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『夏だ! 海だ!(新たな仲間、魚じゃないよ)』






「スノウちゃん似合ってるー。というか、似合いすぎー!」


「ま、眩しい! 目が潰れる!」



とりあえず、ビキニだけ着て! と、リジェさんとファルテに土下座で頼まれたので、しぶしぶ着てみた。


フリフリのフリル着きビキニで、空色を基調に、青系統の色で統一された可愛らしいビキニ。女状態で、ゲーム世界の俺の控えめでいて、以外とある胸に妙に合っていて、引くぐらい似合っている。


十分見せたと思うので、Tシャツとホットパンツも装備する。



「うんうん。スノウちゃんの無表情に、フレッシュな感じの服が妙に合っていていい!」


「というか、スノウさんは派手すぎなければなんでも似合いそうですね。」



うむ。派手なのが似合わないのはいい。俺は、落ち着いたほうが好きだから。とにもかくにも、服も銛も手に入ったし、海に潜りますかね。


ネーヴェをアルネさんに預けて、海に入る。



「……………。」



おぉ……………綺麗だな。いつかテレビで見た南のほうの海みたいだ。まぁ、見たことない変な色の魚や、あり得ない大きさの海の生き物もチラチラ見つかるが、ゲームだしな


そうそう。海に入る前にリジェさんから取っておいたほうがいいと言われたスキルを取った。それが此方。



【水中行動制限解除:Lv1】

水中にいる際の水圧の無効化。ならびに、レベルに比例した水中での呼吸器官強化、潜泳速度上昇。



習得に必要なスキルポイントは10と、高コストだったが、水圧無効化とかかなり便利だ。いつか、海底でモンスターと戦うとかありそう。


さてさて、先ずは何を狙うかな?


魚は…………知ってる魚?(形はそっくりだが、現実と同じ種類かは分からない)は、鰯に鯵、ヒラメ? いや、砂に隠れているがカレイかもしれん。


うーん。結構色々いるな……………あ、鑑定使えば分かるじゃん!


早速鑑定を使うと、先ほどの魚達は、鰯に鯵、それとヒラメで合っていたらしい。とりあえず、銛で頭を突いて捕まえ、アイテムボックスに収納。どうやら、魚類は捕まえればアイテムボックスに仕舞えるらしい。


とりあえず、素手で掴めるのは、どんどん掴んでアイテムボックスに収納していく。他にも、サザエやアワビ、ホタテ等の貝類や、ブラックタイガー、セミ海老なんかのエビも取った端からアイテムボックスに収納。


っていうか、ここの生態系凄いな。


あぁそれと、このゲームオリジナルの魚介類。


真っ黒で、大きなハサミをした、黒裂蟹。


10匹ほどの群れで踊っている、踊り蛸。


墨じゃなくて糸を吐く、蜘蛛烏賊。


太さが俺の腹ぐらいある、超大鰻。


他にも、マッスル鰯、鬼角カサゴ、幻蛤etc…………



一番びっくりしたのは、超大鰻。あのデカさはヤバい。まぁ、頭を一突きして抱きついたら、アイテムボックスに収納出来た。


マッスル鰯もびっくりした。ムキムキだったよ、フツーに捕まえたけど。


踊り蛸なんかも面白かった。最初は、逃げずに踊り続けるのに疑問を思ったが、散開した後、トリッキーな動きで襲いかかって来たのには驚いた。まぁ、避けつつ一体づつ捕獲したけど。


そういや、モンスターいないな。鑑定しても、魚類や、軟体生物とかなので、普通の生き物なのだろう。



「ん?」



海の幸を集めていたら、急に魚達が逃げ始めた。俺が魚達を捕まえてる時も逃げなかった魚まで、一目散に岩の間などに逃げていく。つまり、魚達にとって、俺以上の脅威(・・・・・・)が迫っているということだ。


辺りを見渡すと、此方に向かって泳いでくるたくさんの影が見えた。鑑定してみると、空海豚(スカイ・ドルフィン)という幻獣だという事が分かった。しかし、幻獣………それもイルカから魚が逃げるのか? そう思っていたら、魚が逃げた理由が分かった。


イルカ達の後方、その巨体を海の中で動かし、イルカ達へと迫る二つの影。


海の生物の頂点に立つ生物、海のギャング………シャチの親子がやって来ていた。











とりあえず、鑑定!


