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『クリスマス☆スペシャル』


はい。クリスマススペシャルです。本編とはほぼほぼ関係無く、強いていうなら平行世界(パラレルワールド)のお話しです。








本日は、12月25日。


そう、クリスマスだ。


普通の人達、そしてリア充達にとっては、聖なる夜。


しかし、一部の人には「クリスマス? そんな日はありません」とか、「あぁ、リア充達をデストロイする日ね」とか、「クリスマスふぁーーーっく!」とか言われてたりする。


俺? 俺は普通に過ごすというか、クリパに誘われたよ。クリパに


しかも! 俺以外全員女の子!


いえー! 俺勝ち組はっはっはー!


はっはっはー!


はっはっはー!


はっはっはー!


はっはっ、はぁ。


いやね、分かってるんだよもうね。誘ってくれたんだけどね、軽い感じでね



「今日クラスの女子でクリスマスパーティーやるけど、雪ちゃんも来る?」



とか言われるとね、何時もみたいに「雪ちゃん言うな!」って言う気力も無くなるよね。



「いや………遠慮しとく」



そう言うのが精一杯だったよね。


クラスの男子から慰められたよ。先生(男)からも慰められたし、先輩(男)の何人かからも慰められて、皆でケーキを食べた。


傷ついた心を誤魔化すように、『Miracle World Online』にログインする。


今日はクリスマスイベントがあるらしい。現実では、全く楽しめなかったが、こっちではめっちゃ楽しもう!



「きゅきゅ!」


「♪♪♪」


「ネーヴェ、シャルー。メリークリスマス!」


「きゅう?」


「???」



二人ともよく分かっていないようだ。まぁいい。


ギルドハウスの自分の部屋、窓の外には雪が降っている。


シャルー大丈夫かな? まぁ、駄目だったら留守番してもらおう。



《お知らせします》


《運営からプレゼントが届きました》



お、イベントのあれかな?


アイテムボックスの中にプレゼントボックスのアイコンがあったので、タップする。


出てきたのはサンタ服と、サンタの魔法の袋


え? なんなの、プレイヤーがサンタやるの?


何故か、ネーヴェとシャルーの分まである。


うーん。


とりあえず、ネーヴェとシャルーには着せよう。



「きゅ? きゅー!」


「!!!」



可愛い。


サンタベストに、小さなサンタの帽子を被った二匹。


というか、ネーヴェのベスト凄いな。ちゃんと穴が空いてる。


さて、俺も着ますかね



「きゅ! きゅ!」


「♪♪♪」


「………うん」



いやね、なんとなく分かってたよ。でもね、ミニスカサンタコスはどうよ? まぁ、例の如く似合っているのが、よりなんとも言えない気持ちになる。


とりあえず、下に降りよう。



「スノウ、メリークリスマス!」


「スノウちゃん、メリークリスマス」


「二人ともメリークリスマス」



俺がミニスカサンタコスだったから、なんとなくそうじゃないかなーと思っていたんだが、クノとライラも同じ衣装だった。



「ホー♪」


「………」



フクロと大福も同じなんだな。にしても、亀のサンタ服ってレアじゃないか?



「やっぱりスノウもサンタ服だったみたいね。これ絶対運営の策略よ」


「決めつけるのは良くないと思ってたけど、スノウちゃんもとなると、あからさまだよね」


「ん」



運営この野郎。


一緒に貰ったサンタの魔法の袋には、プレゼントボックスが沢山入っていた。



『やっほー! 毎度お馴染みイベント、雑用担当のレインボー!』


『質問、アバター設定担当のホワイト』


『ゲームトラブル担当のレッド!』


『環境担当グリーン……ぐぅ……』


『という訳で、クリスマスカラーで揃えてみました! 私は関係無いですけどね☆ さぁ、今回のイベントだけど、町にかくれんぼが趣味のサンタさんが来ています!』


『プレゼントを沢山持ってるよー! 中には……フフフフ』


『プレゼントは、開けるまで中身は分かりません。そして、一人一つまでです』


『ギャンブルみたいだね~、ハズレもあるから注意……ぐぅ……』


『さらに! プレゼントには限りがあって、時間経過とともに町の子供達に配るから、どんどん減って行くよ! サンタさんを捕まえて、プレゼントを貰っちゃおう!』


『さ ら に ! 選ばれた三人のプレイヤーサンタもいるよ!』


『プレイヤーサンタのお三方は、時間終了時に手元に残っているプレゼントを全て貰えます』


『サンタ限定アイテム~、プレイヤーサンタ限定アイテムがあるよ……ぐぅ……』


『それでは、皆さん!』


『『『『イベントスタート~!』』』』



そのアナウンスと同時に、視界が切り替わる。裏路地かな? どうやら、〈ツェントゥル〉の一角のようだ。ちなみに、サンタ達はここ〈ツェントゥル〉に加え、周囲の4つの町に自由に転移出来るようだ。ただし、一時間に一回しか使えない。



