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「おお」

　僕はそんな声を漏らす。だって詠唱のあと、明確にメカブの輪っかに通った腕の部分が変化したんた。白く光ったと思ったら、その腕は大きく筋肉質になった。まるで誰かの腕に置き換わったみたいな？　だから旗から見たらその体がアンバランスになってる。

　でもメカブはそんなのきにしてない。皆の反応になんか満足してそうだ。そして……

「てぃやあああああ！」

　と動き出す。その動きはめっちゃ素人だ。はっきりいってどんくさいも程がある。僕なら絶対に当たらないだろう。でも相手は貝だ。貝はにげない。だからそのまま前に突き出したメカブの腕に……貫かれる。

　本当なら押しのける感じになる……と思うんだけど、そうはならなくて、メカブの白く光ってる腕が貝を貫通してる。そして……貝のHPがゴリゴリと減りだした。どういう原理なのかはわからない。いや、あの腕の特性が触れてるとHPを吸うとかそういうのなのかもしれない。

　けどそういうのが他にもないのか？　となるとそういうわけじゃない。数は少ないが、そういう特性があったりする。それに呪いの装備とかにはそういうのもあるみたいだ。後はリスクを与えて攻撃力を上げる系のスキル。

　そういうスキルは発動前にHPを捧げてその割合に応じて威力を上昇とかあるらしい。でもあの腕は自身ではなく相手のHPを見てる限り強制的に奪ってる。それでもしもメカブまで強化されてたらとんでもない性能になる。

　それに……

（あのスピードで奪えるのはヤバいな）

　HPを奪っていく呪いの装備とか言っても、装備してたらそのうちHPが0になってしまうわけだけど、そのスピードはあの貝ほどじゃない。あれはもうゴリゴリと減ってる。だって目に見えて……ってくらいだ。でも本来の呪いの装備のHPの減り具合はきっとあんなスピードじゃないだろう。もっとゆっくりだと思う。

　だってあれけだのスピードで対象のHPが奪えるのなら、確かに脅威だ。それに……

（あれなら防御力とか意味ないな）

　それである。だって貝はどう考えても防御力という意味では一級品な筈だ。それに防御力にふった特性とかスキルをもってたりする。だからなるべくなら相手にしたくない敵だ。これでなにか旨味があるのならいい。食材的ないみじゃなくてね。

　でもLROではそんな事はなかった。まあ何回もスキルを使わないと行けないからスキルの熟練度を稼ぐにはいいのかもしれないが……貝は別に戦ってて楽しい相手じゃないからね。

　的でしかないし……だからやっぱり不人気。取り柄はその防御力だけだったのに、それをあのメカブがいとも容易くとっぱした。これならメカブも前線要員として使える？

「どや！」

　主張が激しい部分を更に押し出してメカブがドヤってる。本当に「どやっ」って言うやつがいるんだなっておもった。