…………って、空鯱(スカイ・オルカ)………幻獣かい!


えーと、確かシャチは好奇心旺盛で、色んな生き物を食べるけど、人を食べた例は無いんだっけな? まぁ、海の生物大好きな友人によると、ジャレつかれて怪我したり、死んだ例はあるらしい。まぁ、シャチの巨体じゃそうなるわな。


とりあえず、イルカ達は助けよう。鑑定した結果、あの超大鰻が好物だと分かった。三匹捕獲してあるので、親子二匹分、二匹出そう。


先ずは、【自然操作】で海水を操って此方に興味を持たせる事にする。


好奇心旺盛なのは本当のようで、変な海水の流れに泳ぎを止めた。しかし、腹が減っているのか、イルカ達を追おうとする。そこにだめ押しで超大鰻を取り出してみせると、直ぐに寄ってきた。


ばくばくと超大鰻を食べる親子を見ながら、イルカ達が去っていったのを見届ける。最後にチラリと此方を見た気がした。


食べ終わったようなので、そろそろ帰るかな? と思ったら、子供のシャチがすり寄って来た。もしかして、ネーヴェの時みたいな感じですかね? もうネーヴェがいるし、困った顔で親シャチのほうを見たら、『その子の事、宜しく!』ってな感じで、最後に子供にすり寄ると、海の彼方に行ってしまった。


シャチ軽すぎじゃないですかね?


とりあえず、一旦息継ぎのために海上に上がり子シャチに、勝手に生き物を食べないように言い聞かせる。以外と素直に鳴いた。



「帰ろ。」


「!!!」



新たな仲間………名前は…………シャルー。よし、シャルーにしよう。



「アナタは、今日からシャルー。いい?」


「♪♪♪」



嬉しそうに鳴くシャルーに微笑みつつ、砂浜を目指して泳いだ。


【自然操作】で水流をつくって泳ぐ速度を上げながら進んで行くと、イルカ達が並んで泳ぎ始めた。シャルーがいるのに…………あれかな? 子供だからかな? それとも、襲わないって分かってるのかな?


さて、砂浜に近づいたはいいが、シャルーどうしよ? 生産四人に水槽でも作って貰おうかな? と思っていたが、泳ぎやがりましたよ、空を………イルカ達も含めて…………


成る程、“空”海豚と、“空”鯱ね。



「お帰りなさいスノウさん。なんか、凄いですね。」


「きゅ!」


「ただいま。ネーヴェ、こっちはシャルー。シャルー、ネーヴェ。」


「きゅきゅ。」


「♪♪♪」



仲良く、鼻と頭をくっつけあう二匹。それを見て、微笑ましく思う。



「シャチですか? それに、イルカの群れ………空泳いでますけど。」


「あれ、幻獣。」


「え?……………ちょっと、行って来ますね。」



イルカを見てうずうずしていたアルネさんが、たったったっと、走って行った。イルカ好きだったんだな。


にしても、他の三人はどっか行ったのかな?



「きゅきゅ!」


「!!!」



交流が終わった二人が寄ってきたので、一緒に遊ぶことにする。ネーヴェ海水大丈夫かな? 少し心配になったが、シャルーに乗って空を泳ぎ始めた。


それから暫くして、アルネさんは無事空海豚の子供と仲良くなり、一緒に行動することになったようだ。


去って行くイルカ達に別れを告げて、暫く幻獣三匹が追いかけっこをするのをアルネさんと眺めていたら、生産三人が帰って来た。


ドルグさんと、ファルテは釣竿を持っているので釣りをしていたのだろう。リジェさんは手ぶら。



「やっほー! あれ? 増えてる?」


「あれま、ほんと。」


「ふむ。シャチとイルカだな。」


「ネーヴェ、シャルー。」


「きゅ~。」


「♪♪♪」


「サファ、おいで。」


「~♪」



アルネさんは、空海豚にサファと名前をつけた。可愛い。



「あ、アルネまさか!」


「ふふん。じゃんけんに勝ってくれてありがとうございますリジェ先輩。」


「むきーー!」



勝ち誇ったようにサファを抱いてどや顔するアルネさんに、リジェさんは悔しそうに歯ぎしりした。






最初は、シャチは一匹。モンスター扱いで戦わせようと思ったんですが、シャチって人気だし、可愛いからスノウの仲間にすることにしました。

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