「とりあえず、逃げよう」


「きゅ!」


「!!!」



ハンデかは知らないが、【風之主】が封印状態で使えなくなり、敏捷も低下している。


まぁ、サンタコスに空中を10歩歩くスキルとか、トナカイを召喚するスキルとか、偽プレゼント(罠)を設置するスキルとかあるから、これで逃げ切れということだろう。



「おい! いたか?」


「いや、見つからない」


「早い者勝ちだからね、急がないと」



お、プレイヤーが三人いるみたいだ。声の感じ、男二人、女一人だろう。こそこそ隠れるより、逃げるほうが運営も喜びそうなので、出ることにした。



「メリークリスマス!」


「きゅ!」


「!!!」



バーンと飛びでると、驚いた表情をする三人。よしよし、後は捕まえようとしたところを避けて……



「「「プレゼント、ありがとうございます!」」」


「え?」


「きゅ?」


「???」



何故か、頭を下げられた。



「サンタコスのスノウ様が見れるなんて……しかもミニスカ!」


「これがクリスマスイベントか……」


「運営ぐっじょぶ!」



親衛隊の人達でした。


なんかなーと思いながら、先に行く。


タッタッタと歩いていると、向こうから手を振って駆けてくる人物が……



「お姉ちゃ~ん! サンタ見なかった?」


「見てない」



嘘は言ってない。俺は“プレイヤー”サンタだからな。にしても、次はヘイルか、気づいてくれたらいい感じの追いかけっこになるんだが、どうやら、俺のサンタコスをリジェさん辺りから貰ったものと思ってる模様



「そっか~。それじゃあ、一緒に探そう!」



そう言って、俺の手を取るヘイル。



《プレイヤーに捕まりました。プレゼントを一つ渡してください》



「ふぇ?」



おっと、ヘイルのほうにはプレイヤーサンタを捕まえたとでも、アナウンスがいってるのだろう。とりあえず、肩に担いでいた袋をごそごそして、プレゼントを取りだし、キョトンとしているヘイルに渡す



「って、お姉ちゃんがサンタだったの!?」


「うん」


「……リジェさん辺りのお遊びの一環かと……」



とりあえず、ヘイルに別れを告げて走り出す。いいのが出るといいな。


さて、お次は誰が来るかな?


暫く歩いていると、仁王立ちしている人が



「来たねスノウ」


「メリークリスマス、茜さん」


「ふふん。余裕でいられるのも今のうちだよ!」



茜さんが手を上げると、何人ものプレイヤー達が前と後ろを防いだ。正に、絶体絶命ってか。



「さぁ、プレゼントを渡してもらうよ」



ククク。茜さん、あまりなめないでもらいたいな。


今の俺は、クリスマス特別バージョン。普段やらないことも、やってのける


後ろの人達に近づき、丁度いいポジションに立つ



「おや? どうするきだい?」



後ろから茜さんの声がする。


さて、まずは少し内股気味になり、胸の前で両手を組んで、上目遣いで一言



「通してくれりゅ?」


「「「「「「「「どうぞ!」」」」」」」」



ずざーと空いた道を、駆け抜ける。ふっ、チョロいな。クリスマス特別バージョンのスノウにとっては、この程度造作もない。しかし、()の黒歴史が増えてしまった。


茜さん達が追ってこないように、適当に走る。



「ホー」


「ん?」


「きゅ?」


「???」



フクロ? 何故にこんな所に?



「スーーーノーーーウーーー」


「ん?」



振り向くと、沢山のプレイヤーを引き連れたライラが、此方に走って来る。


マジか。俺も走り出す。



「ちょ、助けてよ!」


「無理」



ライラ、流石にあの量はね? しかもね



「スノウちゃ~ん! 待って~!」


「スノウ様! プレゼントを私に~!」



スリート姉さんもいるんだが、後、ルキエさんを筆頭にした親衛隊の皆さん。


どうにかならんかな、この状況



「ひゃあ~! あれ? スノウちゃん? ライラちゃん?」


「クノ? どうしたの………って!」



横道から、リジェさんを筆頭にした生産連合の皆さんと、大量のプレイヤーを連れたクノが現れた。



「三人とも、待ってー!」


「待てと言われて」


「待つ言われは」


「ないよね!」



三人で逃げる、逃げる。流石に、これ以上は来ないだろう。



「ほっほー、メリークリスマス!」


「「「「「「サンターー!!」」」」」」



うわー! サンタさんまで来おった!



「ちょ、どうするのよこれ!」


「ホ~」


「分からないよー!」


「………」


「混沌としてる」


「きゅきゅ!」


「!!!」


「ほっほっほー、メリー! クリスマス!」



全世界の皆さん、クリスマス満喫してますか? 俺は、スノウは、それなりに満喫しています。


ではでは、メリークリスマス






本編でもクリスマスイベントをやる予定ですが、これとは違うのです

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