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時刻は16時25分。作戦開始は17時からだからまだ時間はある。なぜにさっさと始めないのか? とか思うかもしれないが、夏休みのなのは学生だけだし、なるべくこの作戦には沢山の人が参加して欲しいから、こんな時間になってる。
その種、国の軍隊はだいたいNPCだからプレイヤーに関係なく動かせるわけだけど、プレイヤーの戦力を宛にしてないとかじゃないからな。むしろバリバリあてにしてる。なにせだいたい月へと侵攻をするのはテア・レス・テレスのチームだ。
そしてそれは一応テア・レス・テレスとなってるが、その中には今回だけの有志参加者たちがいるからね。別にテア・レス・テレスではなくても今回の作戦には参加できるのだ。確かにテア・レス・テレスは今やLROでの最大チームとなってる。
だから本当にその全てが動員できれば彼らだけでも十分な軍隊となるだろう。でもそれって実際は現実的じゃない。だってあくまでもLROはゲームだ。予定があってこれない人はどうしてもいるからね。
だから広くチームに関係なくテア・レス・テレスは今回のこの大規模な戦いへの参加者を募ってた。僕も一応はそれで参加してる。テア・レス・テレスじゃないからね。まあけど月の侵攻側はなにかガッチガチに作戦があるか? と言われたら別にそんなことはない。なにせこっちはそもそもが不利なのだ。
むしろ……
「どうやら第一陣にはあんまり乗り気じゃないやつが多いわね」
そんな風にメカブのやつがいう。いや、それお前もだろって感じではある。
「それは貴方もでしょう」
あっ、ラオウさんがいってしまったよ。
「だってしょうがないじゃん。最初は私たち不利なのよ。なんでそんな中わざわざ戦わないと行けないのよ。世界樹を奪還してからのほうが絶対にいいって!」
最初に月に侵攻する役目。そのメンバーはほぼテア・レス・テレスで構成されてる。その理由は今メカブが言った理由にある。今のプレイヤー……いや、LROの中にいる人達には蓋がされてる。上限といっていい。
それによって以前の力が十全には発揮できない。直近に月の残骸という救済処置? としか思えないものが発見されたからまだマシになったけど、それでも完璧ではないからな。
その状態で戦いたくはないって奴らはおおいだろう。だから最初はそういう拒否権をねじ伏せられるテア・レス・テレスのメンバーで月に攻め入ることになってる。希望したら僕達のように最初からそれについていく事ができるけど……やっぱりそんなにいないようだ。
まあそれでも数百人は野良がいそうだけど。




