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命改変プログラム  作者: 上松
前に進む為のyの解編
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 先に動いたのは月側だった。いや、考えてみたらその可能性は十分にあった。だって最近はセツリとの会話も減ってたからな。お互いにそれぞれの立場って奴を保つためにあんまり家の中でも喋らないようにしてた。

 そのせいで「二人とも喧嘩したの?」――とかおばあちゃんに心配されてしまった。そういうことじゃないから二人でそういうわけじゃないとは言ってた。日鞠のやつが眠ってた時はよく話してたから一気に態度が変わったから喧嘩してしまったんだと思ったのかしれない。

 まあわからないでもない。でもあの時は互いの立場とか? そんなのは関係なく二人とも日鞠の友人として、彼氏として、互いに「助けないと」って気持ちが上回ってたんだ。

 でも日鞠は無事に戻ってきた。そして、月との対決……という次のステージに向かうとさ……そうなると立場を思い出さざるえない。別にそもそもがセツリの奴は月の女王という立場を嬉々として受け入れてたわけじゃない。


 だから積極的にこっちに情報を流してくれたって良いんだけど……どういうわけか、なんか責任感? 的なやつが芽生えてきたみたいだ。それか悪役ムーブも悪くないと思い始めたのかもしれない。


(いや、あれはゲーマーの矜持なのかもしれないけど……)


 手を抜きたがらないゲーマーとしての矜持。勉強とかは徹底的に手を抜きたがってるセツリ。でもことゲームの事は寝るのも惜しんでやってるやつだ。あの見た目なんだから、外に出ればめっちゃチヤホヤされるだろうにな。

 そんなことよりもゲームの方がすきなんだから、せっかくの立場をちゃんとやり遂げようと思ったのかもしれない。まあ別に今回の戦いで月が勝とうと世界が終わるわけじゃないしね。


 ただ、地上の上に月が君臨するだけだ。それが良いか悪いか? は別にして、どう転んでも、そういう歴史が始まるだけ。そう思えば、別に気負う必要もないと考えたのかも? 

 あいつは今日、LROに入る前にこう言ってた。


「恨みっこ無しだから」


 それはあいつ自身、勝つ気でいる……ということだろう。そして別にこの時間に殴り込みに行く。つまりは作戦開始するのは隠されてなかった。ならば、事前に先手を打とう……とするのは何もおかしなことじゃない。

 月からの刺客は一体だけじゃないようだ。世界の各地、それも大都市の近くに落ちてきたらしい。それに対応する人員も必要になった。自然と月への侵攻と世界樹への侵攻に加わる人員が減ってしまうことになる。

 どうやらこっちの出鼻はくじかれたみたいだ。

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