に差してる扇子は!?」
「これ?」
「これは、“夢月館”の紋章……しかも、この柄は白之傾国か!」
「?」
首を傾げてしまう。そういえば、イドミさんがユキミさんのことを傾国って言ってた気がする。しかし、確かに美しかったが、国を傾けるほどかは分からない。
「あんた、ただもんじゃないみたいだな、よし! 先行投資だ、教えてやるよ」
「本当?」
「あぁ、だが、今後ともうちを贔屓にしてくれよ?」
「ん」
やった! なんか知らんが、味噌の作り方を教えてもらえることになった! それに、味噌や醤油のいくつかをただで貰えた。
小一時間ほど、ミカゲさんに味噌の作り方に、醤油とかの作り方まで教わった。その過程で、料理スキルに【醸造】が追加された。見てみると、【冷却】とか、【保温】とかもあった。気づかなかった。
「ありがとうございました」
「おう! また来いよ」
大豆も幾つか貰えた。ありがたい
その後は、ミカゲさんがオススメしたお店で、米を沢山買ったり、日本酒を買ったり、豆腐を買ったり、綺麗な番傘があったので、クノとライラの分も含めて買ったり………
あれ? なんか女子の買い物……げふんげふん。
ちょっとフィールドに出てみよう。
〈ヤマト〉は朝と夜とで色々変わるらしく、朝のフィールドはそれほど危険では無いらしい。例外もあるらしいのだが………
「普通だね」
「きゅ」
「♪♪♪」
フィールドは、普通の草原? かと思ったら、松が生えていたり、なんというか和な感じがする。さて、出てくるモンスターは何かな?
暫く歩くと、一匹の狼が現れた。かなり大きい
「グルルル」
鑑定で分かった名前は“隻眼独狼”。確かに、右目に刀傷のような、一筋の傷がついていて、目は見えていないようだ。
「グルァ!」
「おっと」
素早い動きで飛びかかって来たが、ヒラリと回避する。
そこからは、攻撃に気をつけながらネーヴェとシャルーにも攻撃してもらって、攻めていったら時間はかかったが、簡単に倒せた。しかし、素早さは今まで戦ったモンスターの中で一番だろう。
「うーん」
「きゅ?」
「???」
今回は、相手が一体で俺が回避が得意で、素早さがかなり高かったから勝てたのだろう。そして、〈ヤマト〉は単体の敵が多そうだ。
しかし、朝でも向こうより大分強いようだが、夜になったらさらに強いのが出てくるのか………
とりあえず、忠告を守って夜に狩りに行くのは止めとこう。
あ、梅干しあるかな?




